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どうしてこんなにーーー。
『新しく入った子ってキミ?』
『はい。先週からメンバー入りしました。先輩、これから宜しくお願いします』
『急に呼び出して悪かったね。見込みのある新人が入ったって噂を聞いてさ、直接顔を見たくなったんだよ。なるほど…そうか……。ふ~ん。その若さですでにナンバー持ちかぁ………。スゴいな』
『いえ、大したことありません』
『それにしても想像以上の美人さんだね。驚いたよ。ほらっ、もっと! こっちに来なよ。恐がらなくても大丈夫。僕の膝の上に乗っていいから』
『はい』
『綺麗な髪だ………。その白い肌も』
『……………』
『……………………』
『先輩。私、そろそろ帰っても良いですか? 仕事の準備もあるので』
『もう遅いし、ホテルを予約してあるから今夜はそこに泊まりなよ』
『すみません。帰ります』
『僕と仲良くしていれば、いずれ僕のように一桁ナンバーになることも夢じゃないよ。キミももっともっと高みに行きたいだろ?』
『はい、行きたいです』
『ハハハ、素直で可愛いね。今夜は二人で楽しもう』
『ーーーところで先輩。私、とってもせっかちな性格なんです。【いずれ】ではなく【今】お願い出来ますか?』
『今は、さすがに無理だ。そういう冗談も言えるんだね。さらに気に入ったよ』
『契約時、最初の説明で主に聞きました。早く昇格したいなら、自分より上のナンバーを殺せば良いって』
『まぁ……そんな無謀なことをするバカは滅多にいないけどね。それってさ、つまりキミがこの僕を殺すってことだよ?』
『はい。ですね。だから私、先輩が私の髪を撫でた辺りから、先輩を殺すことしか考えていませんでした』
『ふ~ん…………そっ…ふがゃっ!?』
私は先輩の膝上にちょこんと乗ったまま、後ろ向きで先輩の舌を指先で挟んだ。
そして、躊躇なくその舌を指ハサミでチョッキンした。
赤いヨダレを周囲に撒き散らし、完全に余裕をなくした先輩が私に向けて発砲してきた。
『あなた、油断し過ぎです』
『きざ、まっっ!! ごろし』
……………………………。
………………………。
………………。
香水臭い部屋を出るとき、私はナンバー9に昇格していた。ゴミ処理が完了したことを主に報告する。
『先輩。私、この髪を撫でられるの死ぬほど嫌いなんですよ』
人間って、なんでこんなに臭いんだろう。
不思議だなぁ。
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死ぬほど待ち望んだ土曜日。
私はタツ君と二人、薄暗くした部屋でくっつきながら長編アニメを見ていた。
「モモちゃんってさ、頭を撫でられるの好きだよね」
「うんっ! 頭がポワポワして幸せな気分になるから大好き!!」
「ふ~ん」
「でもでも! それは、タツ君限定だよ?」
「ふ、ふ~ん」
照れたタツ君が可愛すぎで、思わず抱き締めて殺しそうになった。
「ぐぎゃ!」
「…………大好き」




