社畜
「ああ、疲れた。もう働きたくない。」そう思いながら、終電の過ぎた駅の前でで佇む。実家から離れ、兄のようになるまいと、必死に勉強し、就いた職場が今の職場だが、朝8時半から終電に乗り過ごす程働いて、残業代も出ず給料は雀の涙ほどしかない。
休みの日は、疲れ果てて一日中ごろごろしているだけ、人生にメリハリはなく、勿論目標もない。もう28歳だというのにも関わらず、いい相手もいない。
親には早く結婚しなさい。女の子なんだから、化粧ぐらいしなさいといつも怒られるが、仕事の忙しさでそれどころではない。今の時代そんなことが果たして可能なんだろうか?それとも私は落ちこぼれてしまったのだろうか?言いようのない不安が頭を過ぎり、胸が苦しくなる。
冷たい冬の風に打たれながら、家への道のりを歩くしかない私は、このままどうなっていくのだろう?現代社会においてワーキングプアと呼ばれる人々は私と同じ気持ちなのだろうか?道行く人々は幸せそうに見えるが、皆何かを抱え、それでも逃げずに頑張っているのだろうか?
正直こんな状況で、生活保護を貰って生活している人を羨ましく、妬ましく思う自分は間違っているだろうか?これが最低限以上の生活を送っているということだろうか?それとも社会が間違っているのだろうか?労組のある立派な会社に入れば私の人生は違ったかもしれない。ただ、今ある仕事をほっぽり出して転職するわけにもいかない。ある程度の責任感はある。こんな歳でいい転職先が見つかるとも思わない。元々兄に似て私も悲しいかな行動力がない。
私の人生はなんなんだろう?いっその事死んでしまおうかとも考えるが、そんな勇気があれば会社なんてとっくに辞めている。
自問自答を繰り返したところで、答えは出ない。私にはこの生活を繰り返すしかないのだ。先にある幸せを願って。