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君に百合の花束を!  作者: 鈴木 澪人
見つけた編

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4/4

瑠香のクリスマス

推しに百合の花束を! (見つけた編)(N4073LF)を先に読まれてからこのお話を読んでください。

ちょびっとだけ分からない箇所がでてきちゃいます。


《すず》

   { 元気だよ。明日はもちろん空いてるよ)



 瑠香はすずなとSNSで数回連絡を取り合うとスマホを閉じた。


「この前は変な感じで別れちゃったけどこうやって連絡するとすぐ返事してくれるし・・・。大丈夫だよね?」


瑠香は掛け布団を目の下あたりまで被り眉間に皺を寄せながら目をつぶった。



※※※ 数時間前


 瑠香は夕食後リビングでまったりと時間を過ごしていた。

母がテレビを流しながら台所に立っていた。

見たいドラマが1時間後にあるからとりあえずテレビを付けていると言っていた。


「ねえねえ、瑠香ちゃん、あれ見て!綺麗だよね~」


母が瑠香にテレビを見るように言った。

瑠香はスマホからテレビに視線を映すと、ちょうどクリスマスのイルミネーション特集が組まれていた。


「やっぱり都会のイルミネーションはなんか違うわね!」

と興奮気味の母を見ながら瑠香は苦笑いをした。


「ここでも繁華街に行けば綺麗なイルミネーションがいっぱいあるよ~。」


瑠香は会社の帰り道に飾られていたのを思い出した。


「やっぱり東京の奴の方がこう、なんていうの都会じゃない?」


「言ってる意味が分かんないよ~」


瑠香は母の意味不明な表現に笑いながらテレビの映像を見ていた。


「ねぇ、瑠香そういえば昔はよくすずなちゃんとイルミネーションを見に行ってたわよね~。すずなちゃん元気?」


「えっ、すずな?元気だよ。そうだね・・・。確かによく行ってたかも」

 私は、母の言葉で昔の事を思い出した。

大学生の時、気が付けばすずなが隣にいたような気がした。


すずなは専門学校を出るとすぐに働き始めた。そして、すぐに一人暮らしも始めた。

驚いてると「前から計画していたからお金も少しずつ貯めていたんだよね~」って笑って教えてくれたな。


 私は、テレビの特集を見ていると急にそんなすずなとの時間が懐かしく思えた。


「明日、クリスマスだけどすずなとイルミネーション見に行ってこようかな」


つい独り言を漏らすと


「いいんじゃない!まぁ~周囲はカップルばかりでご馳走様って感じだけど友達と見に行くのも楽しいわよ!」


と母が言いながら私にココアを入れてくれた。


「ありがと~。いただきます」


甘いココアを飲みながら私はすずなを誘う言葉を考え始めた。


「ごちそうさま。これ流しに置いとくね。ついでに二階に行くわ~」


私は母に伝えると


「カップは洗うから水に付けておくだけで大丈夫よ~。おやすみ~」


と言いながら母は、ドラマを見始めていた。



 寝る準備をした後、部屋に入ると今絶賛推しているVTuberが配信を始めていたのでベッドに潜りながら見始めた。


『コンツメテル~!!テル民の皆は元気だったかな~?僕は元気だよ!あっでも今日はクリスマスイヴだからちょっと寂しいかも・・・。そうだ!テル民と一緒にイヴの夜を過ごしたい!と思ってゲリラ配信始めちゃった♩』


うんうん、ミツメ君は今日も絶好調だなっ。と私はニヤニヤしながら配信を見ていた。

ちなみに、ミツメ耀のリスナーの名称はテル民だ!初見さんは楽器と間違うからその都度説明している。かわいいと思う。


『皆はイヴは僕と過ごすけどクリスマス本番は誰と過ごすのかな?友達?恋人?夫婦?家族?それとも、秘密の想い人かなぁ~なんちゃって。エヘッ』


コメント欄は相変わらずポツポツと流れていた。


ルーカ(私は、友達とイルミネーションを見に行きます)


