イベント企画
「先輩、ミーアトリアちゃん、改めておめでとうございます。今年一年もよろしくお願いしますね!」
「また世話になるにゃ」
「えっと、よろしく? というか、結局これは何なんだ? いつの間にそんな話になってたんだよ」
まともな話が出来そうなミーアトリアとクォン、レイアがキッチンに行ってしまったので、仕方なくマシロに聞くことにする。
「ふっふっふ、それはですね――」
「あ、やっぱりいいや。別に気にならん」
「――聞いてくださいよ! せっかく用意したんですから!」
「ええ……だって絶対めんどくさいじゃん」
「経緯を説明するだけで何が面倒くさくなるんですか」
マシロならなりかねないんだよなぁ。
「えっとですね。まず先輩がお勤めしている間にドラゴン討伐報酬のお話が来まして」
「誰がお勤めだ誰が」
「で、そのお金をどう使おう、って話になったんですよ」
「なんで俺がいない間に話をするんだよ……」
「それで、まあとりあえずお祝いしようってことになりました」
「色々と省かれたな?」
すでに雲行きが怪しい。
「それから役割分担を決めることになって、最初にミーアトリアちゃんが買い出しに行くことになったんですよ」
「左様でございます。マジ意味不明なことに慣れているからという理由でパシられました」
「ですです。でミーアトリアちゃんがさっそく出かけたんですけど、その後でハトリールちゃんが突然思いついたんですよ」
「私の不満を聞きやがれください」
ミーアトリアは頬を膨らませてむくれるふりをする。無駄に愛らしい。
「そういえば先輩とミーアトリアちゃんには誕生日が無くって、そのお祝いもいつかしたいなって話をしてましたよね? だから、一緒にやっちゃうのはどう? って」
「んにゃ。にゃーたちもふみゃんはにゃかったし、賛成したというわけにゃ」
「なるほどな。それでドラゴン討伐に参加したイゼとレイアが来てるわけだ。じゃあクォンは?」
「クォンさんは私たちのおかげで臨時ボーナス出てますからねぇ」
「お礼の意味も込めて、ってことか」
「ですです。イゼちゃんが声をかけたらすぐに答えてくれたんですよね?」
「んにゃ。その時にめいにゃんもいたからちょっとびっくりしたにゃ。秘密って言われてたからにゅー」
「ああ、あの時に誘ってたのか。……って、あれ? じゃあ人数が足りなくないか?」
そう。
ドラゴン討伐に参加した面々という話なら、あとひとりいるはずだ。
ちょうど、ちょっと前まで俺を不当に拘束していた人物が。
「その人のことですよ、さっきハトちゃんが言ってたのは」
「祝い事と言えば、ってやつか? どうしてアズリアが祝い事と関係あるんだよ」
「だってあの人助祭さんですよ? 福を与えてくれそうじゃないですか! ありがたいお言葉をもらえたら先輩の金運がアップするかもしれませんよ!」
「がめついなおい」
というかそもそも一番お金が絡んで来たら駄目な立場の人間だぞ。金運とお金とは違うのかもしれないけど。
「てなわけで誕生日会です! これでマシロの誕生日を祝わないわけにはいきませんね!」
「せめてもうちょっと体裁を大切にしろ!」
「あ痛いっ!?」
一瞬にして、マシロは涙目に変わった。




