恋は美しくて苦しい
恋なんて、するはずなかった。
恋なんて一過性なもの、ちょっと時間が経てば消えるものっていうのが自分の考えだった。今までずっとそうだった。小学校の時、可愛いなって思ったあの子も、中学校、高校で可愛いなって思いと憧れが一緒くたになって見ていたあの子も、一週間くらい気のせいだって思ったらその思いは消えていったんだ。
なのに、今回は全然違う。最初は中性的でどっちだよって思っていたその顔も、自分よりも頭一つくらい大きくて、ただでけーって思ってたその身長も、笑うのが苦手なのかちょっとひきつった感じになるその笑顔も、全てが愛しいと感じてしまう。
そんなにも思って思って、想ってしまった。それはもう、ただの毒。その子から逃れられない。
あぁ、でもなんてひどい。こんなにも捕らえられてしまっているのに、貴方は気が付かない。この想いは、ただ私を焦がして、私を逃がさない。