瑠香はいつものようにコメントを打ち込むと


『ルーカちゃんは、友達とイルミネーションかぁ~。羨ましいな♩ もしかして、そのまま告白とかしちゃう感じかな?友達から恋人へステップアップかも!』


嬉しそうな声でミツメ耀が反応してくれたので


ルーカ(ごめんなさい、女友達だからそういうのはないかも~)


私は、誤解を避けるために返信をした。


『そうなんだ~。でも、そういうの関係ないかもよ~。まっ楽しんできてね』


ミツメ耀はその反応をした後、次のコメントを読み上げた。


私は、いつの間にか顔を真っ赤にしながらその配信を閉じた。

もちろん前回のすずなの家での事を思い出したからだった。


「まっとりあえず、すずなの予定を聞いてみないとなんとも言えないかな・・・」


すずなに連絡を入れるとすぐにオッケーの返事が帰ってきた。



 翌日すずなも私も仕事だったのでお互いの職場の中間地点で待ち合わせをしようと言っていたけど、私が職場の最寄り駅に着くと、すずなが既に待っていた。


「あっ、すずな!ごめん。遅刻してたかな?」


私は慌てて、スマホで時間を確認したけど


「違うの、私の仕事が思った以上に早く上げれたからこっちまできちゃっただけ。だって、見に行こうとしている場所ってこの駅からの方が近いなってお昼休みに調べたら乗ってたから」


