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魔導書製造者  作者: 樹
巻き込まれ召喚
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遭遇

 王様は四人の勇者を自室に呼び、僕と土屋は外に出された。何やら魔王について話すらしい。


「これからどうするの?」

「図書館に行く」


 僕は廊下を歩き図書館を探す。何はともあれ知識が必要だ。この世界にある本のことも気になるし。


「じゃ、私も」

「ついて来るな」

「いいでしょ。別に予定があるわけじゃないんだし」


 そりゃそうだ。戦う力があるのかも分からないわけだしな。


「……好きにしろよ」


 何を言っても無駄そうなので気にしないことにした。しばらく歩き、大きな扉の部屋を発見した。王に教えられたとおり銀色の扉だ。


「ここか?」


 扉を開けてみる。部屋の中は暗く何も見えない。いくつか本棚と本は見えるがどうも少ない。


「違うのか?」

「どうしたの?」


 土屋が話しかけてきたが気にせず中に入った。土屋も続いて入ってくる。


「誰だ」


 後ろに気配がし、振り返る。

 そして突然の浮遊感。それが終わると鳥の声や木々のざわめきや濡れた土の感触が伝わってきた。


「……なんだこれ?」

「……へっ!?ここどこ!?」


 森の中にいた。あぁ、そういうことか。排除されたわけだ。

 嫌な予感が当たったんだ。


「あのじじい、やってくれる……」

「なんでそんなに冷静なの!」


 そんな予感はしていた。王国にとって勇者の付属品である僕たちは邪魔でしかない。滅亡の危機だというのなら養っている暇はないだろうし。まさかこんな強硬手段に出てくるとは思いもしなかったが。


「移動するか」

「あっ、待って!」


 ここにいてもしょうがないので移動することにした。そういえば僕のスキル、魔導書館ってどんなものなんだろう。


「使ってみるか」


 スキル、魔導書館。

 僕の両手に現れたのは一冊の本だ。分厚さは片手で持てるくらい。


「なにそれ」

「僕のスキルだ」


 だが、本をめくってみても何も書いてない。白紙だ。表紙にも題名は書いてない。これは一体どういうことだ?


「ま、おいおい考えるとするか」


 本を消し森を歩く。土屋が何か言っているが気にすることはない。



 しばらく歩き、僕はソレを見て立ち止まった。

 あぁ、そうだ。ここは異世界だ。こういうものがいてもおかしくはない。


「…なにこれ」


 僕たちの前にある大きな木。その木に大きな爪痕があった。昔図鑑で見た熊の爪痕みたいだ。


「モンスター、なんだろうな」

「モンスターって、そんな……」

「忘れたか?ここは異世界だ」


 しかもRPG要素満載のな。この世界のモンスターのレベルは分からないがこの爪痕を見る限りレベル一で倒れるものではないだろう。


「エンカウントしないといいけどな」

「うん……」


 さらにしばらく進む。



「……今、なにか聞こえた」

「は?」


 突然土屋が呟いた。

 聞こえた?いや全く何も聞こえないが。


「子供の、悲鳴?」

「そんなもん聞こえ―――お前、それなんだ」


 土屋の耳には見たことのないヘッドホンがあった。

 これは、こいつのスキル?まさか遠くの音が聞こえるのか?


「こっち!」

「おっおい!」


 土屋は僕の手を引いて走り出した。

 不味いぞ……もし土屋の言っていることが本当だとして、子供が悲鳴を挙げているのなら危機にあっているということだ。なんの力もない僕たちが行ったとして何ができる。被害が増えるだけだ。


「早く!」

「落ち着け!僕たちが行ってなんになる!」

「でも行かなきゃいけないの!」


 くそっ!どうする。こいつのスキルは使えそうだが僕が死んだらなんの意味もない。だが土屋を止めることは無理っぽいぞ!


「いた!」


 迷っている間に土屋は目標を見つけたようだ。土屋の視線の先に、ボロボロになった子供が人ほどある蛇に襲われえていた。


「こらー!」


 土屋が叫んだ。蛇がこちらを向く。赤い舌がチロチロ見えている。


「バカ!」


 蛇がこっちに突進してくる。土屋と一緒に左に倒れ、なんとか避けた。


「どうすんだ!完全にこっち向いてるぞ!」

「逃げるの!」


 土屋は子供の元まで走り手を取った。僕もそれに続いて逃げる。蛇も当然のように追いかけてくる。


「ふざけるなよ!」


 ガサガサという音に恐怖しながらスキルを使う。


「頼む!何か出てくれ!」


 が、何も起きない。僕は本をしまって走る。

 蛇の牙がすぐそこまで迫っている。僕は近くのとがった木の棒で蛇の目をついた。


「グゥゥゥゥゥ!」


 蛇が大きくのけぞり、倒れた。死んだか…?


「倒した、の?」

「…泣きたいのはこっちだ…」


 安心してへたり込んでしまった。が、蛇はまだ死んでいなかった。


「シュルルル…!」

「危ない!」


 土屋が叫ぶ。僕はダメもとで本を投げつけた。

 すると本が光り、蛇は光となって消えた。


「へ…?」


 地面に落ちた本を見てみる。題名は書いていないが、一ページ目にさっきの蛇が書いてあった。そしてその蛇の下に何か説明のようなものが書いてある……これは、魔法の説明か?


「これは…」


 これが僕のスキル……なのか?


「記録し、行使する能力……」


 確証はないがおそらくこの本に記録されたモンスターの魔法が使える。魔導書を創造するスキル。それが魔導書館という能力のようだ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] とりあえず台詞が箇条書きっぽい。人間味がないというか、喋らせられている感が強すぎる。感情移入できない。
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