リンパ浮腫の症状あれこれ
リンパ浮腫を発症すると、周径値が増えてむくみの無い側と比べると左右差が出てくる。ラインが崩れ、メリハリがなくなり、寸胴になる。
今まで着ていたサイズの服が入らなくなる。脚のむくみのひどい方は靴が入らなくなる。
特に女性の患者さんにはかなりの精神的苦痛である。
はっきり目立つくらい左右差があると、やはり人目を気にする。
腕のむくみの方は長袖の服、脚のむくみのかたはロングスカートや脚のラインが出ないパンツを選択するようになる。
着たい服が着れなくなる。靴も大きめのスニーカーやだぼっとしたスリッポンのような靴になるだろう。
そのほかには血管が見えづらく白っぽくなる。
皮膚の表面が赤っぽい色になることもある。
むくみが進行すると組織が硬くなる。重だるく感じ、膝などが曲げにくくなる。ひどい場合はパンパンに腫れ、板のように固くなることもある。
リンパ液が皮膚を押し上げて小胞(蚊に刺されたあとのような感じ)を作ったり、それが破れて液が漏れるリンパ漏を起こすこともある。
陰部の皮膚はやわらかくデリケートでそれを起こしやすい。
見えない部分であるので気が付きにくい。小胞があっても、気が付かずトイレのときの刺激で小胞が破れたりして、細菌の入り口になり、炎症が起こる原因となったりする。
炎症を繰り返していた原因はそれだった、という場合が多い。
下着がなんだか濡れている、というようなことがあった場合は鏡などでチェックされるとよいと思う。
脚にむくみを発症された方で、すねの体毛が太く濃くなる方もいらっしゃる。
これは貯留したリンパ液のために過栄養になっているためだと思われる。
これも、浮腫が改善するとちゃんと薄く細く元の体毛に戻る。
そう説明した私に、ある患者さんがこうおっしゃった。
『これ、薄毛の改善に使えるのじゃないかしら』
なるほど、と思った。
頭皮にリンパ液を貯留させ、同様の状態にすると毛髪も濃く太くなるのかもしれない。
モノは考えようだと思った。
こういう考えを常にする方が、世のヒット商品を生み出し、億万長者になるのだな、と思った。