7.アンデッドとの死闘
吾輩は猫であった。ふとしたきっかけで異世界転生してしまい、人間として生きている。こんな吾輩の異世界ライフをとくとご覧あれ。
始まったアンデットとの死闘。果たして吾輩は生きて帰れるのだろうか。
生気を求め荒れ狂うアンデッド達に対して、冒険者達は必死に耐え、傷付きながら戦う。
魔法使いの魔力が尽きれば戦況は一変するであろう。
しかし魔法使いを死守する事も守備担当の責務である。
ミケ達も戦いに加勢し、負傷者を出しながらも徐々に敵戦力を削っていく。
やがて魔法使いを守るの隙をつかれ、ゴーストに囲まれた瞬間だった。
サビの魔法により囲んでいたゴースト達は消滅したのである。
前衛は未だにスケルトンと対峙している。その数100体ほどだろうか。
数では劣っているものの、冒険者達は経験と能力で敵を圧倒していく。
負傷したものは後退し、治癒担当の魔法使いの元へといく。
回復するとすぐに戦線に戻り、敵と対峙する。
吾輩も何度も負傷をし治癒してもらいながら戦闘に没頭する。
明るかった空もやがては日が暮れて夜となる。
スケルトンは良いが、ゴーストが視認しにくくなってきた。
ゴースト担当の魔法使い達は攻撃の手を止めて、防御に集中する。
数名の魔法使いが防御魔法を展開し、残りの魔法使いは休息をとる。このローテーションで夜の間は凌ぐことにする。
視認が難しいいじょう無駄球を撃ちたくないためである。
ゴーストからの魔法攻撃の嵐が来るが、防御魔法でしっかりと防いでいる。
護衛についていた前衛は、夜の間はスケルトンへと標的を変えて戦っている。
前衛組はというと、スケルトンの1度目の波を退け、少し落ち着きを持っている。
時々、ゴーストからの魔法が飛んでくるが、盾でしっかりと防ぎ難を逃れている。
この落ち着いた時間を利用し、前衛連中は休息を回している。
サビも威力の大きい魔法を放ち大いに活躍してる。
その分魔力も大幅に使うため他の冒険者達との連携が重要になってくる。
サビは表情がほとんど出ない、ましてや会話などまともに出来るかも心配である。
その点、経験豊富な冒険者達は上手くサビを誘導してくれているようだ。
声を掛け合い、連携をもって、数の不利から戦闘の有利へと持って行っている。
ここの冒険者達は幾度となくこのような事態を経験してきたであろう手際で動いている。
吾輩は猫であった。名前もなく車に轢かれこの世界へと転生した。人間というものが分からなかったし、理解できなかった。
この戦いを通して少しだけ理解できるかもしれない。それも生き延びれたらの話だが。
夜通し続いた戦闘も、夜が終わり朝日が昇り始めた頃、現在の戦況が見えてきた。
圧倒的な数の暴力は変わらない。視界の果てまで居たアンデッド達は未だ数の衰えを見せていない。
しかし何故、本来は温和なスケルトンやゴーストなどが襲ってくるのであろう。
しかも目標を定めているかのようにピンポイントに発生しているようだ。
もしかしたらこれも反乱軍の策略の1つかもしれない。
一旦引くことを提案するべきか、このまま殲滅を続けるべきか、ミケは迷っている。
迷っている暇はないと決断した結果、一旦退却することにした。
ミケは冒険者達に現状の異変を伝えた上で退却を提案する。
他の冒険者達も魔力が底を尽き始めている、休める時に少しでも休んで貰いたい。
スケルトンとゴーストの大群に背を向けて一目散に逃げる。
魔法使いの探知魔法を展開しながら、来た道を戻っていく。
ミケ達も隊列を組み最後尾で殿を務める。
村へ辿り着くまでに何度か襲撃を受けるが、なんとか凌ぎ切り村へと帰還したのである。
村では村人達が心配そうに待っていた。しかし、まだ安心はできない。
アンデッド達はまだ追ってきている。
冒険者達は交代で休息を取りながら警戒にあたることにしたのである。
