家族の協力
家族の協力が不可欠である。
一生、つきあっていく浮腫のケアは息切れすることが当然あり、家族のヘルプが大きな力になる。
一概には言えないが、患者さんに子供がいる場合、息子であるか娘であるかが大きくその後の運命を分けると私は思う。
男女差別の発言になってしまうが、親と別居していようが車で半時間以内の距離ならば毎晩家に通い、しばらく包帯を巻いてあげるわよお母さん、というのが娘である。(専業主婦であるなしにかかわらず)
これが息子の場合、同居していてもまず手伝う気はない。(社会人であろうと学生であろうとにかかわらず)最初はしたとしても、続かない。
中には献身的に毎日母のためにマッサージ、包帯を巻いてくださるご子息も必ずおられるだろうが、私の経験上、稀である。
かえって、息子のヨメのほうが頼りになる場合もある。この場合、いいおヨメさんをもらったご子息を賞賛したい。また、患者さんのお姑さんが頼りになる場合もある。ヘタしたら近所の女友達が「あたしがいつでも包帯巻きに来てあげるわよ、〇〇ちゃん」なんて場合もある。
女同士の絆は強いのである。近年の映画「アナと雪の女王」「マレフィセント」にみられるように、頼りになるのは男より女だなあ、と感じさせられる。
患者さんが男性である場合、当然のように奥様にケアを任せきりにする方がいる。亭主関白できた人はそうである。ほとんどの場合、奥様はしっかりとご主人をケアしてくださる。これが逆の場合だと、ヨメのケアの手伝いなんてしないご主人の方が圧倒的に多い。だからなんだかやるせない気持ちになってしまう。
非常に珍しいが、ご主人が奥様のケアを全般的に献身的にしてくださるケースもあるにはある。
ご主人が奥様にベタ惚れなのである。
毎日のマッサージ、包帯はすべてご主人がしてくださる。
素晴らしいことだが、こういう患者さんは不安である。
ご主人が何から何までしてくださるあまり、自分で自分のケアができないパターンが多い。
今までの生活の積み重ねかもしれないが、ご主人に頼ってしまい、自分でケアをしようとする気が起こらない方もいる。
こういう方の場合、ご主人が不慮の事故、病気等でどうにかなられた場合、一気に浮腫状態は悪化する。
お手上げである。
よほどの事情がないかぎり、自分自身でケアを習得しておくのは基本である。
多くの患者さんは自分のことは自分でしっかりケアをする。
中でも、自分でしっかりコントロールする、人には頼らない、という強い意志を持った患者さん(特に女性)ほど、ご主人等の協力を拒む。(多くは、自分でやったほうが上手くできる、手伝ってもらうとイライラしてしまう、とおっしゃる)こういう方もまた心配である。
事故等で、ご自身の腕が怪我をして使えなくなってしまったとき。
一気に浮腫状態が悪化する。
これは、ご本人も私も相当悔しい。
そういう患者さんほど、普段からしっかりと自己コントロールされ、浮腫状態は非常に良好であるからだ。
このとき何回かケアの経験をこなしたご主人がそのときだけは包帯を巻けば、その事態は防げたのである。
だから私は、もしもの場合に備えて、必ず家族の誰かがケアをある程度習得できるようにとお話する。
患者さんの家族に可能なら、何回か共に治療院に通ってもらうのをすすめる。




