表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/138

合体、白き翼の戦士

 ドゥン!

 防ぎきれない衝撃波がリベルタを揺らし、兎歌は小さく息を飲む。


「うぅ、強いよぉ……でも、負けないんだから!」


 動きの止まったリベルタへ、さらなる追撃が迫る!

 ドゥン、ドゥン、ドウ───ッ!

 ファランクスたちは一斉に荷電粒子砲を発射。

 だが、即座にリベルタもE粒子キャノンを放ち、砲撃をかき消した!


 ドゴォオン!

 爆炎が戦場を覆う。

 だが、その中で兎歌は歯を食いしばり、リベルタを急降下させた。


「負けないんだから!」


 ギュォオオオ───ッ!!

 リベルタが爆炎を突き抜け、両脚の鉤爪で2機のファランクスの頭部を掴む。

 そのまま脚に搭載されたレールガンが唸りを上げ───ズドォオン!

 2機の頭部が同時に爆発。黒煙が立ち上る。


 残る胴体がよろめく。だが、別の機体が即座に荷電粒子砲で反撃!


「甘いよ!」


 リベルタは咄嗟に粒子防壁を展開し、青白い輝きで砲撃を防ぐ。

 だが、激震が機体を揺らし、兎歌の豊かな胸がコックピット内で揺れる。


「はぁ……! はぁ……!」


 肩で息をしながら、兎歌は隙を突いて両足のレールガンを乱射!

 ドガガガガ!

 超音速の弾丸がファランクス一機の粒子タンクを直撃し───ドゴォオン!


 そのまま爆発四散!

