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それはフラグだ。(; ・`ω・´)ナン…ダト!?

遅くなりました。


投稿用小説の息抜きに書いているものなので、気長に待っていただけると幸いです。

 





 俺はユウキを見て叫んだ。

「マジか!!」

「マジマジ、大マジだよ。」

「して、その種族名と転生条件は?」

「種族名は‘鬼’。条件は鬼の‘阿修羅’の討伐でございます。」

 一瞬、なんだか悪代官みたいな喋り方になってきたなぁ。と思ったが、今はそんな事よりもするべきことがある。それは・・・、

「行こう!すぐ行こう!!もう行こう!!!」

今にでも立ち上がり駆け出そうとしていたが、

「いやいや、いくら今の君でも無理だから。」

と、肩を竦めながら喋るユウキによって阻まれた。

「なんでだよ!」

「強すぎるんだよ、‘阿修羅’が。アップデートされて五日、古参とか廃人パーティーもことごとく全滅。もっとLvを上げないと勝てないよ。ましてや僕たちじゃ、万に一つも勝ち目は無いよ。」

 その言葉で気持ちに火がついた。

「分かった。」

「そうか、分かってくれたか。俺は嬉しいよ。」

「何爺くせー事言ってやがる。今までの奴らがダメだったんなら、今までで最強のパーティーで挑めばいいのさ。」

 その言葉に対して、ユウキは苦笑しながら言った。

「今までだって名立たるハイランカーのパーティーが挑戦して全滅してるんだ。君の友人がどれほど強いか知らないけど、各陣営の王達が組む以外に最強のパーティーなんて無いと思うよ。」

 ユウキの言うことはもっともだ。だが、俺は軽く笑いながら、

「ユウキ、それはフラグだ。」

 言うだけ言って、俺はメニューウィンドウを開くと、チャットを選択しコールで五人の名前を選び、呼び出すと、すぐに文字の羅列が表示され始めた。



◇◆◇◆◇



エレファンス: 何?


 エリアーネ: シュヴァルトからチャットなんて珍しいね。


    Kyou: 面倒くさい。面倒くさい。


    翔龍: お久しぶりですなシュヴァルト氏。


    Load: 面白い話なら歓迎するぞ。


    翔龍: いやぁ、このメンバーで集まるのも久方ぶりですなぁ。して用件は?


シュヴァルト: 単刀直入に言わせてもらうと、一緒に‘阿修羅’の討伐をしてほしいんだけど。


    Load: 暇つぶしにはなる。俺はOKだ。


エレファンス: OK


翔龍: 報酬によってで

 

 エリアーネ: 私も上と同じく


    Kyou: 俺はNOだ。どうせたいしたもんを寄越さないんだろ。


シュヴァルト: Kyouにはアレをやるぞ。お前の欲しがってたアレ。


    Kyou: …………OK


翔龍: アレとは気前がいいですね。期待できそうです。

   

 エリアーネ: 上と同じく。


シュヴァルト: 現金な野郎どもだ。それじゃあ一時間後に中央都市アリファナの中央大門集合で。


    All: OK



◇◆◇◆◇



 話をまとめ、チャットを閉じると、前に神妙な顔つきのユウキがいた。

「嘘だよな?」

「・・・。」

「嘘なんだろ。・・・嘘だと言ってくれよ!!」

 急に大声を上げるユウキ。

「いや俺が誰と知り合いだろうがお前には関係ないだろ。」

「あるよ。あるもんね!」

「ほう・・・、じゃあ言ってみろ。」

「君だけずるいじゃないか。うらやましい。」

「死ね。」

 迷わず右ストレートを繰り出す。

「うわっ!急に何するんだ。何か間違ったこといったか!?」

「ミジンコの欠片ほども関係ないことを言っとるわ!」

 

