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恋人裁判  作者: スルメ大納言
2/3

順風満帆は要請されるか。

 呼び出されたのは未だ始まらぬ今朝の準備のため。ようやく触れるようになった今朝はと言えば、これの第一弾はこの様である。

 「眠れなくて郵便バイクの音を聞いた。悔しさを覚えた。」

 これは喉の運動を伴って。

 第二弾は静かに、カラスのご機嫌よう。

 別に気のせいではないが僕はこの朝を所有していた。夜にはこれといって無いものであるが、単に白濁したビーカーの、つまりその内容でなくて単に不機嫌な外面が。それでもやはり透けている。

 この間飛躍して、といってもごく自然な飛躍として、既に何かにおはようを言っただろう僕はさながら、

 「そうすることが僕との約束である様な口振りで。」

 そそくさと、再び飛躍して門のこっち側。白い朝の楽しみはあっち側。ここへ来ていよいよ僕主体の楽しみが有るのかと、無いのか、と。


 教室のドアの前、クラスメイトの…まあいい。友人が肩を叩いたが、先にドアを開けてから振り返る。定位置へと僕達を動かしつつ、その話しぶりとは、

 「昨日母親に言われたんだけど、俺の父親、ロボットだってさ。」

 「じゃあ話し掛けないでおくれ。…いや、やっぱごめん。」

 任意の発声が一通り続けば、後はまた、任意の彼女に起こされて、出欠の適当な箇所において名前を呼んだということになっている。

 「アガナワくん。君はあと二言三言タガナワさんと話せば帰っていいことになってるのだけれど。」

 担任が言った。

 「残念ながらまだ彼女に会っていないんで、まだ帰りません。」

 「そう。」

 全員が言う。

 「付き合いきれないなら付き合わなければいい。知っているでしょう?僕は一々メモを取りだしてから口を開く。それは毎度のことで、未だ彼女との項目は見つかっていないのだから。」

 全員が振り返る。

 「彼女との?何?彼女と君の?」

 そんなことは言っていないはずも見透かされ、

 「じゃあ君は一個の男子生徒として彼女を待つんだ。そういうことでいいんだね?」

 元より僕は男子生徒である。

 チャイムが鳴ったのは今である。脈絡は関係無い。

 「さて、前回はどこまでやりましたか。」

 「はい。男子生徒はアガナワであったというところまでです。」

 これにはさすがにムッとしてみれば、教室には一個だけ休符が差し込まれた後。もう空気は忘れ去られている。

 「はい。僕は男子生徒です。」

 「では女子生徒はタガナワでいいんですね。」

 「いいえ、僕はまだ何もいっていない。君達に言った覚えも無い。あなたに言ったなら無視して構わない。」

 ただ今適当な女子生徒が近づいて僕にキスをする。これは気絶。

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