開始
校庭に立った6人の正式なる戦士。
「えっとぉ、確認しときます」
相手側のリーダー格と思われる長髪の男が目を細めながら言った。
「今回のSECOND WORLDでの死傷者は被告側には一切の責任を求めない。ただし、SECOND WORLDに関与していない一般人、及び一般人の私物に危害を際得た場合のみ、修復すること。で、いいですよね?」
「おぉ!」
龍馬は今から戦闘をするとは思えないほど生き生きとしていた。
「まずは、自己紹介をしておきましょうか。そちらからどうぞ」
手を龍馬に向ける。
「オーケー!俺は朱堂龍馬!使う属性は火だ!」
「馬鹿っ。ここで属性言ったら不利になるでしょ」
月夜の怒声が左からとぶ。
「うっせ!俺は情報を漏らしても勝てる」
「もぉ。私の名前は富貴月夜です。よろしくお願いします」
「ぼ、僕は大本恭兵です。あの、お手柔らかに」
劉間中学校側の紹介が終わり、相手側の紹介に移った。
「僕はS=165地区代表の五門大治(ごもんだいじ)です。そっちのリーダーさんが言ってくれたから僕も言うよ。属性は、水と雷」
「ほぉ」
五門の紹介に、龍馬は微かに笑った。人によって使う属性は別れるが、多属性を持つ正式なる戦士は珍しい。
「じゃぁ、次は武藤くん」
「ういーっす。俺様サマの名前は武藤玄(ぶとうげん)だ。圧倒的力の差を感じて敬えよっ!」
「次は俺っち♪俺っちは榎本聯(えのもとれん)ッす」
これで、全員の紹介が終わった。
『これより、サバイバル戦による『交渉』を開始する。3分後に開始するので、それまでは自由とする。今回はS=165地区管理人、桐方正史(ぎりがたせいし)が開始の合図をする。解散!』
タイミングを見計らったように、放送が入った。
「じゃ、また」
五門はそれだけ言うと、後ろに歩いていった。月夜と恭兵はお辞儀をしたが、龍馬は何かが不満なのか無愛想な表情をしていた。
校長室。そこには、何ともいえない気まずい雰囲気が流れていた。
「それにしても、貴女も強情ですねぇ。僕のチームと戦おうとするなんて」
「いえいえ、私は彼等を信じていますので」
莉藤は無表情で答えた。
「違うでしょ?自分は痛みを感じずに楽しい。それを求めているんでしょ。でも大丈夫。僕は貴女を受け入れる。僕だって、同じですからね」
「私は貴方を受け入れませんよ。私はそんな気持ちの悪い趣味は持っていないのでね」
互いに互いを弾きあう2人。校長室の異様な空気は、より一層深いものになっていた。
「まぁ、いいですけどね。それでは、始めましょうか」
「はい」
桐方は校長室から校庭を見ると右腕を天に伸ばした。
「壊れる火(ブレイク バースト)!」
その言葉とともに、屋上から花火のようなものが上がった。―パンッ―乾いた音が校庭中に響いた。
――SECOBD WORLD S=324地区 VS S=165地区 開始……!―
あっ、できれば感想お願いします。
初めて書くジャンルなのでそこら辺はホント勘弁してください。
では、また~