弟三話
久々の更新過ぎる・・・。
★日が昇り、鳥の鳴き声が沢山聞こえます。
落ち葉を敷いたベッド?でミシェルは熟睡しています。周りを見るとたき火の所に焼き魚と木の実が用意してありました。
「ミシェル、起きて。いい加減に起きてよ。」
フェイが必死にミシェルを起こしています。
「・・・うっ、眩しい、朝ですかぁー。まだ眠いんですけど・・・。」
「眠いんですけどーじゃないよ。いつまで寝てるんだよ?もうすぐで日が真上に昇っちゃうよ。毎日起こすこっちの身になってよ。どうしてこんなに寝起きが悪いんだよ?」
「ごめん、フェイ。でも、今までこんなに寝られる環境にいなかったから。今がとても幸せなんだよね。(笑)」
「物には限度があるよ・・・。」
フェイは額に手をあて、呆れています。
ミシェルは落ち葉のベッドからでると、まず目に入ったのは美味しそうな焼き魚とかです。
「フェイ、ありがとう!また、朝食用意してくれて。」
とか言いながら食事を始めちゃいました。
フェイも食べ始めましたが、ちょっと不機嫌そうです。
『はぁ、なんでこんな子と旅したいとか思ったんだろう?でも、ミシェルといると安心する。街にいた頃は母さん以外の人とこんなに仲良くなれるなんて思ってもいなかったよ。』
とフェイはそんな事を心の中で思っていました。
「フェイ、なんで赤い実を食べちゃダメなの?最初の日に止められたけど・・・。あんなに美味しそうなのに。」
ミシェルは赤い実のなっている木を見ながら言いました。
フェイは立ち上がり、赤い木の実を手に取りました。
「あぁ、それはね。この赤い実は食べても美味しくないし、危ないからだよ。こうやって火の中に入れたりすると」
フェイはたき火に持っていた実を入れました。そしてフェイは耳を塞ぎました。
すると
―ドォーン―
という大きな音が森に響き渡りました。
ミシェルは目を回しています。
「うわっ!すごい音。こんなに音がなるなら、言ってくれてもいいじゃないの。」
フェイは笑っています。
「アハハ、ゴメン。でも、良い目覚まし代わりでしょ?この赤い実はね、少しでも衝撃を与えると発火して破裂するんだよ。だから、武器の材料とかにもなるんだよ。」
「へぇ、そうなんだ。おもしろい。じゃあ、他の色の木の実はどうなの?なんかおもしろいのとかないの?」
ミシェルは目をキラキラさせながら聞きます。とても、気に入ったようです。
「ミシェル、そろそろ出発しようよ。木の実の話はまた今度にしよう。いいかげん今日こそ森を抜けようよ。」
「仕方がないな。そうね、いい加減森も飽きてきたしね。どれくらい森にいるのかしら?」
ミシェルは立ち上がり、荷物をまとめ始めました。
「えーと、約半月ぐらいはたったと思うよ。」
「そっかぁー、もう半月か。あっという間だったな。よし、準備完了。じゃあ、出発しましょうか。」
2人は歩き始めました。
★日が暮れ始めました。2人は木の枝を集め、火を付けました。
「はぁ、また街に着けなかったよ。いつになったら、着くのよ!フェイ、今どの辺にいるのか分かる?」
「今、魔法で調べてみるよ。」
フェイは荷物から地図を出しました。
「フェイ、魔法使ったらまた具合悪くなるんじゃない?大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。ミシェルと旅にでてから、いくら魔法を使っても疲れないんだよ。前は力が不安定だったんだけど、今はとても安定しているんだ。それに簡単な魔法なら呪文を唱えなくても出来るようになったんだよ。」
『そういえば、リディルさんが言ってたな自分に自信が持てないから魔法が不安定なんだって。じゃあ、少しは成長したってことかな?』
フェイは地図を地面に置き、杖を掲げると杖の水晶が一瞬光った。すると、地図が宙に浮き青い光が一つの場所を指しています。
「ミシェル、街は随分近くなったよ。明日のお昼ごろには着くと思うよ。」
「じゃあ、明日は久しぶりにフカフカのベッドで寝れるね。あっ、でも私お金持ってないや。どうしよう…。」
「うーん、そうだね。街に行くならお金は必要だよね、家にあるお金を持ってきたけど、できればこの先のためにあまり使いたくないしね。」
それから、2人は黙り込んでしまいました。
ミシェルはお金になるような物がないか、自分の荷物を整理し始めました。すると、手紙が出てきました。いろいろあり、すっかり忘れていたジルからの手紙です。フェイの様子を見ると、近くの木から木の実や小枝などを集めていました。
「ミシェル、すぐそこの川に行ってくるよ。水を汲んでくるだけだから。」
「了解、はやく戻ってきてね。夜なんだから。」
一人になったので安心して手紙を読み始めました。別にフェイがいても良いのですが、なんとなくミシェルは一人で読みたかったのです。
