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ハズレ女神と最弱ヒーラー。〜〜アラサー転生者、冒険、青春、ほんのりチート。妹、イケメン化、時々ハーレム  作者: 白井 緒望


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第46話 炎爪と雷槍

 

 ルナは右掌を広げた。

 

 「フレイム•クロウ(炎の龍爪)


 その声と同時に、ルナの指に5本の青い炎がゆらめいた。青の炎は格別に高温だ。


 俺とアイシャはリリスの横で構えた。

 

 ルナが言った。


 「これは全てを焼き尽くす龍の焔。わらわの封印を解いて良かっただろう?」 


 「ま、まあ……」


 それはそうなのだが。

 手足に浮き出ている鱗の方が気になる。


 俺は首を横に振った。

 とりあえず、今は目の前の敵のことを考えろ。


 ゴブリンヒーローは顔を覆う手をさげた。

 組織がミミズのように蠢き、瞬く間に傷が塞がっていく。


 「すさまじい回復力ですね」

 アイシャは言った。


 確かに驚異的な回復力だ。

 あれでは、中途半端な攻撃では、またたく間に回復されてしまう。


 一撃でトドメを刺す必要がある。


 俺らの中で一番攻撃力が高いのは、リリスだ。


 「リリス、トドメをお願いできるか?」


 リリスは頷くと、杖を前で構えて詠唱を始めた。


 「雷の悪魔王ゼリウスよ。我が侍り、その耳元で囁こう……」


 雷槍の中級魔法だ。

 だが、この魔法はさっきゴブリンヒーローに弾かれたものだ。


 「リリス、その魔法じゃ……」


 俺がそう言うと、リリスは左手の甲で右の前腕を撫でるようにした。


 「グッ……」

 リリスの唸り声。


 触れた龍紋が紫から赤に変色した。


 ズズッ。

 龍紋が動く。


 リリスの身体中を這うように移動する。

 龍紋が頬に至ると、リリスの表情が歪んだ。


 途端にマナが、とぐろを巻いて膨れ上がった。

 

 肌にビリビリと伝わってくる。

 明らかに桁が違う。


 「ねっ? これは祝福なのです」

 リリスは俺と目を合わせると、口角を上げた。


 呪いの祝福……マジックブーストか。


 リリスのあの笑み。

 ゴブリンヒーローに致命傷を与える自信があるのだろう。



 雷槍のキャストタイムは30秒。


 猪突猛進は避け、詠唱の完成にタイミングを合わせる必要がある。

 

 「俺が敵を挑発して時間を稼ぐ。アイシャとルナは、リリスにタイミングを合わせて」


 俺はそう言って、ルナの方を見た。


 何故かルナはニヤリとした。

 

 「ということは、先鋒は、わらわだな」


 (いや、待て。まだ行くな)


 ルナは右手を前に出す。

 指先をすぼめ、鋭い爪をゴブリンヒーローの方に向けた。


 そのまま腰をグッと下げ力を溜める。


 俺をチラッと見ると、前のめりになり素早い動きで、ゴブリンヒーローに突っ込む。影がルナを追いかけた。



 「ちょっ、待って」


 呼び止めたがルナは聞いていない。

 これではリリスとの連携が出来ない。


 (ちょっとは言うこと聞けよ!!)



 「アイシャ、ルナをサポートして」


 俺がそう言うと、アイシャは小さなため息をついた。


 「仕方ありませんね」


 アイシャは両手に短剣を構えると、口ずさんだ。


 「精霊加速《スピリット•アクセラレーション》!」

 精霊がアイシャの背を押す。

 弓のような軌道でゴブリンヒーローに向かって駆けた。


 アイシャはルナよりも速い。

 ルナを追い抜くと、両手の短剣を立ててゴブリンヒーローに飛びかかった。


 ゴブリンヒーローは左手を前に出した。

 即座に幾何学模様の障壁が展開する。


 障壁は自由に出し入れできるらしい。


 キンッ。

 金属音を発し、アイシャの剣撃を弾き飛ばした。


 すぐに障壁は透明になった。


 なるほど。

 障壁は物理攻撃も防げるが、継続効果はないらしい。


 「ウガァ!」


 唸りながらゴブリンヒーローが振りかぶった。

 肩口から、大剣を振り下ろす。


 巨体に似合わない剣速。


 アイシャはバク転のように上半身を反らす。


 ヒュンッ。


 ギリギリで避けた。


 ゴブリンヒーローの返す刀。

 刃先がアイシャを追いかける。


 アイシャはまだ空中。

 避けることはできない。


 ゴブリンヒーローの剣が、アイシャのウエストに向く。


 マズイ。

 あのまま胴を切られたら、ヒールが間に合わない。


 しかし、アイシャに届く寸前。

 ゴブリンヒーローの大剣は止まった。



 「キャハハ。わらわを忘れるとは。不届き者めっ!!」


 ルナはゴブリンヒーローの足元で、身を屈めている。攻撃態勢だ。


 ルナへの警戒が、大剣を止めた。


 ゴブリンヒーローの視線はルナではない。

 青い炎を見ている。


 ゴブリンヒーローは何か叫んだ。

 即座に障壁を展開する。


 直後、ルナの右の突きがヒットした。


 キンッ。


 金属がぶつかるような音。

 火花が散る。


 ルナの右手が一瞬止まった。


 ルナは下がらない。


 両足を踏ん張り、右手を捻じ込む。


 「ぐうぅぅ……デカブツめ。ドラゴニック(龍神変化)……」


 すると、ルナの爪が更に長く鋭くなった。



 ゴブリンヒーローはルナを睨みつける。


 「これは我がゴブリン族の血の盾。龍の小娘などに貫ける代物しろものではないわっっ!!」


 だが、ルナは物怖じしない。

 小さな身体で睨み返す。


 「貫けぇぇぇ!!」

 ルナが叫んだ。


 右手を左手で支え、さらに炎の爪を深く押し込む。


 パリンッ。


 障壁が砕け散った。

 その様子は、まるで床に叩きつけられたガラス細工のようだった。


 ルナは、即座に横に飛び退く。



 「……さぁ、契約を履行せよ。稲妻を歌え。雷光で貫け。トニトゥルス•スピア(紫電の魔槍)!!!!」


 リリスの詠唱が完成した。



 ドンッッッ!!


 ゴブリンヒーローの胸に向けられた巨大な雷槍が、紫電を纏い射出された。

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