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夏生詩集

ハーフ

作者: 夏生

生まれた時から


僕には


片方しかなかった



ある方を器用に動かして


平気な顔して


過ごしているけれど



時々




集中していないと


ぼくは揺らめいて


グルグル回って


落っこちそうになる





僕は違うものを片方ずつ


顔に張りつけて遊ぶ


怒った顔と笑った顔


澄ました顔とおかしな顔


泣いた顔と表情なしの顔




母さんはいつも同じ表情で


僕を点検して寝てしまう



僕は片方の心が疲れて休みたいと


泣くのを聞きながら、眠った



父親の話を聞いたとき


僕の中で、ないはずの所が熱くなって


黒い液体が汚い音をたてて


流れこんできた



僕は笑った顔と怒った顔を


張りつけて


母さんに見せた



母さんも笑った顔と怒った顔を


張りつけて


僕に見せた





















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