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冷やし上手な彼女  作者: カラスヤマ
世界で一番危険な彼女
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夢衣

主人様(バカ)におんぶされ、何だかフワフワ夢心地。本当に気持ち良くて……むにゃむにゃ……。いつの間にか、寝てしまった。



ちょい昔の夢を見たんだよね。



【憎い雨が降り続いているーーー】


傘もささずに立っている私と卯月。


頭や手足がセパレートした元殺し屋が、私達を色のない目、無言で盛り上げる。



『どうしたのぉ? そろそろ再開しないと朝になっちゃうよ~』


足先で死体の頭をこねくり回す長髪お化け、卯月。


『ーーーねぇ。あんたは、今まで何人殺した?』


『ん~~……。まぁ……百や二百じゃないことは確かかなぁ。天魔も同じくらい殺してるでしょ? でも私ね、もうすぐ殺し屋を辞めるの。面白そうな、気になる子がいてね。その子の側にいたいから』


『…………簡単に辞められるわけないだろ? あの人が、そんな勝手を許すわけない』


『うん! 知ってる。だから、アナタ達が裏切り者の私を殺しに来たんだもんね。でもさぁ、もう残ってる殺し屋は、アナタ一人だけ』


『なぁ……卯月。今からさ、五分だけでいいから私の攻撃を耐えてくれ。頼むから、死なないで。………五分後、もしお前がまだ生きてたら、その時は、私も一緒に連れて行ってほしい』


『分かった。いいよ。アナタは、私の一番のお気に入り玩具だから』


雨音が掻き消され、辺りが静寂に支配される。


『アナタの本気……。鬼畜レベルだからなぁ。靴脱いで、裸足になっても良い? 私も本気にならないと、十秒で肉塊にされちゃうし』


鉄臭い雨が、私達の周りを流れていく。


どこまでも。


どこまでもーーー。



夜明けは、まだ先ーーー。


本気になった卯月を前にして、私の中で何かが変わろうとしていた。


………………………………。

………………………。

………………。



目を開けると、まだ夜空がユラユラ揺れていた。


「…ねぇ…ワガママ…言って良い?」


「いいよ」


「………悪いんだけどさ、一緒に悪夢に付き合って。一人だと、恐くて………だから…」


「分かった。ずっと、お前の手を握ってるから大丈夫。安心して眠るまで側にいるから、心配するな」


「……………」


我慢が出来ず、優しいバカの首にキスをした。


「っ!?」


「毛虫が付いてた。もう、取ったから大丈夫」


「あっ……うん……ありがと…。いぃっ!! 何してる?」


この時間が終わらなければ良いと。


「毛虫だらけ」


アパートに永遠に着かないで欲しかった。



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