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進化!

 人間の進化は今尚続いている。ただ、人間の進化は『本能』で望んでいる『それ』ではなく、『世界の変動』が望んだ『それ』だった。人間の望む『進化』は圧倒的『支配力』誰も抵抗することの出来ない『力』。人間は、刻々とその進化の準備を進め突如として開花した……!

 時は現代よりも先の未来。科学の進歩が続く中で、魔術の進化をした人間が1地区に3人存在した。日本には現段階で141人の選ばれし人類がいた。学歴、年齢、性別等の関係は一切なく、突如としてその進化をした人間だ。そしてもう47人。その3人を監視する『管理人』が1地区に1人いた。管理人は隣地区の管理人と『交渉』をすることによって『SECOND WORLD』の支配者を選出するのだ。

 ならばなぜ、人類は『SECOND WORLD』の支配者を選出する必要があるのか。理由は簡単。進化は『無意識の意識』の中で起こったことだからだ。無意識の意識は『一般人』の理解容量を超える。だからこそ、それを理解できる人物を選出する必要があったのだ。

 

 S-324地区=旧名茨城県。その一角に聳え立つ『劉間中学校』の3年5組。その教室では現在、社会の授業が行われていた。

「つまり、国会の働きは……」

社会科の担当教師である村木茂(むらきしげる)は、教卓に電子ペンで文字を書く。と同時に、電子黒板に文字が映し出される。その文字を生徒が紙のノートに板書する。その姿は、何時になっても変わらないままだ。

「ぐぅ~……」

熱血な授業をする村木を馬鹿にするような音をたてるのは、窓際の後ろから2番目の席に座っている、朱堂龍馬(しゅどうりゅうま)だった。

「いいか!落ちこぼれは落ちこぼれ!俺はすぐに見捨てるぞ」

進路指導担当でもある村木に気に入られようと生徒は授業はきちんと受ける。そんな雰囲気の中で、龍馬は平然と寝ていた。

「授業に戻る」

村木は冷静さを取り戻し、教科書の大事な部分を読み始めた。

「じゃまするぜぇー!」

外からそんな声が聞こえた。――バリンッ!――一番前の窓が勢い良く割れた。

「……へ?」

突然の出来事に、村木は小さな悲鳴をだした。

「だ、誰だ!?お前は。どこの生徒だ」

村木は教師としての威厳を失わないために、教師らしい発言をした。

「……てめぇに用はねぇ。どけ」

ようやく生徒等が冷静さを取り戻し、その声の主を見た。中学生らしい身長、髪をたてた不良のような格好。そんな青年は、村木を退かすと教卓の前に立った。

「いんだろ?いるはずだぁ!正式なる戦士(パーフェクトバトラー)さんよぉ」

青年はニヤリと笑うと教室を見渡した。まるで勝ちを確信した獣の様な目で。

「……うっせーな。授業中しか寝る時間ねぇんだかんな!」

――いや、それも違うでしょ……。

生徒の一部はそう『龍馬』にツッコミを入れた。

「なんだぁ?てめぇか、正式なる戦士はよぉ!」

「あぁん?誰、お前?」

龍馬はめんどくさそうに言うと青年は反応を示した。

「俺かぁ!?俺は阻害された戦士(ブロウクバトラー)の三笠れい―」

―バシッ!―三笠と名乗った青年が名前を名乗り終わる前に、龍馬の拳は三笠の頬を殴っていた。

「ゴメン、何か、イラついた」

――いや、さすがにかわいそうでしょ。

今回は全員一致でそう感じた。

「つーかさぁ、SECOND WORLDのことベラベラ話すんじゃねーよ!っあ、俺もか」

「朱、朱堂!コイツはお前の相手か!?こんな授業妨害をするような奴とは関わるな!」

村木は何もできなかった自分を棚に上げて龍馬に声をあげた。

「……はーい」

龍馬は何か言いたそうだったが、ぶっきらぼうにそう言うと机に戻った。

「どうしました!?村木先生」

窓が割れた音を聞いてやってきた教師陣は、割れた窓と倒れている三笠と尋常じゃない汗をかいている村木を順番に見渡していた。

 その日、3年5組の授業は校長の『変質者緊急会議のため1クラスのみの早退』という口実をつけて龍馬を除く生徒を家に返した。

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