吾輩は村で待機しながら、村長から今回の経緯を聞いている。
まず、不審者が村の近くの森に潜伏していた事から始まったらしい。
村人達も不安に思っていたが、手出しする事などできなかったという。
いつの間にか不審者が消えた頃から、アンデッド達が現れたのだったというのだ。
アンデッドは本来大人しく、危害は加えてこない。
しかし現れたアンデッド達は村人を襲い、建物を焼き払ったという。
話を聞いたミケ達冒険者は、不審者の目撃情報のある辺りを入念に調べることにした。
すると何かの儀式が行われたであろう祭壇を見つけだした。
こういった儀式などに詳しい者がいないため確認だけしてその場を離れる。
一度を冒険者ギルドへ帰って、情報共有を行いたい。
ミケ達数名の冒険者で街へ戻ることにする。
街に戻ると入口に立っている兵士伝手に冒険者ギルドから呼び出しを受けた。
報告することもあるので丁度いいと思い、寄り道せずに冒険者ギルドへ向かった。
ドアを開けて第一声は、ギルドマスターからお疲れと労われた。
今回の出来事について報告する事にしたミケ達。
説明を終えると、ギルドマスターがギルド内にいる者を集めて会議をしようと言い出したのだ。
集まってきた冒険者達に村長から聞いた話を聞かせると、皆険しい表情をしていた。
こういった話には敏感なのであろう。特に魔法使い達は真剣に聞いていたのである。
ミケ達も休憩をとりながら話を聞いていた。
アンデッドの異変について意見を求めたところ、やはり、あの森で儀式が行われていた可能性が高いという結論に至ったのである。
あの森はアンデッドの住処として有名である。利用することを考えた何者かの仕業だろう。
そして今回の異変に関係しているであろう、謎の不審者についてだが、ギルドマスターは心当たりがあるらしい。
明日その調査に向かうと言う。ミケ達も同行を願い出たが、危険だからと断られた。
今日は解散となり、宿へ帰る事にする。
翌日、ミケ達は冒険者ギルドへ向かうと、ギルドマスターから声を掛けられる。
これから調査に向かうので一緒にどうかと誘われたのだ。
どういう気の変わりようだと不審に思ったが、ミケ達も同行する事を願い出たところ、すんなり承諾してくれた。
街を出て森の近くに簡易的な転移ポイントを設置するミケ達一行。
そこから更に森の中へと入っていくのである。
しばらく歩くと視界が開けた先に洞窟が見える。
村の周辺にあった祭壇と同じ雰囲気が漂っている。
儀式はここでも行われていたのかもしれない。
しかし、本当にこんな森の奥深くに人が居るのだろうか。
更に奥へと進んでいくと、開けた場所にたどり着く。
そこに小屋が建てられているのを見つけるミケ達一行。
中へ入ると魔法陣が書かれており、魔法陣の真ん中に台座がある。
その台座には水晶玉が置かれているのだ。
ギルドマスターはこの光景を見て何かに気付いたらしい。
そしてこの水晶玉を台座から外して手に取ったのである。
すると水晶玉が光り輝きだし、辺り一面を光が覆いつくす。
眩しさに目が眩んだミケ達一行だが、徐々に視力を取り戻していく。
目の前に1人の女性が現れたのである。
その女性は自らを女神と名乗ったのだ。
そしてこの水晶玉が鍵であり、異世界の魔王を倒すための力を与えると言うのだ。
しかし、条件があるらしい。
それは冒険者として登録する事と、パーティーを組む事である。
ミケ達は迷わず断った。今は異世界に現を抜かしている場合ではない。
冒険者の仲間を村に残し、アンデッドの暴走の原因を追究している最中である。
ギルドマスター他数名の冒険者は、女神の条件を承諾して異世界へと旅立っていった。
女神の光から解放されたミケ達冒険者は、改めて付近を探索するのあった。
