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いきなり!ポポポ( ゜д゜)゜д゜)゜д゜)ポカーン…

かなりいきあたりバッタリです。


納得できないところも有り過ぎると思いますが暖かい目で見守ってください。


「オンリーワンな男になってみせる!」


 PNプレイヤーネームシュヴァルトことお兄ちゃんは、いきなりホームを飛び出していった。

 そんなお兄ちゃんの奇行に、私も、お兄ちゃんの友人たちも口をポカンと広げて、ただただ呆ける事しかできなかった。



◇◆◇◆◇


 

 私が今嵌まっているゲーム、『Pararel Wors Online』通称『パラレル』は、二十一世紀後半に産まれたVRゲームの中でダントツの人気を誇るゲームだ。

 このゲームはそれぞれが所属する陣営、種族を決めて領地戦争や冒険、様々な戦闘をするというよくあるメジャーなVRMMOである。しかし他と違ったルールというものも存在するわけである。

 

 まず、職業と言うものが存在せず、格闘、剣、魔法何でも使うことができる。

 二つ目に、装備に対する規則が無いというものである。これはつまり、剣、杖、盾、鎧という全ての武器防具を自分の好きなように装備してよいという事。

 三つ目が、PK、PvPが推奨されているなど、他にも、細かい設定を挙げていけばきりが無いだろう。


 なかなかハードなゲームであるが、一度やると嵌まってしまう。それが『Pararel Wors Online』だ。

 でも私が始めたきっかけはあくまでもお兄ちゃんがオススメしてくれたからである。

 まぁ、そのお兄ちゃんは今何処にいるか分からないけれども・・・・・・



◇◆◇◆◇



 結局、ログアウトした後もお兄ちゃんは何処に行ったのかは教えてくれなかった。さらに唇に指を当てながら、「ひ・み・つ!」と言う気持ち悪い瞬間を見てしまった、目に毒だ・・・。

 


 その後、一週間ほどしてからお兄ちゃんはホームに帰ってきた。

「俺は、オンリーワンでナンバーワンな男になったどぉぉぉぉ!」

という叫びと共に。

 それに、お兄ちゃんの親友ことタールが質問する。

「いやお前、オンリーワン・ナンバーワンって何が変わったんだよ?」

 それは私も気になっていたことだ。

「フッ、それは今日の領土戦で分からせてやるさ。黒の国vs青の国のな、覚悟して仔兎のようにビクビクと震え上がっているがいいさ、ドS!」 

 青の国に所属している(お兄ちゃんは黒の国)、ドSこと親友No2のSSSSS(Sが好きらしい。)は、

「ハッ、返り討ちにしてやんよぉぉぉぉ!!」

 と叫ぶとホームを飛び出していった、きっと領土戦参加の準備をしに行ったんだろう。だけど、

「お兄ちゃんそんな余裕かましてて大丈夫なの?」

「何で?」

 なんでって、それは……

「SSSSSって、タールとお兄ちゃんと一緒にゲーム開始時からやってるんでしょ。だったらお兄ちゃんとあんまり差は無いと思うけど?」

「フッ、それは前までの俺だ。今の俺、このNewシュヴァルト様の敵ではないわ!」

 と言うと、アーハッハッハッハッと高笑いする男がそこにいた。

「さて、俺もそろそろ準備するかぬぁーッハッハッハ!」

高笑いする男はホームの奥へと消えていった。


ハッ、キャラがおかしくなってる!



◇◆◇◆◇



次の日、私はログインしてすぐに領土戦結果報告を確認して衝撃を受けた。その結果とは・・・


勝利国:黒の国

参加者数

黒の国/9254 青の国/16523

終戦結果:本陣陥落

貢献度: 黒の国                   青の国

    1位/シュヴァルト/2243Pt          ・・・・・

     2位/shin/1913Pt               割愛

     3位/げばげべ/1889Pt

     4位/フランクフルト/1542Pt

     5位/kyonkyon/1193Pt



「なっ・・・」

 私は言葉を失った。

 暗い・怖い・キモイで不人気国堂々のNo.1である黒の国が圧倒的戦力差を覆し、勝利したことに、しかもお兄ちゃんが貢献度で1位になっていることにも。

 貢献度は敵を倒すことで手に入れられるもの。獲得Ptも相手のLvによって増減する。つまり、お兄ちゃんは一人で大群を切り伏せたか、強大な力を持つプレイヤーを多く切り伏せる、それともその両方なのか、Lv1000でカンストしていることは知っていたがお兄ちゃんは一人で数十、数百人分の戦闘力を持っていることになる。それでもカンストしているプレイヤーもそれなりには居た筈だ。そうなってくると装備性能の勝負になってくるのだが、お兄ちゃんの装備は平均を多少上回っている位だった筈だ。

