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冷やし上手な彼女  作者: カラスヤマ
20年後 長女『モモ』彼氏と同棲しています!
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11

夕飯後。


「何か面白い番組あった?」


テレビを見ていたら、洗い物を終えたモモちゃんが僕の横に来た。二人で仲良くソファーに横並びに座る。



「今、格闘技の祭典やってるよ。そういえば、モモちゃんも格闘技好きでしょ?」


「うん! 大好きっ!! 血湧き肉躍るぅ」


しばらく見ていると、横から舌打ちが聞こえ始めた。


「チッ……。あ~! そこはもっとたたみ掛けないと!!」


「…………」


「あのさぁ。そ、ほんっ、そういう余計なパフォーマンス、ほんっと要らないから!」


「モモちゃん?」


「ってかさぁ! はぁ~」


「ソファーを殴らないで」


鼻息が荒い。目が血走っており、少し恐かった。モモちゃんは、CM中も試合内容に対して、あれこれ文句を言っていた。


そういえば勝負事になるとモモちゃんの性格が変わるんだった。だいぶ悪い方にーー。


「タツ君。私とスパーリングして?」


「んぇ!? スパーリング? モモちゃんと?」


「うん。軽くでいいからさ。早く立って」


それから三十分。妻との謎のスパーリングが始まった。仕方ないので、モモちゃんのパンチを軽く受け流していた。


「殴ってきてよ! タツ君も」


「いや、あの……」


「お願い~」


アライグマのように僕におねだりしてきた。仕方ないので、力を加減しながらモモちゃんの体に拳を繰り出す。


「バカにしてるんですか? 女だと思って」


「………分かったよ」


少しイラッとした為、加速させた。


意外にもモモちゃんは、僕の動きについてきた。もしかしたら、学生時代に女子ボクシングをかじってたのかな?


パツっ!


「あっ! ごめん。少し当たっちゃった」


「………っ…」


静かに僕から離れるとソファーの上に三角座りで拗ねてしまった。


「モモちゃん?」


「来世まで許さないから……」


涙目で睨んできた。


「面倒臭いな、なんか!」


「…………どうせ私なんて…面倒臭い苔女ですよ~」


ぶつぶつ言いながら、モモちゃんはパジャマ姿でどこかに出かけてしまった。


………………………………。

…………………………。

…………………。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「タツ君」


巨大なマンションを振り返る。

さっきは、悪いことしちゃった……。タツ君の大好きな餅アイス買って許してもらおう。私は、コンビニまで走った。


明るいコンビニ入口横に髪が鮮やかな男が数人いて、ギャーギャー騒いでいた。


「ねぇねぇ~、可愛いねぇ。俺らと遊ばない?」


「……遊ばない」


「いいじゃん、いいじゃん、いいじゃんかよ~」


邪魔で仕方ない。死なない程度に眠ってもらおっかな。


痩せた男の一人に肩を触られた時。


「蟻が」


男の体が数メートル吹き飛んだ。口と鼻、両方から血を流し、気絶していた。前歯が数本、行方不明に。


「大丈夫?」


タツ君が、私の肩の埃を払っていた。珍しく少し怒っている。私ほどではないけどなかなかのパンチ力。


「大丈夫……です…」


「心配だったから、来ちゃった」


照れ臭そうに笑っていた。


怒りを露に、私達を取り囲む男三人。


「あ、靴紐が解けてるよ?」


「ん?」


タツ君が下を向いた瞬間に私の猫パンチで男三人を吹き飛ばした。加減したけど、それでも前歯全てが行方不明になってしまった。


「あれ? アイツら、どうした?」


「勝手に仲間割れして全滅したみたい。バカだよね~」


「そうなんだ。コンビニで何か買ってく?」



完全に仲直りした私達。マンションに帰り、コンビニで買った餅アイスをアニメを見ながら二人で食べた。


「「 美味しいね~ 」」



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