大・爆・発☆ (((( ;゜д゜))))アワワワワ
少し短めです。
俺はどうにか迫ってくる三人と、ニコニコと笑みを浮かべながら不気味なオーラを滲み出していたツバキを追い払うと、かつての戦友、現在の王達とパーティーを組み‘阿修羅'と共にアップデートされた新フィールド、『ウォーリア・ペルヘヴン』へ向かった。
―通、常誰かが実地へ自らの足で赴きクエストをクリアするなり、一定条件を満たすなりしなければ、転移門は使えないが、通常では到達できないといった特別な状況の際だけ、初めから転移門を使用することができる。
「転移、ウォーリア・ペルヘヴン!」
転移先の名を叫ぶと白い光が体を包み、視界が一瞬ブラックアウトする。
そして、次の瞬間には、風化し、寂れた闘技場の入り口に立っていた。
「ちょっと、転移するならするって言ってよ!」
いきなりに転移に驚いたらしいエリアーネの苦情を黙殺すると、俺は闘技場の中心に陣取る存在を指し示しながら呟いた。
「アレが・・・か?」
俺の質問に、他の五人は無言で頷き、肯定した。
―そこにいたのは、粗末な腰布を身に着け、赤錆色の逞しい肉体を曝け出し、左右の側頭部から捩れた角を生やした鬼、‘阿修羅’だった。
俺たちが沈黙した、その一瞬の隙に、こちらに話しかけてくる存在がいた。
「貴殿らが、貴殿らが悪しき鬼を退治してくれる勇者様なのでしょうか?」
声の主は腰の折れ曲がった老爺だった。そして、その姿を確認した瞬間、視界に表示されるものがあった。
『 【殺戮の宴】
クリア条件:阿修羅の討伐
失敗条件:パーティーの全滅
報酬:???
制限時間:∞ 』
『クエスト【殺戮の宴】を受諾しますか?
YES / NO 』
「来たか。」
そう呟いたのは誰だったか、俺は迷うことなくYESを選択した。
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闘技場内に5人を引き連れて入ると、その瞬間、阿修羅はその鋭い眼光でこちらを睨んでくる。
「ありゃぁ【威圧】持ちだな。厄介だぞ。」
Loadが敵を冷静に分析する。
「そんなことはもとより分かってる。それより、あちらさんはやっぱり領域侵入型で戦闘開始かな。」
領域侵入型。それは相手のある程度はなれた距離を領域というため、その領域に踏み込んだ瞬間に動き出すモンスターたちのことをいう。それはつまり、
「魔法で先制だね。それじゃエレファンスの出番かな?」
エリアーネの発言は間違ってはいない。だが、
「いや、俺もだ。とっておきをやるぞ。」
その『とっておき』という言葉に、王たちは首を傾げるばかりだが、エレファンスは「分かった。」とだけ呟くと、距離を取るように横へ移動した。
「どうするつもりなんだよ!?お前とアイツじゃ魔法の制度が段違いだ。もし激突して消滅したら、目も当てられないぞ!」
Kyouの質問の答えは、
「激突させるんだよ。黒邪龍をどうやって倒したか、知りたくないか?」
それだけ言うと、ほかにもなにか言おうとしていた他の王たちも黙る。
俺はエレファンスに聞こえるよう、声を張り上げた。
「あいつは多分、魔法も領域に侵入した瞬間に行動を開始する。目標は阿修羅胸部5m前方!」
エレファンスが頷く。
それを確認すると、
「カウント、3、2、1、撃て!!」
カウントを終えると共に魔法を放つ。
「死ヲ内包ス絶望ノ観測!!」
「浄化葬送」
俺からは黒い掻き毟りが、
エレファンスからは白い閃光が、
左右から、白と黒の絶望が放たれた。
「どういうことだ!あのままだと激突し互いに消滅するぞ!!」
魔法が領域に達したらしく、阿修羅がこちらに向かって動き出した。
「光の弱点は闇、闇の弱点は光。これって矛盾してると思わないか?確かに魔法と魔法が激突すれば、消滅する。だが、それはただ単に威力同士が激突した場合だ。光と闇が激突した場合、どうなる?」
「そんなの、消滅するに決まってるだろう。」
「それはどちらかの威力が強かった場合だろ。同威力の場合、どうなる?」
「っ、消滅するんじゃないのか!?」
「はい不正解。正解は反発しあい、威力が拡散、大爆発が起こるでした~。」
その瞬間、阿修羅の目の前で白と黒が激突した。
そして、エレファンスは叫んだ。
「ブラッディ・エクスプロージョンッッ!!」
そして、俺も叫んだ。
「必殺……、混ぜるな危険ンンンッッッ!!!」
世界は紅に染まり、
ズガァ゛ァァァァァンッッ
という大音響が響き渡った。
これで大丈夫だろうかと考えた話でしたが、どうでしたか?
評価・感想・誤字指摘、待ってます。