(ミシェル、無事ですか?僕は心配で夜も眠れません。僕は今、親やったことの後始末をしています。それが思ったより大変で手が離せません。なので、手紙を書く時間があまりありません。ミシェルは今、どこに向かっていますか?もしも、シンセルディの街に行くようなことがあったら、その街で宿屋を営んでいるアクシスという男性に会いに行って下さい、きっと君の手助けになってくれるはずだから。君の名前を言えば分かるようになっているから。あと、何かとお金に困ると思うから少しばかりだけど、入れとくよ。それと白い笛は、ティスファーを呼ぶ笛です。どうしても僕に伝えたい事があったら、使ってください。それでは、僕はミシェルの無事だけを祈っています。)
封筒のなかを見ると手紙に書いてあった通り、お札が十枚ほどと紐を通してある小さな白い笛が入っていました。ミシェルは白い笛を首にかけました。
★ミシェルが手紙を読み終え、少しするとフェイが帰ってきました。
「ミシェル、今戻ったよ。何も、変わったことはなかったよね?」
フェイの息が荒れていました。急いで帰ってきてくれたのでしょう。
「うん、大丈夫だったよ。フェイはさっきから、何をしているの?木の実、石、枝、水なんか持ってきちゃって…。」
「街で売るものを作ろうかと。」
フェイは青い実を潰し水に入れました。水は木の実の色でキレイな青色になりました。その液体にフェイが鞄から出してきた、粉を入れました。それを、小さな鍋に入れ焚火に持っていき煮込み始めました。
「ミシェル、その鍋焦げないようにかき混ぜといて。固まったら言って。」
「了解だよ。」
ミシェルは言われたとおりに鍋をかき混ぜています。
フェイは次に、杖を持ち、魔法で石を加工し始めました。どんどん作っていきます。その形は何か丸い小さなお皿みたいに見えます。
「おーい、固まったよぉー。」
「じゃあ、紙の上に広げて冷ましておいて。そしたら、鍋を拭きそこにある赤の実以外でさっきと同じことをやって!」
「わかったよ、でもこれ何になるの?」
ミシェルは黄の実を潰しながら言いました。
「出来てからのお楽しみだよ。ミシェルのも作るから、頑張って。」
フェイは次の作業に移っていました。石で作った皿状の物の上のほうに小さな穴をあけていきました。フェイはとても楽しそうです。次は、何か液体を塗っています。それが終わると、穴をあけた所に針金のようなものを入れ一つにまとめ、火の中に入れてしまいました。
「ふぅ、やっと終わった。ミシェル、そっちはどうなった?」
「ずいぶん前に終わったよ。眠いよ…。」
ミシェルは欠伸をしています。
「手伝ってくれて、ありがとう。後はボクがやっておくから、先に寝てていいよ。」
「うん、お先に失礼しまぁーす。」
と言って、ミシェルは倒れるように寝てしまいました。
フェイは一睡もせず、ずっとこのような作業をしていました。よ
★太陽が昇り始め、暖かくなってきました。
「よしっ、完成だ!」
フェイはとても嬉しそうです。
「ミシェル起きて、完成したよ。」
「・・・眠い・・・。」
「ほら、起きてよ!」
「・・・もう少しだけ、寝かせて。」
フェイはいい加減疲れたので、ミシェルに水を顔にかけてやりました。
ミシェルは飛び起きました。
「冷たっ!なにすんのよフェイっ!」
「起きないミシェルが悪い。そんなことより、昨夜から作っていたやつ完成したよ。」
「…。完成したんだ。どう?出来のほうは?一体、何を作っていたの?」
フェイは二十個のペンダントを運んできました。そのペンダントには様々な色がありました。とても、光り輝いています。
「これを作っていたんだ!ミシェルに一つあげるよ、好きなもの選んでいいよ。」
「わぁ、キレイ。どれにしよっかなぁー。」
ミシェルは悩んだ末に真中に月がある黒いペンダントを選びました。
「ありがとう、フェイ。でも、どうしてこんな作り方とか知っていたの?」
「えーと、それはね。ボクは街の人に嫌われていたから買い物に行けなかった、でも母さんの誕生日にどうしても何かを渡したくて、本を見たりして作ったんだよ。母さんは、とても喜んでくれたよ。」
フェイはちょっと照れくさそうに言いました。
「そんな事があったんだ…。いいの?大事な思い出のペンダントを売り物なんかにして?」
「いいよ、ボクが作ったペンダントを大事にしてくれれば、それだけでいいんだ。」
ミシェルはペンダントを握りしめました。
「うん、大事にするよ。それにしてもフェイは器用だね。そろそろ、街に向かおうか。」
フェイは頷き、2人で後片付けをし、街に向かいました。
★2人は丁度、太陽が真上に上がった頃に街に着くことができました。
フェイは自分が獣人とばれないように深く帽子をかぶっています。
