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外れ女神レイピアと最強未満の最弱ヒーラー。〜〜アラサー転生者、冒険、青春、ほんのりチート。妹、イケメン化、時々ハーレム  作者: 白井 緒望


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第2話 渡貫ともう一度。

 ——俺は、もう一度、渡貫に出会って、言葉の続きを聞きたい。



 ドクンドクン。

 鼓動が響く。

 

 ここはどこだろう。


 真っ暗で液体の中で揺られている。

 どこからか声が聞こえる。


 「あなたぁ、この子の名前は何がいいかなぁ?」


 俺は……まだ人になっていない。



 ********



 「ほぎゃ……」


 背中がひんやりして、緑の匂いがする。

 目覚めると、俺は、どこかの草原にいた。


 「バブバブバ……」


 この通り、言葉が話せない。


 手を見ると、小さい。

 赤子の手だ。


 とりあえず、立ち上がってみるか。


 んっ。

 立てない……。


 身体が重い。

 手はかろうじて動くが、足には力が入らない。


 左腕に残る渡貫の感触。

 これは夢だろうか。


 話せないし立てないし、暇だ。

 できる事が、鼻をほじることしかない。


 ほじほじ……。



 「わぁぁぁー!!」


 どこからか叫び声が聞こえてきた。

 遠くで、大男と子供が棒を振り回してチャンバラしている。年の頃からすると、親子なのだろう。


 ん。

 持っているのは剣か?


 よく見ると、アイツら革の鎧を着て剣を振り回しているじゃないか。


 (おいおい。親子してコスプレガチ勢かよ……はずかしい)



 ぎゅるるる。

 腹が減った。


 すごく減った。

 今すぐ栄養補給しないと死んでしまいそうだ。


 とりあえず、周囲の人間に腹ペコアピールをせねば。俺は口を開けた。

 

 「ほぎゃぁぁぁ!」


 おいおい、俺よ。

 これではまるで、赤子の泣き声ではないか。


 もういい大人なのに恥ずかしい。


 すると、俺は誰かに抱き抱えられた。

 見上げると、金髪碧眼の女性だった。


 息を飲むほど美しい。

 即ハリウッドデビュー出来そうなほどだ。


 その女性は、俺を優しく抱き上げると、胸元をはだけて片方の胸を丸出しにした。乳首がどんどん近づいてくる。


 すると、俺の唇は、意に反してエアチュパチュパを始めた。


 (ち、ちょっと。これ、……吸っていいの?)


 乳首がちょんちょんと頬にふれ、甘い良い匂いがする。


 (じ、じゃあ遠慮なく。あーん……)


 俺が口を大きく開けて、乳首に吸い付く寸前。


 むぎゅっ。

 左肩を何かの手に押された。


 おい!

 俺の至福のご褒美タイムを邪魔するなよっ!!


 押された方向を見ると、赤ん坊が居た。


 金髪の前髪をパッツンにして、クリクリ青い目の赤ん坊。赤ん坊は、俺と目が合うとニヤリとした。


 俺が、気を取り直して、もう一度吸いつこうとすると、また隣の赤ん坊にペチペチと頭を叩かれた。


 赤ん坊は、キャッキャと笑った。


 こ、このクソガキっ。

 わざと邪魔してる……。


 お前は鼻でもホジっとけ!!


 すると、片乳の美女は、クソガキを抱き抱えて微笑むと、何か言った。


 「イーファ。●△Ω……β□。イーファ」


 意味が分からない。

 聞いた事がない言語だ。


 ここはどこかの辺境か?

 いや、おっぱいの人は金髪だし……西洋圏でも、こんな場所は聞いたことがない。


 だとしたら、ここは地球じゃないのか?

 


 美女の言葉は分からない。

 だけれど、名前を呼ぶ響きなのは分かった。


 どうやら、あのクソガキの名前は、イーファと言うようだ。

 

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