ノート:ギブです(3.10)
自分のような、自堕落な人間が、日記とかいう、自己管理の極致みたいなものを続けられるわけがなかった。
という事実が判明したのは、もう2ヶ月も前のことだったわけだが。
せっかく買った日記帳も、まだたったの数ページしか埋まっていない。見てて悲しくなる。もういっそ、最初のページだけ切り離して、日記帳だったなんてことはすっかり忘れたふりをして、普通のノートとして使うことにするか。
…いやでも、表紙にデカデカと「にっき」って書いちゃったんだよなあ…。
まあ、それはさておき、今自分がここに記すのは「敗北宣言」だ。もう日記を書き続けることはできない。
気が向いたら、もし本当に何もすることがなくて暇だったら、ノートの残りページを使って日記を再開したりすることもあるかもしれない。ともかく、しばらくは休む。
せっかく始めた日記がこんな感じで終わってしまうのも何か勿体無い気がするので、せめて、今まで日記をサボっていた日々に起こったあれやこれを、適当に羅列しておくことにしようか。
悪いことから。
まず、正月。母親の癌が発覚。
次に、冬休み明けすぐ。教材販売業者が詐欺の疑いで逮捕。
1月中旬。まだ使ってないのに水晶玉のヒビが広がり、最終的に真っ二つに。業者がいなくなっちゃったので返品も交換もできない。
2月初め。星座天文学の試験、不合格。再試験決定。
2月終わり。好きなミュージシャンが、不倫疑惑で活動休止。
改めて見てみると、意外と切ないもんだ。
あと、販売業者が逮捕された兼ね合いで、自分が通ってる学校組織自体にも、詐欺の疑いの目が向けられているらしい。最近は、近所に警察官が増えた。
もしかすると卒業前に学校が無くなるかも、だ。もしそうなら笑える。
いいこと。
1月下旬。コンビニで引いたくじでB賞を当てる。
2月中旬。通学路でいつも鉢合わせるどこかの家の飼い猫と、なんだか心の距離が縮まったように感じる。
3月上旬。(再試験も乗り越え)いちおう進級が決まった。
こんなところか。どうしても、悪いことに比べて、いい出来事の印象は薄い。だから、必然的に並べる数も少なくなる。
あと、いい出来事としては、日記中断期間中のいつだったかは忘れたけど、生涯でも一二を争うレベルでお気に入りのパンツを見つけたりした。熊柄。
「クマさんパンツ」ではなくて、「熊柄トランクス」である、と、未来の自分がくれぐれも勘違いしないように明記しておく。
…上に書いたことがきっかけでふと考えたけど、基本、ひらがなで書くと、だいたいのものは柔らかく感じる。
「ガン」だってそうで、
母親のガンを聞かされた時、そして今に至るまで、自分の中で、ガンは「癌」と禍々しい漢字で表すべき感じのものなのだが、世間的には「がん」(例えば胃がん、大腸がん)と、ひらがなで、とてもとっつきやすい感じで表記されている。
納得がいかない。
政治家とかが自分の名前をひらがなにしていたりするのは、多分この効果にちゃんと気付いているからなんだろうな、とか思った。
最近の悩み、とかも書いておく?
友達が増えない。
ガチで切実。試験の過去問を入手できない。
ぼっちでいる期間が長過ぎて、関係を築きたいと思う相手基準が自分の中で馬鹿みたいに上昇していて、そのせいで誰にも話しかけることが出来ない。
…人に初めて話しかけるときって、どんな言葉から始めればいいんだっけか?
肩をトントン、と叩いて、「今日、天気良いね。」とか?…ダメだ、キモすぎる。自分のようなブサイクがもしも仮にトチ狂ってそんな囁きを行ったりしたら、最悪ブタ箱送りだろう。不細工罪で有罪。
もう8割がた諦めている。
最近の願望。
才能が欲しい。
今更だし、無理だとは分かってるけど、神様、どうか。
…とまあ、薄っぺらい人間が、今の自分の最大限を書き出そうとしても、こんな感じでごくペラッペラだ。
そんなもんなんだよ。
ちゃんと日記を書き続けてたら、もしかしたら自分の「人間力」みたいなものは高まっていたりしたんだろうか?もう後の祭りだけれど。
とにかく、こんなメモを残して日記は一度閉じようと思う。1ヶ月にすらさらさら届かない期間の分だけれど、せめて、あとから見返したらちょっとは面白いようになっていたらなぁ、などと考えたりする。
ではこれにて。しばしお別れだよ日記帳くん。