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冷やし上手な彼女  作者: カラスヤマ
世界で一番危険な彼女
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家族会議

タマちゃんにおやすみなさいを言った後、パジャマから着替え、呼ばれるまで暇なので怪奇小説を読んでいた。


一時間くらいして、ドアをノックする音。


「……………」


本を閉じ、私を呼びに来たメイドAとBと一緒に秘密の隠し通路の前まで行く。


「ありがとう。もう帰って大丈夫よ」


「はい。失礼します」


ここから先は、パパとママに許された者しか入れない。


暗い通路を進むとエレベーターがあり、地下5階まで降りた。この階には、地下牢や拷問室があり、パパやママのお気に入りの場所になっていた。子供の頃、この城に遊びに来た時、私は必ず誰かの悲鳴や呻き声を聞いていた。でも……今は、客人はいないみたい。

ひび割れたコンクリむき出しの廊下を進むと、赤い扉がある。取っ手部には、小さな針があり、握るとチクッとする。


すぐに滴る血液を分析され、【神華】の者か否かを判断される。


私は、傷ついた中指を口に咥えながら、扉を開けた。開けた瞬間、綺羅びやかな世界が広がる。ピアノの生演奏が、耳を優しく刺激した。


巨大なソファーに腰掛けるパパとママ。部屋全体が異常に暗い。私に背を向けている為、親の顔を拝むことすら出来ない。


『青井君とは、仲良くやってるみたいだね。パパもママも安心したよ』


「私………彼といる今が一番幸せなんです」


『うんうん。そうか』


「だからね、パパ。タマちゃんを苦しめて、虐めたパパには怒りしかないの」


ピアノの演奏が止まった。


『彼が、神華に相応しい人間かどうかテストしたんだよ』


「私が好きになった時点で、彼は合格なの。つまらないこと二度としないで下さい」


ソファーから立ち上がるママ。


『七美ちゃん……。アレは、つまらない事なんかじゃないよ。神華は、普通の家とは違うんだから。あなたも分かってるでしょ?』


私の前まで歩いて来たママ。ソファーの角に足をぶつけて、よろめいた。いつもパパの影に隠れているが、ママこそ【神華】の中で一番濃い血を継いでいる。神華では、女しか産まれない。だから、外から婿を迎えるしかない。パパは肉体的には強いけど、神華の血は一ミリも流れていない。


ママこそ、本物のーーーー。


『彼は合格だけど、私達の可愛い七美ちゃんは合格だったかな? もし、不合格なら………ママが彼の子供を産むしかないけど……。ママもおばちゃんだからなぁ。若い子の激しい動きで壊れちゃうかも………』


私は震える両手で、ママの首を思い切り掴んだ。


「タマちゃんは、私のモノなんだよっ!!」


『弱いわね……七美ちゃん……。さぁ、早く部屋に戻りなさい。目を覚ました彼が心配して、あと十六分であなたの部屋を訪ねてくる。お得意の寝た振りしなくちゃね』


私は、手を離すと逃げるように部屋を出た。


「タマちゃんを神華にしたら、真っ先にパパとママを引退させるから! その為にもう無人島用意してあるし」



走って。


走って、走ってーーー。


ドンドンドン!!


ドンドンドンドンドン!!!!


部屋のドアが開いて、驚いたタマちゃんが顔を出した。


「七美? どうした? ちょうど今、そっちに行こうと思ってた」


「………うっ…ぐ………うぅ…」


ママの言う通り、私は弱くなった。

タマちゃんの胸の中で、泣くことしか出来ない情けない女になってしまった。


「ほら、こっち向いて。涙を拭くから」


「一緒にくっちゅいて寝るの!」


「う、うん……。分かったから、涙拭こ」


私の背中をさすりながら、涙を拭いてくれた。


「優し…すぎる……。私が弱くなったのは、お前のせいだっ!」


「うん? 良く分からないけど………。別に弱くても良いだろ? そもそも弱いことが悪いって誰が決めたんだよ。弱くなきゃ、こんなに誰かを愛しいって思えないだろうし」


「………………」


ママ、聞いてる?


これが、タマちゃんなんだよ。私が大好きな男。弱くても私とタマちゃんが、神華を乗っ取ってやるから!!


ちなみにタマちゃんは、ロリコン癖あっても年増好きではありません。だからママを抱くことはありえませんよ。



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