二人の娘
結婚してから一年後、本当に食べてしまいたいくらい可愛い娘が産まれた。
『青井 桃香』
それから三年後。
「モモちゃんを産んでくれてありがとう…七美」
「涙腺緩すぎじゃない? ほぼ毎日泣いてるし。パパは、泣き虫だねってモモちゃんも言ってたよ?」
「そうなんだ…うぅ…モモ……ありがとう…」
「ありがとう? ダメだ、こりゃ」
神華の援助を完全に断ち切った為、俺たちは狭いアパートに三人で身を寄せ合って生活していた。裕福とは冗談でも言えなかったけど、それでも俺たちは毎日笑い、充実した毎日を過ごしていた。
「モモちゃん! またそんな危ない映画ばかり見て。ダメだよ、ほんと」
「え…でも…ママ。あのね、パパは見てもいいよっていつも言ってるよ?」
漫画を読んでいたら、般若のような顔をした七美に呼ばれた。
「パパっ! モモちゃんの教育に悪いから、こういう殺し屋ばっかり出てくる映画ばかり見せないでよ」
「……だってさ、モモちゃんは普通のアニメとか見ないじゃん。すぐに寝ちゃうか、鼻をほじり始めるし。殺し屋が出てくると目をキラッキラさせて夢中になって嬉しそうに見てるし。それにアレはフィクションなんだから、大丈夫だって! 心配し過ぎだよ、七美は」
「普通の人ならそれでいいかもだけど……私達は違うんだよ…。まだ全然分かってないよ、タマちゃんは」
「ん…どゆこと? それ」
「パパぁ、知ってた? 鉛筆で人って殺せるんだよ。モモね、初めて知ったぁ」
慌てて俺は、学校で使用する筆箱から鉛筆を出そうとする娘の行為を止めさせた。
七美の言っていたように、映画は少し控えた方がいいな。
さらに一年後、二人目の娘が産まれた。
『青井 零亞』
それから三年後。
「レイちゃんを産んでくれてありがとう…七美」
「デジャブ? また、ほぼ毎日泣いてるし。パパは、泣き虫だねってレイちゃんゲラゲラ笑ってたよ? モモちゃんは、もう何も感じないみたいで無表情だったけど」
「そうなんだ…うぅ…レイ…モモ……ありがとう…」
「だから、それ何なの? なんの感謝よ」
最近になって、モモちゃんは神華の屋敷に入り浸るようになった。
卯月さんや心と仲良く遊んでいるらしい。俺は、屋敷に入る行為が死ぬまで出来ない(出禁の)為、屋敷の中でモモちゃん達が何をしていたかは分からない。ただ、日に日にモモちゃんの顔つきが大人っぽくというか、なんか……昔の七美のように近寄りがたい感じになってきたことだけは最近気になっていた。
「レイちゃんは、お人形さんが好きなんだね」
「うんっ! 大好き」
家にいないことが多くなったモモちゃんの代わりにレイちゃんと遊ぶことが多くなった。レイは、モモと違ってテレビとかには全くと言っていいほど興味はなく、その代わり人形で遊ぶことが多かった。ただ、その人形は本格的な日本人形で、そこは少し変わっているなぁと思っていた。
でも可愛いから全然OK!
娘たちの成長を見るのが自分の生きがいとなっていた。これからも娘の成長が楽しみで楽しみで仕方ないです!