「フェイ、私あまりお金の計算とか得意じゃないの。できる?」
不安そうにミシェルは聞いてきます。
「ボクはある程度はできると思うよ。だから、大丈夫だよ。」
「なら、平気だね。では、いろんなお店を回って売り込みをしよう!」
「なんか、ミシェル張り切っているね。」
「こんな大きな街初めてだから、なんかワクワクしちゃうよ。」
そんなことを言いながら目に入ったお店から、入って行きました。
最初に入ったのは服やアクセサリーが売っているところでした。
「いらっしゃいませ。何か御用かしら?」
と若い女性が話しかけてきました。
「あの、このペンダント買ってくれませんか?」
とミシェルが言うと女性の店員は
「まぁ、キレイね。でも、この店では置けないのよ。ここは、ブランド物しか置くことができないのよ…。ごめんね。でも、気を落とさないでお姉さんが一つ買ってあげるわ。そのペンダントを一つ下さいな。おいくらですか?」
「あの、この三つの中から一つ選んでください。一つ800ルーンとなっています。」
とミシェルがいうと、フェイは三つのペンダントをテーブルの上に置きました。
「じゃあ、これにするわ。800じゃ、安いわね。1000ルーン払うわ。」
緑と黄色でできた、クローバーのペンダントを選び、ミシェルにお金を渡しました。
「「ありがとうございます。」」
ミシェルとフェイは声を合して言いました。
「そうだ、ちょっと待っていて。」
と言うと、お姉さんは店の奥に行き、少し待つと出てきました。
「ここに行ってみなさい。ここなら、あなた達のペンダントを買ってくれると思うわ。」
お姉さんは、フェイに地図を渡してくれました。
店にお客さんが入ってきました。
「いらっしゃいませ。」
お姉さんは小声で「お客さんが来ちゃったから、外に出てちょうだい。」
なので、2人はもう一度お礼を言い、外に出ました。
★ミシェルとフェイは服屋のお姉さんに教えられた、お店に行ってみました。そこは、とても古く、ボロボロでした。表の看板には、[売ります・買います!]と書いてありました。
2人は恐る恐ると、入りました。しかし、お店のカウンターには誰もいません。
「すみませーん、誰かいらっしゃいませんか?ペンダントを売りに来た者なんですが。」
と大きな声でミシェルは言ってみました。
「はーい、居ます。少し待っていてください。」
と老いた男性の声がしました。
少し待つと、眼鏡をかけた老人が出てきました。
「客なんて、珍しいこともあったもんだ。お客さん、ペンダントを売ってくれるのかね?」
「はい、このペンダントなんですが…。買いとってもらえますか?」
とミシェルは十個のペンダントをカウンターの上に置きました。
老人はルーペを使い、一つ一つのペンダントをじっくり見ていきました。
見始めてから、数分後。
「よし、買い取らせてもらおう。よくできているよ。素人が作ったなんて、誰も思わないよ。そうだな、一つ当たり3500でどうだ?十個で35000ルーンだ。」
フェイは驚き、慌てて聞きました。
「なぜ、素人が作ったって知っていても、そんな高い値段で買うんですか?ボクらは嬉しいですけど、大丈夫なんですか?」
老人は笑いながら
「いいのさ、金持ちどもに5000ルーンで売るから。それにしても少年、いい子だね。普通は黙っておくものさ。では交渉成立だな。」
老人は店の奥からお金を持ってきました。
お金を数えながら老人は尋ねました。
「それで、君たちこの店のこと誰から教わったんだい?」
「正門から一番近い、服屋の優しいお姉さんです。」
「あぁ、メルか。そっか、なるほどそういうことか。君たちは運がよかったよ。行ったのがメルの働いている場所で。メルも昔、君たちのようにこの店にやってきたんだよ。自分で作った服を持って。どの店に持っていっても買ってもらえなかったらしい。そして、最後に行き着いたのがわしの店だったわけじゃ。わしはメルから何も聞かず服を買い取ってやった。メルは君たちをみて、それを思い出してわしの店を紹介したのだろう。あぁ、悪い。なんだか長話になってしまい。ほれ、これが金だよ。鞄にしっかり入れんるんだよ。」
とミシェルとフェイに半分にわけて渡してくれました。
「「ありがとうございます。」」
と2人がお礼を言うと老人は、
「いいんだよ、いい買い物をさせてもらった。こちらこそ、ありがとう。頑張るんだよ。」
といい店の奥に行ってしまいました。
そのお店の売り物を見ると、様々なものがありました。古いものもあればゴミのようなものがありました。その中で、目に入ったのは桃色のワンピースでした。古く、糸がでていたりしていたけど、ミシェルとフェイの目には輝いて見えました。
第三章終了(思い出のペンダントとあたたかいお店)




