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冷やし上手な彼女  作者: カラスヤマ
世界で一番危険な彼女
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深夜の報告会

深夜。急に外の空気を吸いたくなり、ベッドから飛び降り、テラスに出た。人工の青白く光る滝を横目に、黒い大理石の床をしばらくペタペタ歩いた。一度深呼吸した後、リクライニングチルベッドに全身を預ける。


満天の星空。


「優雅だなぁ……ほんと……」


比べることすらバカらしい、圧倒的な財力。もし、あの人の言う通りにしたら、この全てが今すぐ手に入る。一生、金に困らない人生。きっと、俺みたいな貧乏人が想像もつかない贅沢な日々が待っている。


「でも………」


何かが違う。


『…………っ……』



突然、七美のゆるい声が耳元から聞こえた。どうやら、このベッドにはスピーカーが内蔵されているらしい。


『眠れないの?』


「うん。少しね。目が冴えてさ」


『パパに虐められなかった? 大丈夫?』


「大丈夫だったよ。かなり緊張したけどな。ところで、心や卯月さんはどうした? 夕飯の時も見てないし」


『まだプールにいると思うよ。さっき、私が夜食持って行った時は、プールに入りながら、スクリーン見て、二人でゾンビゲームしてたし』


「飽きないの? スゴいな、色んな意味で……」


七美との他愛ない会話中も、徐々に痼が喉奥にたまっていく。吐き出したくて、ウズウズする。あの男の得たいの知れない力について………どうしても知りたい。将来、家族になるのなら尚更だ。


でもーーーー。


「明日は、朝飯八時半だっけ? また夕飯食べた大ホールに行けばいいの?」


『うん。でも時間が近づいたら、メイドさんが呼びに来るから、大丈夫だよ。その人が案内してくれる』


「分かった。ちなみにそのメイドは、間違いなく心じゃないな」


『アハハハハ! あの子に、そんな理想的なメイドの仕事出来るわけないじゃん。アハハハハハハッ!!』


「めっちゃ笑うな……」


会話中。七美が俺に何かを言いかけて止めた。俺は、その言葉を強引に引き出す。


『タマちゃんは……パパのこと嫌いになった?』


「嫌いになってない。だから、そんな悲しい声出すな」


『良かった………。あの……この後、タマちゃんの部屋に行っても良い?』


「ダメ。今夜は、両手を広げて優雅に寝たいし」


『分かった。我慢します……』


寝る前の五回目の『好き』の掛け合いでやっとスピーカーが切れた。


そういえば、七美の母親には一度も会っていないことに今更ながら気づいた。


もしかして、一緒に住んでいないのか?


それともーーーーー


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