26.1 異物君と東の街マルファ-2
俺は元々日本に住んでいたのだがひょんなことからこの異世界に迷い込んでしまった
最初は知らない場所で金もない、寝泊まりする場所の当てもないといった状態だった。
そんな時に色々世話をしてくれ、住む場所の提供までしてくれたのがアンナ・ハーパーという少女だった、そのアンナが俺を助けた理由がアリアという人物。
このアリアという人が何者なのか、ずっとわからなかったのだがその事について聞いたところ、アンナが命を救われた相手らしい、テオも何か助けてもらったそうで悪い人ではないようだが謎も多い
「……ってところかな?」
「そんな感じね、テオ視点でも間違いはない?」
「そうだなその認識で間違いはない、とりあえず分かるのは俺があったアリアさんとアンナさんがあったアリアさんは同一人物である事は間違いないってことかな」
「そうね、それで?テオはアリアのことで何が気になってるの?」
テオは話す時も何かを考えながらといった感じだった。
俺の方も違和感があるのは間違いないので擦り合わせたいところではある
「いや、な。確かにアリアさんは良い人だったんだが……ちょっと、いや、かなり変だなって思うんだよ」
「変って?」
「まずおかしいのは使える能力だ、結界や催眠魔法を使ってたんだが、それが出来るのは本来高位の魔術師か、魔法使いの筈だ。」
「あぁ、なるほど。私といた時に戦えないっていってた割には使える魔法があるって事ね、偶々攻撃魔術を覚えてないだけじゃないの?」
「そこもなんだが、彼女は魔術はあまり使えないと言ってたからな、使えるのは魔法ばかりなのだと」
「あぁ、それで魔法使い」
「魔法使い?魔術師と何が違うんだ?」
意味としては同じだよな?魔術師と魔法使い
ゲームとかによっては違う事もあるけどほぼ同じ扱いがほとんどのはずだ
「そこから?アンナさん、もしかして彼って」
「あー、ごめん。この子記憶喪失らしいのよ、それで常識もちょくちょく抜けてるらしいわ」
「なるほど、君も大変だな」
嘘だからちょっと心が痛むな
「まず魔法は魔力運用法って言って体内の魔力を利用して様々な効果を発生させる事を言うんだ」
「そして、魔術ってのは規定が決まっている魔法だな、特徴として威力や効果が固定化されている代わりに最適化されてるので魔力の消費が少ないんだ高度魔力利用技術を略して魔術ってわけだ」
「因みに、一般的に魔法ってのはオリジナルの魔術を指すわ。例えば私の《短絡的な銀世界》も魔法。幾らでも強く出来るし好きに効果を付けれるけど、魔力の操作難易度も使用量も段違いで多くなるのよ」
つまりは低燃費で強いのが魔術、個人で色々考えてぼくのさいきょうのちからを作れるのが魔法ってわけか
「ありがとう、それで魔法使いってのは?」
「そのままよ、魔術を使わないで魔法ばっかり使う人の事。バカか天才か医者のどれかがこれになるわね」
「医者…?まぁとりあえず、アリアって人はその魔法使いって事になるのか?それの何が問題なんだ?」
「魔法使いってのは大体が弱いのよ、当然だけど使う魔力量が多いとその分対応出来る事が減る、街中じゃ問題ないけど大森林みたいなサバイバル化で一人でいるには危なすぎるってわけ」
「そう、だからその森林で一人でいたアリアさんは結構おかしな人って事になるんだ」
「良い子だけどね」
「そこも変なんだ!!」
テオがビシッとアンナを指差す、アンナは頬杖を立てながら話していたが少し驚いたのか手からずり落ちていた
「アンナさん、君はアリアを信用しすぎている。俺もそうなんだが」
「そりゃ命を救われたらある程度は信用するでしょ」
「それにしても、だ。あの人は話し易すぎるんだよ、警戒心が湧かないっていうのが正しいのか」
「聞き上手よね」
「そういう事でもない、多分だが警戒出来ないようにされてるのかもしれない」
「はぁ?どういうことよ?」
「話を聞いていて一番気になっておかしい思ってるのが、君だよタクマ!」
「えっ?俺?」
急にこっちに話しかけられて、今度は俺が驚く番だった
「アンナさんはアリアさんに頼まれてタクマくんの世話をしてるんだろ?」
「まぁそうね?」
「それにしてもだ、命の恩人の頼みにしてもやり過ぎだ。別に金を渡して宿を紹介する程度でも問題ないはずだろ」
まぁ普通はそうだよな、アンナが優しすぎるだけかとも思っていたがそういうわけでもないのか?
