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2017/3/30
たびーさんは『耳もとで名前を呼ぶ』をお題に、140字でSSを書いてください。
1.
ようやく静かになった。ソファに体を伸ばすとホッとする。いつまでも赤ちゃんじゃないわね、足は速いし力も強い。おばあちゃんの私には重労働。つい欠伸だって出ちゃう。昔は平気だったのに。高い所にだって登れたのに…。ウトウトしかけた私の耳元で音が弾ける「にゃーにゃ!」はいはい、今起きるわ。
2.
あたしはイヤホンを耳につけたまま、ミキと彼の話しを聞き流す。はいはい、良かったですね。適当に頷き、パンにかじりつく。キラキラした目で彼のことを話すのね。「ねえ、聞いてる? 理沙」急に抜かれたイヤホンの耳元でミキが叫ぶ。「聞いてる」ミキの息がかかった耳を押さえ、甘い息を閉じ込めた。
1.うちの猫は18歳で天へ召されたが、最後の夏あたりは耳が遠くなり、「みぃー!!」と背後で名前を呼ぶと牙をむいたおっそろしい顔で振り返って「聞こえとるわぁぁぁー!!」って感じで返事していた。
2.百合ゆりにならねぇよ