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魔導書製造者  作者: 樹
エルフの戦争
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捜索

 トーレイとネイスの決闘の夜、トーレイの家で悪神対策会議が開催された。ネイスが悪神と戦わないからといって悪神を無視しておいていいというわけではない。


「トーギ、ミツキ、これ、あげる」

「どうも」

「ありがとう」


 僕たちは外に出され、集落をぶらぶらしていた。ネイスから水を受け取りそれを飲む。


「うまく声だせるようになったんだね」

「うん、なった」


 まだ少しおぼつかないもののネイスは話せるようになっている。きちんと話せるようになるのはまだかかるだろうが快復に向かっている。


「そういえば、燈義くんあの悪神についてなにか知っているらしいけど」

「知っているんじゃなくて推測できているだけだ。確証はない」

「それでもいいから、教えて」


 二人がじーっと僕のほうを見る。どうしたものか………


「アペピだ。僕たちの世界ではそういう悪神がある」

「アペピ?」

「アペピ……」


 土屋は聞いたことないようでうーんとうなっている。


「アペピはエジプト神話に出てくる悪の化身で大きな蛇の形をしている。夜になると暴れ、昼間に出ると嵐が起きるといわれている」

「そんなのがいるん、だ」

「いやいないから。こっちの世界と一緒にするな」


 神話の話だ。そんなのいたら世界滅ぶわ。


「しかし、蝋の蛇といい暗雲といい類似点が多いんだよな…」

「だから民話を読んでたの?」

「あぁ。蝋の蛇っていう対抗策を知っているんなら何かヒントがあるんじゃないかと思ってな」


 結局何もなかったわけだが。


「王都の、図書館になら、何かあるかも」

「王都?エルフって専制君主制なのか?」

「せんせいくんしゅ?」

「なんでお前が疑問を浮かべてんだよ」


 高校生なら知っておけよ。世界史の基本だろうが。


「王都には、大図書館が、ある。そこになら、古い本とか、ある」

「問題はその大図書館に入れるかだが…一般公開ってされてるのか?」

「されてない。許可が、必要」


 だろうな。地球でも重要は本とかは公開されてないし。……気になるな。


「なんとか入れないものか………」

「無理、だと思う」


 ふむ……入しても見つかりそうだし、何とかできないものかな。トーレイの権限ならなんとかできるのか?そういえばまだ約束守ってもらってないし。


「ネイス!」

「父さん!」


 焦ったようにトーレイが僕たちのほうに走ってくる。何かあったのか?


「王女様がいる!」

「……は?」

「王女様がいるんだ!この集落のどこかに!」

「おい落ち着けトーレイ。説明しろ」

「あ、あぁ…」


 落ち着きを取り戻したトーレイは説明し始める。大方予想はできているが、やはり予想通りだった。

 要するに悪神対策のために視察に来た王女様が護衛の目を盗んでどっかに行ってしまったってことか。


「森には捜索隊を出しているのだが見つからなくてな。集落の中にいると思うんだが、手伝ってくれないか?」

「はい!分かりました!」

「うん。分かった」

「分かった」


 僕たちは頷き返し、トーレイは走って行ってしまった。さて、僕たちも探そうか。


「じゃ、僕はこっちに行くから」

「やけにやる気だね」

「まぁな」


 だって、王女様がいなくなったてことは言うまでもなく一大事だ。だから何としても探さなくてはいけない。例え立ち入り禁止の場所でも。


「そういえば王女の特徴ってあるか?」

「うん。とっても美人。あと胸にネックレスしてる。太陽のネックレス」

「了解。探すよー!おー!」

「おー」


 僕はもう歩き出していた。


「燈義くんもやってよ!」


 後ろからなにか聞こえるが気にせず進む。さて、まずは立ち入り禁止の図書館の奥から捜索しようか。

王女ですね。次回出ますよ。

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