「確かにそうかも?あ、だからって今更家から出ていけとかはないから安心して良いわよ?」
「あ、ありがとう」
「確かに普段の私なら家に泊めるはあっても居候まではさせないわよね…?アリアじゃなくてタクマなら元は他人な訳だしそこまでする義理もないし?」
「つまりアンナさんが普段しないくらいのお願い事を聞かされていたって事になるよな?」
「うーん?多分?心の問題だしなんとも言えないけど」
「違和感程度で今はいいと思う、俺も確証がないからさ、ここからが本題だ」
ここまで本題じゃなかったのがまず驚きなんだが
テオは何か手帳のようなものを取り出してテーブルの上に広げた
「これは俺が調べた事をまとめたものなんだが、これを見てくれ」
そこには色々と書かれていたが、目立つものとして森の魔女という記述があった。
「「森の魔女?」」
「二人とも知らないか、あのルクアリア大森林には森の魔女というネームドエネミーが居る」
ネームドエネミーなら分かる、ギルドから指定されて居る戦闘回避推奨生物だ
「この魔女の特徴として、敵対する意志そのものを奪うと言うものがある、他にも外見的特徴や得体の知れない魔法を使うなど色々アリアさんと一致するんだよ」
「ふぅん、それで?アリアが魔女だと何が問題なのよ?」
「タクマだよ」
「俺?」
「アンナさんはアリアさんに名指しで君を助けるように言われたんだろう?なら君が何かしらアリアさんと関係があってもおかしくない。」
「と言ってもなぁ」
「記憶喪失、それも気になる点だ。アリアさんに消されたって可能性もある」
「それはない」
だって記憶あるし
「そうか?でも…」
「そろそろいい?私たちこの後も予定あるから」
「あ、あぁ」
「じゃあ行くわよ、タクマ、ルル」
「かしこまりました」
「お、おう。いいのか?」
「なんか色々言ってたけど、何もまとまってなさそうだったしいいんじゃない?それに」
アンナは振り返ってテオの方を向く
「悪気はないかもだけど、友人の悪口を言われるのは良い気分じゃないから」
「あ、いや…俺はそんなつもりじゃ…」
「ならもうちょっと考えてから分かるように話しなさい、それならちゃんと聞いてあげる…タクマが」
「俺かよ」
「だって普段私いないし、まぁ、一応一理はある気もするから暇な時また話でも聞いといてよ。確かにアリアがただの人とも思えないってのは同感だし」
「まぁ、わかったよ……えっとテオ」
「あぁ、悪い癖だな。考えながら話すといつもこうなる。で、どうかしたか?」
「アンナは学校があるから普段はこの街にはいない、だからまた話がしたかったら俺の方で頼むよ、メール……はないんだっけ、連絡先の交換がしたいんだが」
「めえる?知らないが、連絡先ならギルドが伝言を受け付けてくれるから探索者番号の交換をしておこうか」
そうして俺とテオは探索者番号の交換を行い、別れることとなった
「全く、変なのに絡まれたわね。アリアと会ったことあるって言うから話が合うかなって思ったけど、結果面倒なだけだったわ」
「まぁ彼も悪気はなかったんだろうしさ」
「気になることもあったのは事実だし別に良いわ、今度森の魔女について調べてみようかしら、あんたとの関係性も気になるし」
「俺からしたらなんのことかさっぱりだけどな」
「じゃ、この話は終わり。まだ行くところあるんだからちゃっちゃと行くわよ」
そういえば街の案内が主目的だったな、俺も切り替えて楽しむ事にしよう
そうして俺たちはまたマルファの街巡りに戻るのだった
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