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やっぱり君か

なんだかいつもの女子トイレにも行く気にはなれず、


かといって行くあてがある訳でもなく。


気がつくと以前あの猫男子に拉致された、


屋上へ続く階段のところへ来ていた。



――――――――あ、そういえば今は関係のない話かもしれないけど、


あの猫みたいな男子生徒の名前が昨日の体育の授業後分かったので報告。


更衣室で着替えてた時に、周りの女子生徒の会話が耳に入ってきたからだけど。


「ねぇ、ほんと今日の授業すっごい面白かったよね~。」


「て、ゆうか白木しらきの跳び蹴りマジやばかったぁ、ウケるわー。」


「あいつ黙ってたらいい感じなのにねぇ。」


あははははー、と更衣室全体に広がる笑いの波。


いつも自分が笑われてる時って


凄く居心地が悪くて


しんどくて


息苦しくて


泣きそうになるけど、この時のみんなの笑い声は


聞いてて耳に心地よくて、なんだか心が洗われるみたいな


不思議な気持ちがした。




その後教室に戻って普通に授業を受けてたんだけど、


ふと目に入ったクラスの掲示物に「白木」の字が見えて・・・。


それは委員とか役員とか、そういう系統の名前を貼り出したプリントで、


「白木円」という名前が図書委員の欄に書いてあった。


それで下の名前も知ることができた。



いや、別に知りたかったとかじゃなくて・・・




・・・こういうの、不可抗力って言うんだよね?



まあ、とりあえずこういう経過を経て彼の名前が「円」


(まどか?たぶん!)だということが判明したのでした。


男の子にしてはちょっと珍しい名前だよね。


でも凄く似合ってると思う、うん。




・・・・・で、それはともかくとして今はそれどころじゃないよ。


これからどうしよう?


とりあえず勢いで逃げてきちゃったけど、


お弁当広げっぱなしできちゃったし。


って、いやいや、問題はそこじゃないだろ私!


違うよ。


今はお弁当なんてどうでもいいよ。


大変なのは昨日の、たぶん私のあられもない姿の写メが


出回ってるってことなんだってば。



でも、起こってしまった事はもうしかたがないという気もするしなぁ。


こんな所で考えててもしょうがないかなぁ。





家帰ろうかなぁ、今日は。


なんか今までにもからかわれたり酷いことなんて一杯あったし、


そろそろ慣れてきたかもしれない。


さっきは突然で恥ずかしくて出てきちゃったけど、


私が平気な顔してまた普段通りやってれば、みんなすぐ飽きるよ。



―――――――うん、よし、ひとまず今日は帰ろう!


帰ろう帰ろう・・・。



今すぐ。



あ、でも教室にどんな顔して入って行ったらいいかな?


そこまで私が考えた時


「あっ、いたいた。無事だ、良かった-。沢村さん、大丈夫?」


そう言って階段の中ほどに座る私を階下から見上げてくる人。



彼だ。



白木君だ・・・・・。







走ってきたのかな?少し息があがってる。

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