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地雷

「それじゃあ旦那、ウチは失礼するっすよ? 報告は時々イゼ経由でするっす」

「直接しに来てもいいんだぞ?」

「いやっすよ。旦那と関わってもろくなことないんすもん」


 いい笑顔でそう言ったネナは、そのまま部屋を出て行った。見送り無用とのことだったのでベッドに腰かけたままだった俺は、ふいに戻ってきたネナの爆弾を処理し損ねた。


「あ、そうっす。お酒おごってくれたことだけは感謝しとくっすね」

「ん? いや別にあれはおごったっていうか――」


 お前をスムーズに誘拐するために必要だっただけで、という理由を説明する間もなくネナは消えた。それが若干慌てているように見えたのが気のせいではなかったと、俺はすぐに確信した。

 背後に殺意を感じたからだ。


「主様?」

「ミ、ミーアトリア? ど、どうしたんだ? その斧は首に添えるものじゃないぞ?」


 ひんやりとした鋭い刃が首に容赦なくあてがわれる。ちょっとミーアトリアの手が動いただけで紙のように首が切り落とされることは間違いない。冷汗がだらだらと流れた。


「さっきから酒くせぇと思っていたでございます。まさか」

「ち、違う! ネナが酒場にいたから連れてきただけで!」

「言い訳無用!」

「ちょぉっ⁉」


 ミーアトリアの一撃を間一髪のところで交わした俺は、換気のために開かれた窓から部屋を飛び出した。


 ネナの野郎、今度会ったら一発ひっぱたいてやる。

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