にしてもギルドマスターめ。情報の一つでも残してから異世界に旅立って欲しかった。
まさか異世界転生した先で異世界転移の勧誘を受けるとは思わなかった。
既に猫生よりも10倍以上の年月を人生として生きているが、吾輩は人というものを未だに要領が掴めない。
とりあえず冒険者達を残してきた村に向かう事にする。
街で集めた情報を元にアンデットの暴走を止める手立てを話し合いたいからである。
村の兵士が迎え入れてくれ、防衛をしてくれていた冒険者達を集めて会議を行うことにする。
教会以外の建物は廃墟と化してるため、机も屋根もない青空会議だが、輪になりそれぞれの意見を出し合う。
まずはミケ達が街から持ち帰った情報を共有する。
やはり見つけた祭壇は儀式の可能性が高く、他の場所にも同様の痕跡が残っていた。
この事を踏まえ意見を出し合ってもらっている。
ある魔法使いは儀式の魔法陣を詳しく調べたいから、その祭壇まで案内して欲しいと言う。
ミケ達は快く承諾し、後ほど案内をする事にした。
他にも不審者を探す方が良いのでは、という意見も出た。
不審者についてはギルドマスターが心当たりを持っていたのだが、あの脳筋髭爺は異世界転移をほいほい受けて居なくなってしまった。
居なくなった人間を罵っても空しいだけなので、ギルドマスターが居なくなった事実だけ冒険者達に伝えた。
不審者が最後に目撃されてからしばらく時間が経っており、見つけるのは困難だろうということで意見をまとめた。
他にはアンデッドを暴走させる儀式があるなら、鎮める儀式もあるのではないか、という意見も出た。
これは考慮すべきことだとして、魔術などの儀式に詳しい人間を探す者たちの編成を行った。
一通り意見が出たところで会議を終了し、それぞれの持ち場に戻っていく冒険者達。
先程、儀式の魔法陣を詳しく調べたがっている魔法使いを連れて、祭壇の場所まで案内することにする。
村を出て、森にある祭壇と洞窟を目指すことにする。
魔法使いは、目的の洞窟に覚えがあるという。どうやら以前行った事があるみたいだ。
しかし、その時は特に何も起こらなかったので、ただの洞窟として認識していたようだ。
その洞窟がこんな事態を起こすとは、驚きを隠せない様子だった。
最初の目的の祭壇に到着する。
魔法使いは祭壇を詳しく観察し、魔法陣が書かれた台座に注目する。
ミケ達もその台座の周辺を調べてみることにする。
すると何かを見つけたのか、魔法使いは声を上げる。
それは小さな宝石であった。
しかし、こんな石ころ一つで何ができるというのか。
魔法使いが言うには、これは魔石であるらしい。
しかもかなり高ランクの魔石だそうだ。
この魔石を魔法陣に当てることで儀式が発動するのではないかと。
ミケ達は台座を調べてみたが、魔石をはめ込むような場所は見当たらなかった。
他に手掛かりがないため、仕方なくサビにこの魔石に魔力を込めてもらうことにする。
すると魔法陣が光り出した。やはりこの魔石が鍵となっているようだ。
突然、地面が激しく揺れだしたのだった。
その揺れはどんどん大きくなり、やがて大きな地割れが発生したのだ。
ミケ達はなんとか地割れから逃れられたが、この揺れの元凶は何かと探していると、地面から巨大な骸骨が現れたのだった。
そのスケルトンは全長15メートル程はあるだろう。
骨だけで体を支えることが出来るのか疑問だが、現にこうして存在しているのだから信じる他ないだろう。
スケルトンの大きさを見たサビも驚いている様子だった。どうやら彼女もこの規模の大きさのものは見た事がないらしい。
ミケ達と対峙するようにこちらを見据えている巨大なスケルトン。
森からは鳥たちの鳴き声がけたたましく聞こえてきた。
巨大スケルトンは明らかに臨戦態勢である。ミケ達も戦闘準備に入る。
