第一話
パソコンから書いたので携帯だと読みにくいかも。
小説初投稿のため全然やり方わかりません(汗)
★遠い昔、とても平和で争いごとの無い幸せな世界がありました。みんな誰でも、生まれてきて良かったと心の底で思えるところでした。しかし、そんな夢のような世界はある小さな小さな事件によりどんどん壊れていきました。その事件は人々に忘れ去られ今では何故こうなってしまったのかは分かりません。今、この世界ではかつての平和な世界が嘘の様なことが毎日起こっています。そんな中、8人の子供が生まれました。その子達はきっと希望の光になることでしょう。(たぶん)
★日がもう真上に昇った頃、少女が汗水流し働いていました。服装は汚れて何年も使ったようにボロボロです。髪は癖毛の薄茶色で、長さは肩ぐらいまでありました。その少女の名はミシェルといいました。
ミシェルに向かって意地悪そうなおばさんが、
「おーい、そろそろ庭の掃除は終わったかい?次は、買い物に行ってきておくれ。」
「奥さま、もう少しで終わります。」
「いったい、掃除にどれだけ時間がかかるんだ。まったく、おまえは何をやらしてもとろいんだな。まさか、サボってたんじゃないだろうねっ?私はね、あんたがどうなろうが知ったことではないのさ。村のルールで仕方が無く面倒見ているのさ。わかったかい?」
「分かっています。急いで終わらせます。」
そうミシェルが言うと、まだ言い足りなさそうにおばさんは家の中に入っていきました。
その日はいつもと何も変わらない日のはずでした。
★『はあ、またとろいって言われてしまった・・・。』
仕事も一通り終わったので休憩しているミシェルのもとへ青い鳥が手紙を届けに来ました。その鳥の名前はティスファーといい、ミシェルとジルの手紙を運んでくれます。ティスファーはまた飛んでいってしまいました。ミシェルはジルに一度も会ったことがないがとてもいい人だと思っているのです。
その手紙の内容はこうでした・・・
(ミシェル、早くその村から出るんだ、この手紙を読み終わったらすぐにでも出てほしい。あまり時間がない。たぶんこの手紙が着いた翌日には、その村でよくない事が起こるという情報があるんだ。だから、巻き込まれないうちにはやく逃げてほしい。できるなら、誰にも見つからないように出て行くんだ。どうか、ボクの話を信じてほしい。ボクは今忙しくて君を助けにいけない、自分で身を守るんだ。必ず君を見つけだし、会いに行くから生きていてくれ。)
ミシェルはこの手紙を読み終えて、すぐに自分の荷物をまとめました。
ミシェルは、幼い頃に両親が戦争で死んでしまい、年の離れた兄が居ましたが何処にいるのか分かりません。生きているのかさえ不明です。なぜ、私一人が生き残ったのと?ずっと、自分の人生を呪っていました。あの頃のミシェルはいつも湖で泣いていました。そんなある日、翼に怪我をして溺れていた鳥を助けました。その鳥がティスファーだったのです。ミシェルは、怪我が治るまで介抱してやり、首輪がついていたので飼い主がいると思い逃がしてあげました。数ヶ月後、ティスファーがミシェルの元へ手紙を持ってやってきたのです。手紙にはお礼やジルについてのことが書かれていました。それが手紙交換のはじまりでした。それからは、ジルの手紙だけがミシェルの心の支えでした。だから、ミシェルはジルからの手紙の内容をすぐに信じられたのです。
★ミシェルは、用意が終わるとすぐに出て行きました。持ち物は小さなリュック一つ…。2・3年前までは村の入り口に門などなかったけど、今では戦争が過激化したため、門が建てられました。村に出入りする者の名前を記すようになっています。それに、16歳未満の子供は外に出させてもらえません。残念ながら、ミシェルは14歳です。なので、ミシェルしか知らない隠し通路を使い外にでました。村を出て目の前に広がるのは、どこを見ても木・木・木です。まさに森です。耳を澄ませば水の流れる音がします。このトルスタは森の中にありとても平穏な村です。明日、何かが起こるなんてこの村にいる人の誰一人とて予測できないでしょう。
『早く、何処か休める所を探さないと、夜になる前に・・・。』
早足で歩き続けて行くと小さな洞窟を見つけました。今夜は、朝までそこで過ごすことにしました。ミシェルは、疲れていたのか、すぐに眠りにつくことが出来ました。
★まだ深夜の2つの月が並んでいる時刻に悲鳴が響き渡りました。
ミシェルはその悲鳴で目が覚めました。ミシェルは慌てて辺りを見渡しました。頭の中は村の人に教えてもらった事で一杯でした。この世界には、人間だけではなく魔族・神族・獣人・精霊などといった数多くの種族が存在するそうです。日が暮れると村の外は魔族が動き回るというのです。魔族とは未知なことが多いですが魔族の中にも色々いて、人との見分けがつかないのや人襲って食べる魔族もいるそうです。さっき聞こえた悲鳴は、後者の魔族のかもしれません。ミシェルは怖くて震えが止まりませんでした。
『どうか、見つかりませんように。』
耳を澄ましてみると、足音と羽のような音が遠ざかって行きました。しかし、ミシェルは朝まで怖くて、寝ることも動くこともできませんでした。それがミシェルの非常に長い、初めての村の外での夜でした。
