表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

彼女がいるのに、手を繋いだ

作者: かりすと
掲載日:2026/04/12

※大人向けの恋愛です。


正しくないと分かっているのに、やめられなかった関係を書きました。

彼女がいるのに、手を繋いだ。



最初は、本当に何もなかった。


ただ話しやすかっただけで、

ただ一緒にいるのが楽だっただけ。



店で顔を合わせて、少し話して、

気づけば外でも会うようになっていた。



「彼女いるんでしょ?」



軽く聞かれて、軽く答えた。



「いるよ」



隠す理由もなかった。



それで終わると思っていた。



でも、終わらなかった。



距離は、少しずつ近くなる。



夜に会うようになって、

帰り道が同じになることが増えて、



気づけば、隣にいるのが当たり前になっていた。



「これってさ」



ある日、言われた。



「ダメなやつじゃない?」



笑いながら言っていたけど、

目は笑ってなかった。



「何が?」



分かってて聞いた。



「分かってるでしょ」



分かってた。



でも、そのときはまだ、



「別に何もしてないし」



そう言い訳できる距離だった。



手も繋いでないし、

キスもしてない。



だから大丈夫だと思ってた。



その日、帰り道で雨が降った。



屋根のある場所で、少し雨宿りする。



距離が、近かった。



会話が止まる。



沈黙をごまかすみたいに、手が触れた。



引かなかった。



そのまま、繋いだ。



一瞬だけ、こっちを見たあと、



何も言わなかった。



それでよかった。



その瞬間、



「ああ、大丈夫だ」



って思った。



何が大丈夫なのかは分からないけど、



まだ戻れると思ってた。



でも、戻れなかった。



そこからは、早かった。



会う頻度が増えて、

距離がなくなって、



言い訳が通用しなくなる。



「これ、浮気だよね」



今度は、笑ってなかった。



「どうだろ」



まだ、逃げてた。



「ちゃんとしてない人、無理なんだよね」



その言葉で、少しだけ現実に戻る。



でも、



「じゃあ、やめる?」



そう聞くと、



少しだけ間があって、



「……それは、嫌」



って言った。



その時点で、もう終わってた。



どっちも分かってた。



ちゃんとしてないのに、

ちゃんと終わらせる気もない。



それでも、続けた。



ある日、急に言われた。



「もう会わない」



理由は聞かなかった。



聞かなくても分かってたから。



「ちゃんとできない人と続けるの、無理」



そのままだった。



何も言えなかった。



言う資格がなかった。



「彼女、大事にしなよ」



最後にそう言って、帰っていった。



それから、会ってない。



連絡も来ないし、してない。



彼女とは、まだ続いてる。



別れる理由もないし、

嫌いになったわけでもない。



でも、



たまに思い出す。



あのとき、手を繋いだ瞬間。



あれが、全部の始まりだったのか、



それとも、



もう戻れなくなった瞬間だったのか。



今でも、分からない。



——あなたなら、あのとき、どうしてましたか。


読んでいただきありがとうございます。


この話は、

「浮気になる前に止めるべきだったのか」

それとも

「気持ちが動いた時点でアウトなのか」

をテーマに書きました。


もしよければ、

どこからがダメだと思うか、コメントで教えてもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