すると地面から先程の魔法陣と同じような幾何学模様が出現した。
そして中から次々と新たなスケルトン達が姿を現す。
骨の擦れる音を鳴らしながらこちらに向かってくるのである。
このままでは数の暴力でやられてしまうだろう。
ミケ達は一旦、村人が避難している村まで後退することにした。
幸いにも追いかけてくる気配はない。
しかし油断はできない状態だ。
すぐに冒険者達に通達をして討伐隊を組む。
防衛の最低限の人数を残し、巨大スケルトンの討伐へと向かうのだった。
巨大スケルトンを倒すことで何か状況の変化があるかもしれない。
ミケ達は村からも目視できる、巨大スケルトンへ向かっていく。
近付くにつれて魔法陣から召喚されたスケルトン達が襲い掛かってくる。
魔法使いには遠距離から巨大スケルトンへ砲撃をしてもらう。
巨大スケルトンはただ図体がデカいだけの個体の様に、砲撃で怯んでいる。
その都度、ジタバタと動く足で地盤が揺らぐ。
前衛も足元に気を付けつつスケルトン達を倒していく。
無限に思われた魔法陣からのスケルトンの召喚だが、どうやら違うみたいだ。
スケルトンの数は次第に減っていき、残るは巨大スケルトンである。
前衛が足元を攻撃してもビクともしないため、盾役を何人か残して魔法使いの護衛に回る。
魔法は着実に効いている様子が伺える。
肋骨も数本折れ、頭蓋骨も何箇所か陥没している。
それでも足を蹴り上げ、腕を振り回すなどを行ってくるが、皆上手く回避して大事に至っていない。
このまま魔法で押し切れると思ったその瞬間、巨大スケルトンは突然咆哮を上げた。
その咆哮は大気を震わせ、森に木霊する。
すると地面が盛り上がり、そこから新たな巨大スケルトン達が現れたのだ。
ミケ達は再び戦闘態勢に入る。しかし、この数は流石に厳しいかもしれない。
そんな時である。街の方角から冒険者達がこちらに向かってくる気配を察知した。
どうやらギルドでの話を聞きつけて駆けつけてくれたようだ。
ミケ達は新たに加わった冒険者達と力を併せて立ち向かう。
近接戦では分が悪いので、攻撃は魔法使いに頼る。
何せ15メートル程ある巨体である。人間など豆粒のようなものだ。
よくある巨大化などは核となる部分があるのだろうが、そんなもの一切ない。
本当にただ巨大なだけである。バラバラにすれば倒すことが出来るのだろう。
前衛で攻撃を避けている者達も入れ替わりながら休憩を挟み長い戦いは続く。
1体を集中して攻撃している間は、他の敵にはマラソンと呼ばれる囮役を何人も用意する。
巨大スケルトンが何体も現れたので、マラソンの跡は森がなぎ倒されていく。
それでも生き残るためには手段を択ばない。
1体目の巨大スケルトンも遂には魔法使い達の砲撃の前に瓦解する。
崩れ落ちた骨が動くことはなく、何か気配が変わったわけでもない。
引き続き1体づつ倒していくのみだ。
巨大スケルトン達との戦闘は7日間にも渡った。
作戦は変わらず、盾役、囮役、攻撃役、護衛役に分かれ、1体集中で倒していく方法を取った。
結果として、誰一人として欠けることなく戦闘に勝利。
途中、再び咆哮されることにより巨大スケルトンを呼ばれるのでは、との懸念もあったが呼ばれた個体で全てだったらしい。
その後、巨大スケルトンは増えることはなかった。
当初の推測の、巨大スケルトンを倒すことでアンデッドの暴走を止めることが出来るのではないか、という予想は見事に外れた。
祭壇に描かれていた魔法陣は地面と共に散り散りに裂け、原形を留めていなかった。
残るは森の奥の洞窟から漂う儀式の気配である。
一旦、村へ戻り英気を養うことにする。
AIにより作成しているため、前後の関係値を全く気にしないでストーリーが進んでいきます。作成してる私自身も驚きを感じます。
この違和感を楽しんでもらえると幸いです。




