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「夕飯はシチューだから……コレとコレと…アレも買わないと」
「あーーっ! ダメだよ。ちゃんと商品を見ないと」
「……どれも一緒でしょ? あっ! ジャガイモ」
「一緒じゃありませんっ! お買い物なめないでよ。一つ一つ鮮度も違うし、産地によって特徴もあるんだから。タツ君は、あっちで海ちゃんとお菓子を選んでて」
「……そんなにプンスカしなくても良いだろ」
「ギぃッ!!」
「っ!? ごめんなさい!! すぐ行きます」
『……パパ。またママに怒られたの?』
「うん。あっちで一緒にお菓子見てよう。芋けんぴあるかな? 好きでしょ?」
『……けんぴっぴ…大好き』
「お菓子食べ過ぎると、またモモちゃんに怒られるから一個にしとこうね」
『うん。あっ!? 新商品の棒チョコもある』
「外国製の固~いグミないかなぁ。歯を全部持っていかれそうなヤツ。あれ、好きなんだぁ。でも名前が思い出せない。何だっけ……」
『プリズングミ(ブ独房味)のこと?』
「違う。それは、棚に戻してきて。あ~……食感しか覚えてないよ~。う~~~もどかしいぃ」
「はい。コレでしょ?」
「あぁっ! それだ、それ!! 良く分かったね、モモちゃん」
「タツ君が好きな物は何だって分かるよ。だって……。私は、あなたの妻だから」
「モモちゃん。さっきは、ごめん。これからは、買い物のやり方もちゃんと覚えるね」
「私の方こそ、ごめんね。手伝ってくれてるのに……。ごめんなさい」
「帰ったらさ、僕も料理手伝うよ」
「気持ちは嬉しいけど、家のお皿がなくなっちゃうから大丈夫だよ~」
『パパの分まで、私が手伝います』
「海ちゃんが触ると、冷蔵庫とかコンロとか機械製品がすぐに壊れちゃうから、とりあえず大丈夫だよ。ありがとう」
『…………』
「……………」
「二人して、そんな悲しい顔をしないで」
「じゃあ、洗濯っ!」
『お風呂掃除ならっ!』
「大丈夫でーーす」
『……………………』
「………………………」




