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カニバリズム  作者: 檸檬。
3/13

日常〜3〜

今日はジェラートの日だ。昨日の雪がうっすらつもり、いつもの通学路とは違った。寒いのにジェラートかと言えば、そうなのだが冬限定のお餅ジェラートがあるのだ。

でも、その前に学校がある。今日も気持ち悪い教師と顔を合わせなければならない。とても嫌だ。

でも、優香に会いたいし、一緒にジェラートも食べたい。今の私の原動力はそこだけだった。


今日は、優香の方が先に学校にいたが、周りには知らない人が沢山いたので昨日と同じストーブ近くの席に勝手に座った。優香に挨拶をしてもらいたいとは思うものの、優香の周りの人だかりをかいくぐってまでするような勇気は毛の先程も湧いてこなかった。学級委員だから頼まれることが多いのだろうと思いこんで、自分を慰めていた。



「邪魔。」

突然後ろから声をかけられた。なんだと思い、後ろを振り向くと、おさげで眼鏡の女がいた。

はて?なんのようだ?この、もさいやつは。

「聞こえなかった?邪魔って言ったの。」

そこで、自分が勝手に座ってる席のやつだと気づいた。あれま。とりあえず、誰かよくわかんなかったが謝っておいた。そんなに耳は悪くないよ。とつけ加えたら睨まれた。

なんだよ、今のは笑うところだ。そう思った。

より一層はやくジェラートが食べたくなるじゃないか。チャイムがなった。



先程のおさげ女は誰だろうと思ったのできもい担任の声のHRに耳を傾けた。

名前はすぐに分かった。石本透子。そうかそうか、石のように冷たく硬いやつなんだな。そうか、だから、あんなにひどい目で私を睨んだんだ。とは、思わなかった。それより、驚きの事実を聞かされた。3年の先輩である、佐々木香織が殺されていた。学校のマドンナと呼ばれるくらい、綺麗だったのに。あれま。しかも、一昨日の事件川崎明美さんと同じ殺され方だったらしい。連続殺人ということだ。世界でも平和な方な日本でしかも自分の住んでいる町でそんな事件が起こるなんて……。私は、優香が心配になった。優香は可愛いから。狙われてしまうかもしれない。

一日中、どうやったら優香を守れるかずっと考えていた。

ジェラートの時間が来ても、優香を守ることしか頭になかった。一日の中で最も楽しみの時間だったのにも関わらず。冬限定お餅ジェラートの味も分からないほどに考えていた。だから、優香に電話が来て電話越しに誰かに謝っているのすら気づかなかった。

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