チャプター1 トラウマ
アメリカ合衆国、汚職警官や巨大犯罪組織が蔓延るドレイクシティ。
この腐敗した巨大な都市の路地裏で、1人の少年がパジャマ姿で立っていた。
彼の名はトビアス・キートン。
気がつけばこんな所に居た。
真っ暗な夜で、月明かりも無く、光といえば消えかけた街灯が照らすのみ。
闇に包まれたこの道をあても無く歩いていく。
途中で、巨大な影を目撃した。
鳥のような何かだ。
それはゆっくりとこちらへと近づいてくる。
その影は巨大なハヤブサだった。
逃げようとすると、周囲は真っ暗の闇に包まれていて、路地裏ではなかった。
トビアスは目を覚ました。
夢だったのだ。
「またあの夢・・・」
トビアスは小さな頃からこの夢に悩まされており、彼はこの夢が何なのか見当がつかなかった。
時計を見ると、針は12時をさしていた。
ベッドから起き上がり、水を飲みに行こうと階段を降りると、リビングで両親が男3名に銃を突きつけられていた。
トビアスは恐れ慄き、身を隠す。
自分の目の前で彼らが行おうとしているのは殺人だ。
体の震えが止まらないトビアス。
3人組はマスクで顔を隠しており、素顔は確認できない。
3人組のうち体格のいい男が言った。
父は体が震えて、母は過呼吸で苦しそうだった。
「騒ぐな。金を出せ。」その男の声は低く、冷静さに満ちていた。
その男に銃を向けられていた父親は
「あんたらのような者に渡す金はない。私はどうなろうがどうでもいい。だが、妻だけは助けてやってくれ!頼む・・・」と、悲願する。
しかし、男は「黙れ。」と言って母を殺害。
殺人を初めて目撃したトビアスは声が漏れそうになった。
男は母を殺害すると、父に聞いた。
「ガキはいるのか?」
男の問いに父は沈黙を置いた後、言った。
「いない・・・」父はトビアスを巻き込みたくなかったのだ。
息子を傷つけさせない。
これが父の最期の答えだった。
男は父を殺害し、家から出て行った。
目の前で両親を殺され、家を出て泣き崩れるトビアス。
通行していたカップルが警察を呼び、トビアスは警察に保護され、この事件はニュースで報道された。
これはトビアスにとって忘れられないトラウマとなった・・・。