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冷やし上手な彼女  作者: カラスヤマ
世界で一番危険な彼女
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新生徒会長

神楽咲の容赦ない爆撃により、あの立派な城が一時間で半壊した。また、高級外車も破壊された為、仕方なく新幹線を使って帰宅した俺達四人。帰る頃には日付も代わり、蓄積した疲労で目蓋もずっしりと重く、俺はベッドにダイブするとそのまま死んだように寝てしまった。


朝、ふと目を覚ますと俺を抱き枕代わりにした心に、耳たぶを甘噛されていた。


「…………………」


強引に心を体から引っ剥がす。……なぜか俺と心だけ床で寝ていた。寝ている間にまた卯月さんにベッドから落とされたのだろうか。今、そのMyベッドの上では、七美と卯月さんが二人仲良く抱き合って寝ていた。

昨晩はあまりに眠く。記憶が定かでない……。なんで七美達が、全員俺の部屋にいるのかも全然思い出せなかった。


ってか、今何時だ?


…………………………。

…………………。

………ッ!!?


「起きろっ!!!! 遅刻だ」


こんなに起きるのがツラい月曜の朝は、初めてかもしれない。まだかなり眠そうな七美と卯月さんが文句を言いながら、部屋を出ていく。


「……………心。お前も出てけ」


「ケッ!」


舌打ちした後、俺を睨み付け、姿を消した。


慌てて制服に着替え、家を出る。勿論、朝飯抜き。食ってる時間はゼロ。それでも何とか遅刻ギリギリで学校に着く。着いて早々、違和感に気づいた。


生徒が異常に少ない……。


教室に入っても、学級閉鎖かと思うほどの人の少なさで、通常三十人はいるはずのキャパに俺と番条さんを含め、今は八人しかいなかった。


「おはよう。………あのさ、他の奴等はどうしたの? 休み?」


「違う………。みんな…学校……辞めたの」


「辞めた? いっ、いやいや、え? 先週まで普通にいたじゃん。え? 意味が分からない」


「先週の金曜から昨日までで、生徒の大半がクビにされた……」


「クビ? 尚更、意味分からない。そんな勝手、誰が」


その時、校内放送が大音量で教室に流れた。


『生徒の皆さ~ん。第一体育館にお集まりくださ~い』


「なんだ? この放送」


『七分以内に来ない生徒は、クビにしまーーーす!』


「は? なに??」


突然立ち上がり、自分が倒した椅子の音に驚いた番条さんが、俺の耳元で呟いた。


「ぜんぶ……新生徒会長のせい………私も副会長…土曜日の二時に……クビにされた………くやじぃ…」


とにかく、体育館に行けば全て分かるだろう。


ションボリしている番条さんの背中を押しながら、俺達は体育館まで行く。



ーーーーとにかく、七美のことが心配で。




絶対的な権力を持ち、圧倒的なカリスマ性を放つ会長の七美が、そう簡単に、こんな数日で失脚するなんて考えられなかった。


体育館に駆け込むと、壇上に新生徒会役員だと思われる三名がすでに立っていた。


「八分二十秒……。青井 魂日くん。キミ、クビだよ~?」


腰まである超ロングの桃色髪の女は、俺を指差して笑っていた。


「お前……誰だよ?」


「私は、新生徒会長の神楽咲(かぐらさき) 魅月(みつき)だよ」


「……七美はどうした?」


「さぁ~? 今頃、私の部下に襲われて、死んでるんじゃないかなぁ」


「会長を守ってる奴隷がいるだろ」


「あぁ………そういえばいたね。そんなの。彼等は、昨日のうちに全員殺したよ。だってさぁ~、ピーピーピーピー会長、会長って泣きながら煩いんだもん。冷蔵便でご実家に頭だけ配達したよ。今日の午前中に届くと思う~」


「こっの糞女………」


怒りが全身を満たし、走り出そうとする俺の前に立つ、番条さん。


「青井くん。落ち着いて。……ほら」


体育館の扉が錆びた音と共に全開になった。彼には、後光が差していた。


この学園の光ーーーー。


「魅月。この学園は、全て僕のモノだよ。お前のじゃない。それなのに……土足で踏みにじった。君には、キツイお仕置きが必要だね」


「神華 七美……。待ってた……ずっと……ずっと前から……」


悪と悪。


両者。もう引き返すことは出来ないーー。


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