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冷やし上手な彼女  作者: カラスヤマ
パパとママの出会い
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何とか家に帰還した負傷兵(?)は、そのまま倒れるようにベッドにダイブした。

まだ全身に鈍い痛みと熱っぽさがある。

体が弱っているせいなのか……。この誰もいない家に、とうの昔に慣れたはずの『寂しさ』を感じた。


「はぁ~」


殴られるのも……殴るのも……最悪だな。目を閉じて、数回深呼吸を繰り返す。

カレンダーを横目で確認した。


「明日が土曜で良かった……」


二日でどこまで回復出来るかは、分からないけど。


…………………………。

…………………。

……………。



深夜。



誰かに優しく頭を撫でられていることに気付き、薄目でその相手を確認した。


なぜか、ベッドの脇に零七がいた。


いつの間に?


どうして、俺の部屋に?


そんな疑問も今はどうでもよかった。


「不法侵入……」


「ふ~ん? そんなツマラナイこと言うなら帰るけど?」


「………ごめん。……しばらく側にいてくれ……お願い……」


「うん。素直が一番だよ。その傷って、私を守る為にあのクズ達にやられたんでしょ?」


「全然…守れてないし……。結局、何も出来なかった……。ただ、殴られただけだよ」


「そんなことない。だから、そんな悲しいこと言わないで」


零七は、もぞもぞと俺の布団の中に入ってくる。彼女の首筋からは、甘いシャンプーの香りがした。


ドクンッと心臓が、大きく跳ねた。


「私も一緒に寝るね」


「いや、何でだよ」


布団の中で零七が、俺の手を両手で握っている。


「ほんと…なに考えてんだ。襲われても文句言えないぞ」


柔らかく、温かくて。頭が、ピリピリ痺れた。


俺は、赤ん坊のように彼女の豊満な胸に顔を埋めた。それだけで全身を包まれているように安心出来た。


「零七……。俺さ、お前のこと好きだよ。……ずっと前から、好きだった。中学の時もさ、本当は気づいていたんだ。お前の本当の姿に……。たまに見せるお前の素の表情にいつもドキドキしてた」


「チラチラ、こっち見てたもんね~」


「あの…試しにさ……俺と付き合ってみる?」


「うん。試しに付き合ってあげるね!」


互いの傷を舐め合うように、俺達だけの優しい夜は、静かに更けていく。




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