四人
俺、凪川勇也は他の生徒会委員とともに異世界に召喚され勇者になった。今は王様から魔王についての話を聞いている。
「ここから北には魔像の森と呼ばれる森が広がっておる。ここにはモンスターが住んでおり今のお主らが一人で入るのは危険じゃから近づかないように」
「はい」
モンスターか……当然魔王がいるんだからモンスターもいるか。大丈夫かな……
「じゃぁレベル上げとかどうするんですか?」
「それは近衛騎士長の元で経験を積み近くの草原に住む雑魚モンスターから戦ってもらう」
「どうも」
王様の後ろにいた甲冑の大男が一礼した。俺たちも一礼を返す。
「あの、土屋さん達はどうなるのでしょう?」
「ふむ。あの二人に関しては我々のミスだ。帰還する方法を見つけ、帰ってもらおう」
「そうですか」
よかった。勇者じゃない土屋さん達が戦うことはない。危険なことをするのは勇者の役目だ。
「では、今日は城を見ておくといい。それと街には出ぬようにな。お主たちはこの世界について知らなさすぎる」
俺たちは頷いた。そして騎士長に続いて部屋を出た。
よし、これから頑張ろう!
王は一つため息をつき、水晶を取り出した。その水晶には魔像の森に飛ばしたあの二人が映っている。
「ふん。せいぜい頑張るがよい」
水晶をしまい、王室を出る。
我が国は永久に繁栄するべきなのだ。
燈義と美月がいないことが分かったのはそれから一時間後のことだった。
「王様!」
「安心せい。今兵士を向かわせておる」
「でも!」
「今出て行っても被害にあうだけじゃ」
四人は何か言いたげだが何も言えない。
自分が何もできないとわかっているからだ。
「我が兵は優秀じゃ。安心せい」
「……よろしくお願いします!」
四人は王室を後にした。
結局燈義たちが見つかることはなかった。
少なくてすいません。しっかり書きます