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異世界召喚されたら指名手配されたので逆襲する  作者: さかいたいち
グリス国都編
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逃避行1

【逃避行1】


 一刻の猶予もできない。

 僕は更に城を探し回った。

 脱出するための道具を探すためだ。


 地下に行くと、ようやく倉庫を見つけた。

 一つは武器・防具庫だ。

 単なる武器庫じゃない。

 扉は頑丈で、武器・防具が燦然と飾られていた。

 特別な武器・防具が収められているようだ。


 鍵はお手の物だ。簡単にあいた。



 僕が獲得したのは次の通り。


  短剣(魔剣)

  魔法弓


  楔帷子、アイプロテクター、喉防具、金的防具、

  安全靴(スネまで防具)

  手当たり次第に額飾り・指輪・腕輪

  防具にはなにやら魔法効果がかかっているようだ。

  

  マジックバッグ


 ラッキーだったのは、マジックバッグがあったことだ。

 マジックバッグを手に取ると、所有者登録された。

 これでこのマジックバッグは僕しか使えないことになった。

 マジックバッグは通常は僕の腹付近に隠れている。


 僕は防具を身に着け、武器庫を出た。


 さらに、隣の倉庫で


  上級ポーション20

  万能薬20

  水筒魔道具

  チャッカマン

  照明の魔道具

  閃光弾

  魔石

  金貨約30枚


 など手当たり次第にバッグに詰め込んだ。


 また、少し離れたところに台所があった。

 食料もできるかぎりバッグに詰め込んだ。



 あと、図書室はないか。

 図書室は2階にあった。

 中に入ると、本がチェーンに繋がれている。

 この世界では本は貴重品なんだろうな。

 中身も読まずに、


『薬師大全』

『魔法初歩』

『魔法中級』

『魔法上級』

『世界地図』


 など良さげなものをチェーンを引きちぎってバッグに入れた。


『後は、お金を手に入れたいが……』


 手に入れた金貨は30枚ほど。

 メイン金庫があると思うのだが、見つけられない。

 金庫は別棟にあるのかもしれない。

 

 残念だが、夜明けも近そうだし時間切れだ。

 このまま城を脱出するぞ。



 地下に降りて、下水道を発見する。

 下水道に入ると、ものすごい悪臭だ。

 途端にでかいゴキブリやらネズミが襲いかかってきた。

 ゴキブリは気持ち悪いだけだが、ネズミが結構強い。

 猫ほどの大きさがあり、かなりすばしっこい。


 一体何匹いるのかわからない。

 だが、こいつらは照明に弱いことに気づいた。

 下水道には城への上がり口などに明かりがついているのだが、

 そこは避けているような振る舞いを見せていたからだ。


 だから、僕は照明の魔道具で敵を牽制しつつ、

 大量のネズミをやっつけ、疲れたら休憩しに城に戻る。


 これを何度か繰り返した。



 それにしても、身体強化スキルのおかげだろうか。

 体のキレが半端ない。

 自分の体が自分のものではないような動きをする。


 ボクサーの試合で相手の攻撃をかわしつつパンチを繰り出す。

 ああいう感じだ。

 考えてから動くのではない。

 相手がくる、と感じると体が動く。



 そのうち、ネズミもゴキブリもあまり襲ってこなくなった。

 気配操作で気配を消しているからだろうか。


 だが、まだ油断はできない。

 下水道は非常に不潔で、傷ができようものなら、そこから感染しそうだ。


 また、警戒トラップがそこら中に張ってあるようだ。

 僕の気配察知スキルに罠が捉えられるのだ。

 引っかかるとアラートが鳴ったりするんだろう。


 これだけネズミやゴキブリがいるのだから、

 おそらく人間にしか罠にひっかからないのだろう。


 この罠は、回避は容易だ。

 場所のわかるトラップなど脅威でもなんでもない。


 と思っていたらやらかした。

 糸が張ってあるブービートラップ。

 ひょいと飛び越えたら、その先に警戒アラートが埋めてあった。

 2つのトラップが近接していたため、区別がつかなかったのだ。


 途端に鳴り響く、アラート。


『くそっ』


 こうなったら出口とおぼしき場所へ一直線だ。

 後ろの方からは騒がしい声が聞こえる。


 うっすらと明るくなっている場所へ急いだ。

 あの明るさはろうそくからのものではない。

 朝が近くて夜明け前の明るさのようだ。


 すると、鉄の檻。

 檻には、鍵付きの扉があった。

 あっという間に鍵を解錠し、鍵を掛け直して先を急ぐ。

 檻の向こう側に出口があった。


 少しだけ安堵のため息が漏れる。

 ところが、出口の先は高さ50mはありそうな崖であった。


『くそったれ!』


 殺人犯と間違えられた医者が、追い詰められて川に飛び込む映画があったな。


 ここはどうか。

 朝が近く、うっすらと下が見える。

 どうやら大きな川のようだ。



『待てー!』


 なんで追いかける方はわかりきったことしか言わないんだろ。

 待つわけないだろ。


 とうとう警備兵は檻の向こう側まで迫ってきた。

 鍵をガチャガチャさせつつ、


『早く鍵を開けろ!』

『おい、逃げるなよ!』


 鍵がはずされた。

 扉が開き、続々と警備兵がこちらにやってきた。

 決断を迫られている。



 どうする。

 このまま捕まっても毒殺が待っている。

 一か八かだ。


 僕は飛び込んだ。



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

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