 結果はともかく、お兄ちゃんを尋問しないといけないようだ・・・



◇◆◇◆◇



 ホームのドアを開けると、チリリン、という呼び鈴の音を背にズンズンとメインルームを目指して進んでいくと、部屋の中では既にタールとSSSSS、さらにお兄ちゃんのネトゲ友達のユウキさんの3人がニコニコと、イスに座ったお兄ちゃんの周りを取り囲んでいた。


「こんにちは!」

「おお、ツバキちゃんちょうどいいところに来たね!」

 ユウキさんがこちらを振り返り、人の悪い笑みを濃くしながら、

「さぁ、これで皆揃ったよ。ヴァルトちゃん、言い逃れはさせないから覚悟してね!」

 そう言うとタールとSSSSSもそれに続く。

「そうだぜヴァルちゃん、正直に答えんとこの世の地獄を見せたるで!」

 タールは途中からガンを利かせながら言った。

「そうだよヴァルト君、君の物は僕達のもの、僕達の物は僕達のものっていうルールを忘れちゃったのかい?あはは、それじゃあ無事に助からない方法で思い出させて上げるよ。」

 「なんだよそのジャ○アン理論!」とツッコミかけた心を落ち着かせ、私は、「無事に助からない方法」を想像しながら、SSSSSはきっと、昨日コテンパンにされたんだろうなぁと同情する。そこで不意に意識を仮想現実に戻される。それはついに被告人が口を開いたからにほかならなかった。

「ま、待て!待ってくれ。話す、ちゃんと話すから、まずは俺を解放してくれ。」

 よかった、キャラは直っているようだと安堵の溜息を吐きながら、ほかの三人を見ると、アイコンタクトを行っており、なにやら結論が出たらしく頷き合うと警戒網を歩幅一歩分だけ緩和すると、

「それじゃあ、空白の一週間にどこで何をしていたのか、」「領土戦のあの結果は何だったのか、」「詳しく説明してもらいましょうか。」

 見事なコンビネーション質問技を繰り出した三人はお兄ちゃんにガンを利かせている。すると、ついに観念したのかお兄ちゃんが真実を暴かれた犯人のようにポツリポツリと言葉を発しはじめた。

「あれはほんの出来心だったんだ、本当だ!なぁ信じてくれよ!」

 そんなお兄ちゃんにユウキさんは見下したような冷めた目で、

「あ、そういうのいらないんで。」

お兄ちゃんはショックを受けたようで、ガーンと方が落ちる。

「あ、そうすか。」

 心なしか元気もなくなっている。

「まぁ、実を言うとあの後、永久の森フォーリン・フォレストに行ったんだよ。」

 その答えに私は驚きを孕んだ声を上げた。

「永久の森!?あんなところでソロ狩りって……。」

 永久の森とは入ってしまったら最後、二度と抜け出すことはできないという設定の別名、迷宮の森である。

 理由は簡単、木々が移動するのである。自分の視線が届く範囲は決して動かず、探知可能範囲から出ると動き始めるからだ。

 奥に進めば進むほど脱出難易度が上がり、更には上級者すら苦戦するモンスターがうじゃうじゃと湧き出ており、脱出方法は死に戻りしかないと言われ、真面目に脱出しようとするとリアル一日かかるとまで言われている。

 そんなところにソロで挑むとは、やっぱりお兄ちゃんは筋金入りのバカだったようだ。と、考えている間にも話は進んでいる。

「最初はレア装備を揃えてやろうって軽い気持ちだったんだけど、モンスターと戦ったり避けたりしてたら知らないうちに深部まで進んでたみたいで、迷ってそこら辺の道を適当に進んでたらさ変なステージに出ちゃったんだよ。」

「変なステージ?」

「うん、そう。いきなり道が拓けたと思ったらさ目前にピラミッドみたいなもんがいきなり出現したんだよ。頭頂部は遺跡みたいになっててさ、例えるならマヤ文明の遺跡みたいな感じの。」

「それは興味深いね。」

 と、SSSSS。

「確か名前が神秘と英知の森殿だったかな。今思えばシークレットエリアだったのかな・・・?」

 そこで全員が驚きの声を上げた。

「「「「なっ!?」」」」

「神秘と英知の森殿って今一番掲示板を騒がせてる話題だぞ!」

「そうなのか?」

 お兄ちゃんは飄々とした調子でトンデモ発言をしているのだがいいのだろうか・・・いいんだよね!?