 時間は過ぎていく。



◇◆◇◆◇



 約束の時間の五分前に俺は中央大門の前に到着していた。―ユウキやツバキ達も連れて。

 そして、すでに中央大門には3人の王達が待っていた。

「うわっ、うわっ!本当に王達だよ!」

―お前は黙っとけ。


「こうして会うのは久しぶりですな。皆様方も。」

白銀の全身鎧と頭鎧を着込み、左手にタワーシールド、背に大剣を背負った重戦士型タンク、黄の陣営サンディアンの王、翔龍が話しかけてくる。

「お前は人に会うときくらい素顔を見せろ。」

と、蒼炎に輝くプレートメイルを装備し、腰からカットラスを下げた、青の陣営アクラウェッジの王、エリアーネが答える。

「エリア氏は海神竜ポセイドン装備ですか、流石ですな。」

青王は「フンッ!」とだけ反応した。

「ふむ、あと来ていないのはKyouとエレファンスか。」

籠手や鎧やレザーなど様々な防具を装備(一番戦いやすいらしい)した、赤の陣営アヴィテーレの王、Loadは早く戦いたいらしく、残りの二人を待っていた。すると、

「よーっす!」

「・・・遅れた。」

と二人が同時に現れる。

まず目に付くのが、全身をすっぽりと純白のローブで包まれ、色白の口元だけが覗く白の陣営トールサイトの王、エレファンス。そして、上半身にチェーンメイル、下半身に動きやすさ重視のボトムスを装備した紫の陣営ヴォルトプロトの王、Kyouはきょろきょろと周りを見回し、

「ちゃんとアレ持ってきたんだろうな?」

と、確認してきたため、

「ああ、バッチリだ!クリアできたら渡してやるよ。」

といってやると、「うぉぉぉぉぉ、燃えてきたぁぁぁぁ!!!」と変な雄たけびを上げて離れていく。

そこでエリアーネに話しかけられた。

「それより、シュヴァルト。お前はそんなふざけた装備でこのクエストに望むつもりなのか?」



◇◆◇◆◇



「ふざけた装備ってどういうことですか?」

 そうだ。兄の装備しているものはかなりレア度の高いもののはずだ。

 

 聞くと兄はめんどくさそうな顔になり、青王は首を傾げた。

「どういうことって言われてもね?まさかとは思うがずっと隠してたってことも無いよね?」

 という質問に兄はコクリ、と頷くと、右手でウィンドウを開き、何か操作を始めた。一段落したのか指の動きを止めると、最後に人差し指と中指を振り下ろし操作を終わらせると共に、兄の装備が代わっていく。

 

 足元まで届く黒いロングコート、アンダーシャツの上に装備した銀の胸当て、指先の露出したオープンフィンガーグローブ、銀色の刺繍のなされた漆黒のズボンにブーツ、それが兄だった。


 「さっきまで彼の装備していたギルバーン装備一式は最上級者の中でも特に、標準装備って呼ばれてるんだよ。確かにレア度が高いのは認めるけどね。黒邪龍装備と比べたらねぇ。」

 青王が呆れながら説明してくれた言葉に耳を疑った。

「アレが黒邪竜ベルゼギウスの…!?だとしたら、あの装備一式を揃えるために、何体もの黒邪龍を倒したって言うんですか?」

 問題はそこだ。黒邪龍といえば、現在Pararelの最強の一角を担うモンスターだ。どんなパーティーが挑戦しても倒せたら奇跡だとまで言われているのに。

「いいや、アイツは一体しか倒していないよ。」

「だったらどうやって?」

 私の頭の中は、ますます混乱していく。

「精鋭討伐ボーナス、って知ってるよね?」

「強力なモンスターをパーティーの上限人数より少数で討伐すると素材ボーナスがもらえる、でしたっけ?」

「そ。そして少数であるほどボーナスの量が増える。それを利用してアイツ、いやアイツら、シュヴァルトと白王エレファンスの二人で討伐、素材もガッポガッポって寸法だよ。」

「二人で、なんて。」

「ま、信じるしかないよ。現に起きちゃったことなんだからね。さてそろそろ出発かな?」

 と、彼女につられて、兄さんを見ると、

「説明してくれるかな?ヴァルトくぅぅぅん?」

 と、またも友人の三人に取り囲まれていた。

「ア"ァァァァァ!だから隠してたのにぃぃぃぃ!」

 という悲痛な叫びが中央広場にこだました。





次回は戦闘とか言いつつ、次回が戦闘です。



フラグの意味を理解しているような、いないような・・・

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