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ぽんこつ可愛いアイドルは、妹として愛されたい  作者: 日々一陽
第一章 アイドルはファンのみんなが恋人です

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14/19

14話 私も応援します

 一方、姫路眞名の列に並ぶ柳川美妃。


 初めての女性アイドルのライブ、勿論初めての物販。抵抗がなかった訳ではない。大声で愛してると連呼するおじさん、やたら飛び跳ねるお兄さん、真剣な顔をして巨大なレンズを覗き込むカメラの皆さま―― 見るのも聞くのもカルチャーショックばかり。だけど拓海が大好きという女の子を知る絶好のチャンス。それにステージで見た彼女は活き活きと全力で訴えてきた。楽しそうな笑顔につられてこちらも思わず笑顔になる。躍動感が体を勝手に左右に動かす。それは美妃のアイドル観をいい意味で覆してくれた。


 一番後ろに並んだけれど、それでもたかだか4番目。


 美妃にとってチェキ列から見る光景は珍しいことだらけだった。アイドルとヲタクがポーズを決めて一緒にチェキを撮るのも、ヲタクがプレゼントを渡すのも、ヲタク同士でチェキを見せ合って笑い合っているのも初めて見る光景だ。興味深く周囲を観察している間に、あっという間に順番は回ってきた。


「はじめましてっ!」

「はじめまして」


 近くで見る眞名はステージ上の印象よりずっと華奢だった。美妃はソロのチェキを頼むと名前を聞かれ

て本名を伝えた。


「白いペンライト振ってくれてましたよね。ありがとうございます!」


「見えてたんですか?」

「勿論です! 視力だけは自慢なんです。他はポンコツですけどねっ。楽しんでいただけましたか?」


「はい、とっても。眞名さんのダンス凄く綺麗ですね」

「うわっ、嬉しい」


「体すっごく柔らかいですね」

「柔軟体操が趣味なんです」


 破顔しながら眞名は答える。


「あたし、アイドルさんのライブってはじめて見ました」

「どこでカモミを見つけてくれましたか?」


「友達に連れてきてもらって。彼がカモミーユのファンなんです」

「彼?」


 一瞬フリーズを起こした眞名の脳細胞はすぐに再起動する。


「わあ、その彼氏さんに感謝しなくっちゃ」

「あ、彼って、私の恋人って意味じゃなくって」


「え? ごめんなさい、美妃さん凄くお綺麗だから――」

「ありがとう。でもね、私の事なんて眼中にないみたい」


「うそっ、あり得ない!」

「今日もふたりっきりで買い物に行ったのにね」


「て、手を繋いでとか?」

「残念ながら」


「それって、美妃さんが綺麗過ぎるからじゃないですか?」

「ありがとう! じゃあ、もうちょっと頑張ってみようかな」


 冗談っぽく笑う美妃。


「だったら…… 私も応援しますね」

「え?」


 眞名は両手でハートマークを作ると精一杯の笑顔を向けた。


「美妃さんの想いが届きますようにっ!」


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