「そうなのか、ってなぁ、そこは公式掲示板で名前だけが公表されてたが一向に見つかる気配が無いから客引きのための運営のガセでは?とまで言われてたとこなんだぞ!」

 タールが熱く説明するが、お兄ちゃんはさして興味が無いという風に話を進めてしまう。

「へぇー、まぁ話に戻るとだなその遺跡?だか森殿?だかの奥に一本の剣が突き立ってたんだよ。レア度は相当に高そうだったんだけどさ、近付いたらいきなりセイント・ガーディアンとかいうモンスターが現れて戦闘になったんだけど、そいつはガーディアンってモンスターを永遠に増やせる増殖系モンスターで、流石に片手剣一本じゃ火力不足だってんで、もう一本片手剣を装備して二刀流で挑戦したんだよ、双剣使いじゃないぞ。まぁ、それが意外にしっくり来てね、ガーディアンはたいした強さじゃなかったし、けどあれはもう数の暴力としか言いようが無かったよ。ガーディアンの弾幕を突破してセイントに一撃入れたと思ったら、すぐに移動してまた弾幕を張ってくる。しかも減ったHPは一割ほど、それを一時間ほど繰り返してようやく倒したわけだ。そしたら称号『森殿の守り人』ってのを獲得して、『天上天下天地無双刀』を手に入れて帰ってきたわけだ。」

 お兄ちゃんはこの一週間にあった出来事を一気に捲し上げる。

「それじゃあお前は、その『天上天下天地無双刀』って奴で無双したってことなのか?」

「いいや違うよ。その刀は俺じゃ重すぎて装備不可能、今の時点じゃSTR一極型でも装備できないと思うよ。」

 そこでユウキさんはいきなり立ち上がった。

「そんなのっ!・・・あぁ、そうか……。」

 だが、すぐになにかに納得したように再び腰を下ろす。

「それじゃあどうやったって言うんだい?あの戦争のとき君は剣を二本装備していたけど、それはただガーディアンと戦ったときのただの応用だとでも言うのかい?」

と、痺れを切らしたようにSSSSSがお兄ちゃんを詰問する。

「そうであるともいえるし、違うともいえる。」

「じゃあ何をしたのさ?」

「俺はガーディアンと戦った後、一つのスキルを手に入れた。そのスキルの名前はまんま『二刀流』。そしてそのスキルは・・・、ハッキリ言ってチート性能だったんだよ。」

 皆が真剣に話を聞く。

「その能力は……、」



◇◆◇◆◇



「ところでユウキさんは、さっき何を納得したんですか。」

私は先程のユウキさんの行動の意味を聞いた。

「あぁそれはね、なんでいままで神秘と英知の森殿が見つからなかったのか気付いたからだよ。」

「それって、どういうことなんですか。」

「説明するとね、さっきヴァルトは天上天下天地無双刀をSTR一極型でも装備できないといったね。そしてそれを手に入れた場合一つの推測ができる。今回のアップデートの追加機能は何だったかな?」

「えっと、Lv上限の解放、あっ!」

「つまり、アップデート内容がばれないよういままで秘匿してきたステージを、今回のアップデートと共に出現させたんだ。そして偶然にもヴァルトが第一発見者になったと、そういうことだろうね。」

「へぁぁ、なるほどですぅ。」

「ところで、ヴァルト!!」

「なんぞや?」

いままでソファーに寝そべっていたヴァルトがムックリと起き上がる。

「君はアップデートの内容を把握しているかな?」

「そんなのLv上限の解放だろ。」

「ところがだね、森篭りしていた君は知らないだろうけど直前になって追加されたんだよ。」

「何!?」

「それは君が待ち望んだ、

           魔人族、上位種族の解放だよ。」

次の話から戦闘シーンを入れていきます。


解説も、






かなり不定期ですが・・・。

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