「そうなんだ!ありがとうね!でも、お腹空かない?先に腹ごしらえをしてから見に行こうよ」


「うん。そうだね~。瑠香は何か食べたいものとかある?」


私はお腹をさすりながら


「う~ん。お手軽なものだったらなんでもいいかな~。すずなこそ何か食べたいものとかないの?」


「じゃあ、前から行ってみたいところがあるから覗いてみる?多分、クリスマスだし空いてないと思うけど」


「その時は、近くのファストフードで食べようよ!」


私とすずなの意見がかみ合ったところで早速すずなの気になっているお店へ向かった。

ちょうど、隣の駅だったので近場だった。


数十分後目的地についた私たちは、すずなの気になるお店に入るとやはり満員状態だった。

これは近場のファストフードだなと思っていると


「えっ二名様?空いてるよ!こちらへどうぞ!」


かわいらしい女の子がすずなに声をかけた。


「空いてるみたい。ラッキーだったね」

すずなはニコリと笑いながら中に入っていった。


「いらっしゃいませ~。ちょうど予約していた席が当日キャンセルになって困っていたんです~」と店員に教えてもらった。


「えっと、ここは一つのコースしかないんだよね?」


「はい!パスタとメインとデザートを選んでください」


私とすずなは被らないようにメニューを選んで二人でシェアしながら美味しい料理を堪能した。


イルミネーションのある場所まで少し時間がかかるので食べるとすぐに店をでた。

居心地が良かったのでもっとゆっくりしていたかったけど、急いで席を立つことにした。


「ありがとうございました~。またいらしゃってくだっさい~」


と店員に言われた後


「助かったよ!またゆっくりおいで!」とシェフらしき人にも声をかけられたので二人で小さくお辞儀をしてから店を出た。


「前菜からデザートまで全て美味しかったね~」


「そうだね。今度はちゃんと予約していこうね」


私とすずなはお店と料理の感想を言いながら目的地に向かった。


人気のスポットということもあって、イルミネーションが近づくと人込みも多くなった。

すずなと離れそうになる!と思った瞬間すずなに手を握られた。


「こんなところで迷子になったら合流するの大変だしね」


と笑いながら言われた。


「ちょっと!迷子になるのはすずなの方かも知れないでしょ!」


私は一応抗議の為に言い返した。


「でも、瑠香はこの人込みに埋もれちゃいそうだからねぇ~」


普段でも私より背が高いすずなは今日ブーツを履いているんで頭一つ抜けていた。

男性と同じぐらいの高さだった。


「ハイハイ、すずなさんはスバダリの素質がある女子ですからねぇ~」


私は負け惜しみのつもりですずなに二度目の抗議をした。

すずなは一瞬キョトンとした表情になったあと手を繋いでいない方の手で口元を押さえながら


「瑠香のスパダリか・・・」と耳元を赤くさせながらつぶやいた。


「ん?何か言った?」私は聞き取れなかったので聞き返すとすずなは首を横に振りながら


「なんでもないよ。ほら、もうすぐ目的地に着くよ!」

メインのイルミネーション会場に着くと私は思わず「うわぁ~」と声を上げてしまった。

冷たい空気が鼻先を赤くしている感覚があったけど、一瞬寒さを忘れさせてくれる綺麗さだった。


「見てみて!すずな!すっごく綺麗だね!」


私は気持ちが高ぶり思わず隣にいるすずなを見上げた。

すずなも私と同じように鼻を赤くさせながらそのイルミネーションを見ていたが

その姿がイルミネーションと同じぐらい綺麗だった。

すずなは私の視線に気付いたのかこちらをみてニコリと微笑みながら


「本当に・・・綺麗だね。この冷たい空気が一層光を輝かせてるね」


いつものすずならしくない感想を言った。

二人でしばらくの間無言でそれを眺めていたが、やはり周囲の人混みが酷くなってきたのでとりあえず移動することにした。


 少し歩くと人影が急に無くなった。あまりにも寒かったので自販機で温かい飲みもを飲むことにした。すずなは何も言わずに私にホットココアを渡してくれた。


「ありがと~。」


「瑠香は甘いココアが好きだからね〜」といいながらブラックの缶コーヒーを片手で持っているすずなはちょっとズルいなと思った。


そのまま歩いていると無人の公園があったのでベンチに座ることにした。

横になることが出来ないように三等分になるようにひじ掛けが備え付けられていた。

「じゃあ、いただきます」と私は言いながらココアの缶を開けて一口飲んだ。

握っていた時は熱いと思っていたがすでに温くなり始めていた。


私は両手で熱くもないココアを無意識に「フーフー」と言いながら飲んでいた。


「えっ?ココアそんなに熱い?」


すずなは心配そうに私の方を見ながらいった。


「あっ、無意識にやってただけ。ちょうどいい温かさだよ」


ホラっと言いながら私はそのココアの缶をすずなのほっぺにピタリとくっつけた。

すずなは少し驚いた後「ほんとだね」と言いながら缶を持っている私の手をそっと握った。


私は一瞬焦ったがまあいいかとすずなのしたいようにさせていた。

手はすぐに放してくれると思っていたけど握ったままだった。

手持ち無沙汰になった私はそのまま空を見上げた。


「あっ、星も綺麗だ~」


ピリつく寒さは星の輝きを際立たせていた。


「すずなとこうして星を見る機会ってなかったような気がするわ。イルミネーションはよく一緒に見に行ったのにね」


私は何気なく話しているけど、すずなの返事がないのでそのまま横を向くとすずなは一緒に星空を眺めてなくて、私の方をずっと見ていた。手を握ったまま。


「この前・・・」


「ん?」


すずなは何かを言おうとしたので私はそれを待っていると


「この前、私の家で瑠香に言った事本気だから」


「えっ?」


「次は、私の番だと思ってる」


すずなは静かに言った後、手を握ったままそっと引っ張り私にキスをした。


「私は、瑠香が好き。ずっと、ずっと好きだったの」


私は、思考停止した脳ですずなの言葉を聞いていた。

すずなは言い終えると、私の手をそっと離し立ち上がった。


「帰ろっか」

「・・・うん」


私は、すずなの言葉に答えることなく家路に着いた。


 いかがでしたか?鈴木は二夜を跨いでクリスマスエピソードをお送りしました。

基本的にハピエン厨なのですが・・・ね。煮え切らない形になっちゃいました。すみません。


いつかこの番外編でミツメ耀の話も書きたいなぁ~と思っております。

ただ、向こう側(VTuber)の話になるのでこちら側の登場人物が登場できないというカオスな状況になるので思案中です。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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