★一刻もはやく森を出ようと決意し、近くの川で水を飲み出発しました。歩いていくと変な異臭がしたのです。酸っぱいような甘いような臭いがしました、そこには人間の死体がありました。その死体には心臓と目が取り除かれていたのです。それは昨日の悲鳴をあげた人のように思えます。この人を襲った魔族の好物は心臓と目なのでしょう。非常に気持ち悪いです。その証拠にミシェルは走ってその場を離れて行きます。
『嫌だ、あんな死に方したくない。東の守護神ユクジア様、私をお守りください。』
ミシェルの今言ったユクジアとは、この世界を守っている2人の神の内の一人です。本当に居るかは分りませんが、古くからこの世界に言い伝えられてるそうです。
★太陽が傾き始めた頃、帽子をかぶって寝ている少年がミシェルの目に入りました。その少年の髪はとても綺麗な薄緑でした。何とも不思議な感じです。なんだか、人と違うオーラを放っています。また、少年の持っている持ち物も不思議でした。その持ち物とは布にくるまれた細長い物でした。ミシェルは道を教えてもらおうと思い、少年が起きるまで待つことにしました。
夕方になりかけ、また魔族が出るのではないかとミシェルは焦り始めました。なので、少年を起こすことにしました。
「すみません、起きてください。」
熟睡しているのか起きてくれません。次は大きな声で起こしました。
「起きて下さいってば!」
少年は飛び起きました。そりゃあ、ビックリするでしょう・・・。周りにいた小鳥たちは驚き逃げて行ってしまいました。
「・・・キミは誰?ボクに何のよう?」
と非常に小さな声で少年が喋りました。
「私はトルスタの村からきたミシェルといいます。この近くの街に行きたいのです。行き方教えてくれませんか?」
「・・・。」
少年は、無言で頷きました。
『これは了承でいいのかしら?』
少年は何も言わず歩いていきます。ミシェルは慌てて置いて行かれないようについて行きます。
★少し歩くと木に沢山の木の実がなっていました。その木の実は赤・黄・緑・白といった様々な色がありました。ミシェルは昨晩から何も食べていません。お腹が空き、我慢できなくなり赤く美味しそうな木の実に手を伸ばしました。
「わぁ、美味しそう。」
ミシェルが赤い実を食べようとするといきなり少年が止めました。
「その木の実の赤いのを食べてはダメ、食べるなら黄色か緑のだよ。」
初めて少年がまともに喋りました。
「そうなの?分かったわ。」
『なんだ、普通に話せるじゃない、なんで黙ってばかりいるのかしら?』
ミシェルと少年は川辺に座り、木の実を食べました。
黄色い実は甘く、緑色の実は酸っぱい味がしました。
★歩き始めてからずいぶん時間がたち、完全に日が暮れてしまいました。真っ暗です、月明かりだけが頼りです。空を見上げると沢山の星が流れていました。今日は半年に一度の流星の日なのでしょう。
「あの、後どれくらいかかるのかな?まだ、遠いの?」
夜なので不安で一杯で、流れ星どころじゃないミシェルでした。
「・・・もう少し。」
と少年は答えました。
何故か少年はミシェルがいくら近づこうとしても、一定の距離を保ちます。まるで何かに怯えているように・・・。
少しして、いきなり少年の顔が強張りました。そして、離れた場所から遠吠えが聞こえました。足音と遠吠えがどんどん近づいてきます。足音の数は一匹所ではありません、軽く二十匹は居るでしょう。
「えっ!一体なんなの?」
少年が、真剣な顔で
「・・・静かに。ボクがどうにかする・・・よ。」
何かを諦めるように言いました。
少年は「はぁ」と溜め息をして、不思議な持ち物だった細長い物の布を外しました。その中から現れたのは、杖でした。少年が呪文のようなものを唱えると杖に付いていた宝石が光り輝き始めました。それから、獣の様な魔物は結界が張られたのか近づいて来ません。
『なんで?人間は使うことができないはずの魔法を、この子はやるの?』
「ボクは人間じゃないからだよ。」
と少年が言いました。まるで、ミシェルの心を読んでいるようなタイミングでした。ミシェルの心の中なんて誰でも容易に読めるでしょう。なぜなら、顔に出ているんですよ…。
ミシェルは驚きの事実に言葉もなく固まってしまいました。
少年はそんなミシェルをほっとき、また呪文を唱え始めました。
- 神聖なる 白夜に光 二つの月よ
- そこから流れし 月の涙 今こそ
- 我に力を 貸したまえ
- 我らに 月の光の 恩恵を
Xx 月雫消無
するとミシェルと少年の体が透けていきました。すると少年はミシェルの手を取り走り出しました。魔物達はミシェル達が横を通り過ぎても、まったく気がつきません。少年はすごく真っ青で辛そうな顔をしていました。
「ボクの魔法はあまり長く保たないから、はやく街に行こう。あいつらは、鼻が良いからすぐに追いつかれるから。」
ミシェルは少年が心配でしたが、そう言われてはどうしようもありません。
少し歩くとすぐに大きな光と門らしき物が見えました。それは、どこからどう見ても街でした。ミシェルは無事に街につけることが嬉しくて、歩くスピードが上がります。
しかし、少年は力尽きてしまいました。少年が地面に倒れる前にミシェルは少年を支え、少年を背負って明るい街に向かって行きます。
―これが、ミシェルとフェイの初めての出会いでした。
広い森の中で出会った2人、その夜は年二度ほどしかない流星の日、魔物との遭遇。これはどれだけ、確率が低いことなのでしょう?それは必然。
さてこの2人はどんな幸せな世界を望むのでしょう?これにて第一話終了。
(旅立ちと異種族の少年との出会い)
ここまで読んでくれた方ありがとうございます。