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冷やし上手な彼女  作者: カラスヤマ
世界で一番危険な彼女
20/80

微熱

誰かが泣いていたーーー。


寝ている僕の隣で。


『あんなにいっぱい苦しめたのに……。どうして、私を助けてくれたの? そのせいで死ぬかもしれない………。バカ過ぎて……泣け…て…くる………』


自分でもバカなことをしたと思ってるよ。気づいたら、車の前に飛び出していたんだから。


『しばらくね……アナタには会えない。………もしかしたら、もう二度と会えないかもしれないの……だから……』


オデコとオデコ。重なる想い。甘い香りと微熱。


温かい何かが、ゆっ……くりと体の中に流れ込んできた。不思議な感覚。言葉に出来ない。


『この瞬間から、私はアナタだけのものになった。もし、この誓いを破ってあなた以外の男性とエッチなことしたら、すぐに死が訪れる。あっ……ちなみにだけど、アナタも私以外の糞女とエッチすると死ぬから。そこは、お互い様ってことで許してくれるよね? 私、とっても独占欲強いの』


今度は、オデコと唇。柔らかい感触と小さな彼女の声が、いつまでも僕の心をくすぐっていた。



ーーーーーーーーーーーーーーー



「おーーーーい!」


「……………」


「もう放課後だよーーーー!!」


「…………ん?」


「ん? じゃないよぉ。いつまで寝てんの」


目の前、数センチ。ニコニコしながら俺の顔を覗いている派手な女がいた。

確かこの女は、最近話すようになった五十嵐だ。最初は、ただのビッチかと思っていたが、話すと意外と真面目で、自然と俺の苦手意識も消えていた。


「五十嵐……。どうした?」


「どうしたじゃないよぉ。一緒に帰る約束したじゃん」


「あっ……あぁ……そうだったな。ごめん。なんだか、頭がボケてたわ」


「タマっちが、ボケてるのはいつものことじゃん。早く、帰ろ。またカラオケ行こうよ」


左手を握られ、引き摺られるようにして教室を出た。そんな俺達の前から、奴隷を従えて会長様が廊下を歩いてきた。


俺達は壁に退いて、お辞儀をする。


「………………」


「………………………」


無言。


ほんの数秒ーーー。


それなのに、とても長く感じられた。胸を締め付ける何かに戸惑う。


「どうしたのぉ?」


「いや……なんでもない」


少し歩いて振り返ったが、もう会長の姿は消えていた。


「……………会長ってさ……あんな感じだっけ?」


「会長は、会長でしょ。イケメンで完璧。この学園の王様。いつもと一緒じゃん。……なんか、今日のタマっち変だよ?」


「ごめん。なんか……さ」



すごく、小さく感じたんだよな。


その存在がーーー。


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