 爆発が砂漠を揺らし、ようやく一機が倒れる。

 兎歌は額の汗を拭い、叫んだ。


「烈火が任せてくれたの。だから、絶対負けない!!」


 だが、ファランクスの非人間的な連携は依然として脅威だ。

 残る3機がシールドと粒子砲を交互に展開し、リベルタを圧迫。

 兎歌は操縦桿を握り締め、桜色の髪を揺らしながら戦い続ける。


~~~


 さて、視点は烈火へと戻る。

 ブレイズとソラリスは、激しい剣戟を繰り広げていた。

 黄色いブレードと、青白いブレードが交錯し、火花が砂漠に散る。


 その時、ソラリスの背中のリングが再び輝きだした。

 拡散式粒子砲の不気味なチャージ音が戦場に響く。


「ク───ッ」


 烈火の胸に葛藤が渦巻く。

 あの時、一瞬だけ感じた、リエンの幼い顔。

 コックピットを避ける余裕はない。


 戦争だ。生き残るためなら手段は選べない。

 だが、子供を殺したくない。

 だが、敵だ。

 だが、殺さなければ殺される。

 だが、あの日の再現を、殺す側でやりたくない。

 だが、だが、だが───


「イヤだ……!」


 と、烈火の視線が一瞬、リベルタに向けられた。

 視線の先では、兎歌がファランクスを相手に奮戦する姿

 烈火は一瞬の逡巡の後、通信を開き、叫んだ。


『兎歌、アレをやるぞ!』


 兎歌の声が一瞬、戸惑う。


『アレ?』

『合体だ!』

『……わかった!!』


「……!」


 リエンは動きの変化を捉え、危険を察知した。

 ソラリスのコックピットで、少女の無感情な声が響く。


「敵、連携行動。阻止」


『ふふ、リエン、遊ぶ時間は終わりよ。一掃しなさい』


 セラピナの冷笑が通信に流れた。

 リエンは頷く。


 ソラリスは拡散式粒子砲をチャージし、ファランクス三機が一斉に荷電粒子砲を構える。


『───攻撃』


 キュオオーン……ドゥン!

 粒子砲の嵐がブレイズとリベルタを襲う!

 無数の光が砂漠を覆い、爆炎が戦場を包む。


 プラズマリアクター直結の拡散式粒子砲。

 大型粒子タンク直結の荷電粒子砲。

 どちらも、ノヴァの科学力に支えられた、圧倒的な兵器である。

 だが───


 ───煙が晴れたとき、そこにいたのは無傷のブレイズだった。


 時間を少しだけ巻き戻そう。

 数秒前、リベルタはブレイズへと飛翔し、その背後に浮かんでいた。

 同時に、ブレイズのバックパックが展開し、ジョイントが露出。

 リベルタは白い鳥のシルエットを畳み、巨大なバックパックとしてブレイズの背中に合体。


『システムグリーン! 合体イクよ!』

『おう!』


 おお、見よ! 赤と白の装甲が融合し、プラズマリアクターの鼓動が共鳴した、新たなる戦士の姿!


 ブレイズはその翼を広げ、悠然と佇む。

 粒子防壁が青白い輝きを放ち、敵の砲撃を完璧にガードしていた。


 コォオオ───

 合体したブレイズは、まるで地獄の業火のような熱気を纏い、ゆっくりと頭を上げる。

 そして、烈火は咆哮する。


「これが俺たちの力だ! アイツらをぶっ潰すぞ!」

『うん……! 一緒にやっちゃおう!』


 兎歌も呼応するように叫んだ。


「……?」


 ソラリスのコックピットでは、リエンが無感情にブレイズを捉える。

 間違いなく直撃したはずだが、無傷。

 その事実に、セラピナの声が苛立ちを帯びる。


『何よアレ!? リエン、叩き潰しなさい!』

「了解……」


 ソラリスはE粒子ライフルを構え、その銃口をブレイズへと向ける。

 同時に、ファランクス三機も再び粒子砲を構え、ブレイズを包囲する。

 烈火は操縦桿を握り締め、ニヤリと笑った。


「来やがれ! 全部弾き返してやる!」


 合体したブレイズは、滑るように飛び、一直線に間合いを詰める!

 だが、頭部を粉砕されたファランクスが、まるで亡魂のように起き上がってくる。


 ググググ……。

 生物ではない機械ゆえ、頭が木っ端微塵になっても平然と動き、荷電粒子砲を構えるのだ。


 残る3機も一斉に砲撃を放ち、青白い奔流がブレイズを襲う。

 ドゴォン、ドゴォン!

 だが、合体したブレイズの動きは───圧倒的に速い!


 リパルサーリフトが唸り、空中を滑るように砲撃を回避。

 烈火の巧みな操縦が機体を舞わせ、兎歌は合わせるように引き金を引いた。


 ドゥ───ッ!

 リベルタのレールガンがファランクスの1機に直撃。

 リアクターが爆発し、ファランクスは黒煙を上げて崩れ落ちた。


 そして、砲撃の反動を利用し、ブレイズは再び宙を舞う。

 右腕のバルカンが火を噴き、粒子弾がもう1機のファランクスを撃破。

 爆炎が砂漠を揺らし、巨体は砂漠の砂となった。


 残る1機がシールドを構えるが、ブレイズの速度に追いつけない。

 機体出力、そしてパイロットの実力が違うのだ!


 兎歌の声が通信に響く。


『コクレアシステム正常! 覚醒リミットも外したよ!』


 その声に、烈火はニヤリと笑った。


『おうよ! ぶっ飛ばしてやるぜ!』


 グオオオオン!

 ブレイズは赤黒いオーラを纏い、機械の眼で獲物を見据える。

 コクレアシステムが2機のプラズマリアクターの粒子を循環させ、圧倒的な力を引き出しているのだ。

 同時に、アニムスキャナ―のリミットが外され、覚醒が可能となる。

 赤黒い輝きはまるで悪魔のようで。


「すげぇパワーだな、コレ……!」


 烈火の脳裏に、以前のやり取りがよみがえる。

 それは、新たな力を受け取った記憶───


〜〜〜


 記憶の中で、烈火はメカニックの菊花・メックロードから説明を受けていた。

 彼女はやや不機嫌そうに、説明を始めた。


「ええか。覚醒は確かに強力や。スキャナーの限界を超え、人間の反応速度の限界を超えられる。ただし───

 その反動はデカい。次に発動すれば、今度こそ脳が壊れるで」

「───あぁ」


 神妙な顔で烈火はうなずいた。烈火としても、死にたいわけではない。だが、戦い抜くには、覚醒しないわけにもいかない。

 そんな内心を察したのか、菊花は続ける。


「だからな。覚醒中の負担を分割するように改良した。半分はリベルタ側に流れるんや」


 菊花の指が、机の絵の上を滑る。

 デフォルメされた「ぶれいずくん」と「りべるたちゃん」が、二股のケーブルに繋がっている絵だ。


「開放スイッチはリベルタ側に置いといた。アンタに渡すと、絶対無理やり解除するからな」

「そ、そんなことは……」

「やったから言うとるんや!」


 菊花は声を荒げた。そして、ため息を吐いて続ける。


「とにかく、合体中以外は使わせへんからな。ええか! 命を大事に!」


〜〜〜


「あったく……心配しすぎだっつーの」


 烈火は呟き、首をゴキリと鳴らした。


「さぁて、行くぞオラァ!!」


 覚醒状態のブレイズはさらに加速し、ファランクスの反撃を流れるように回避!

 烈火の視線が鋭さを増していく。


『烈火! 行ける……この強さなら、出来るよ!』

『ああ、勝つぞ!』


 だが、リエンの先読み能力が烈火を捉える。

 無感情な瞳がブレイズの動きを予測。ソラリスはE粒子ライフルを構えた。


「……当てる」


 烈火が回避した先に、粒子弾が正確に飛来。

 ズドォオン!


「甘ぇ!」


 だが、ブレイズは寸前でリベルタと分離!

 粒子弾は2機の隙間をすり抜ける!

 リエンの瞳が見開かれた。


「分離……!?」


 次の瞬間、ブレイズとリベルタは、空中で再び合体。

 ジョイントが接続され、赤と白の装甲が一つになる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