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夜勤

 仮眠から目を覚まし、夜も静まり返った頃、俺たちは町の外へと出ていた。


「ふあぁ~……先輩、眠いです」

「見りゃわかるよ……さあ、そろそろ来るだろうし、気を引き締めて行けよ」

「了解しました、主様」

「分かりました。と、それは良いんですけど、どうしてこっちから来るって分かったんですか? メイゲルさんは、この町のことを知っているんですか?」


 俺たちが立ったのは町の北側、畑の密集する地帯だった。


「別に難しい話じゃなさ。ゴブリンたちは食料が欲しいだけだからな。畑を狙う。それに、ここからまっすぐ行った所に森がある。ゴブリンたちが隠れているとしたら、そこだろうな」

「なるほど。確かにそうですね」

「先輩、ここにくるゴブリンは倒すとして、森に残ったゴブリンはどうするんですか?」

「もちろん全員倒すさ。ゴブリンは放っておくとすぐに数を増やすし、定住されると後が厄介だからな。そこまでが今回の仕事だ」

「え~、面倒ですね」

「マシロちゃん、正直すぎだよ……」


 月と星の明かりだけになろうとも、ここら一帯は空気が澄んでいるのもあってそれなりに明るい。夜目の効かない俺たちでも十二分に周囲を見渡せた。

 そして、恐らくは俺たちの中で最も視力のいいミーアトリアがさっそく見つけた。


「皆さま、ゴブリンを見つけましたよ。数は、まあ二十は下らないですね」

「夜盗にしては大掛かりなことだな。さあ三人とも、出番だぞ。気は抜くなよ」

「はい! マシロだって任せられると言うことを証明して見せます!」

「久しぶりの共同依頼です。成長した僕を、見せますよ!」

「では、私も行って参ります、主様」

「ああ。思う存分暴れて来い!」


 マシロは両の手にそれぞれ盾と剣を、レイアは両手で剣を握り、ミーアトリアは片手で握れるサイズの斧を持ち出した。

 まあ、気を抜くなとは言ったが、ここにいるメンバーが、これだけの数のゴブリンに後れを取るとも早々思えなかった。俺は、安心感すら覚えながら三人の戦闘を見守ることにした。


「さあ、今まで町の皆さんに迷惑かけたことを悔いてください!」


 マシロが得意とするのは、無論接近戦だ。近づき、相手の懐に入って攻撃を防ぎ、一方的に攻撃する。パーティー単位で大物を相手取る時こそタンク役を買って出るマシロだが、元来より一対一の戦いを得意とする前衛職だ。


 小柄なゴブリンがマシロに迫る。数は三匹。

 ゴブリンはその体が弱い分、数で相手を翻弄して獲物を倒す。マシロだってその習性は理解しているし、油断すれば一匹を相手しているうちに他のゴブリンに攻撃されることも分かっている。


 マシロは迫って来る内の一匹に距離を詰めてその剣先を容赦なく突き付ける。続いて振り返り、向かってきた二匹の内の一匹の攻撃を盾で凌ぎ、もう一匹を容易く切り裂く。

 すかさず残りも切り伏せた。


 この一連の動作に迷いは一つも無く呼吸一つ乱れていない。汗の一滴も流れていないかもしれない。


「ふぅ、お次はどこのどいつですか?」


 明るい声音で言うマシロの表情は流石に引き締まっていたが、それでも余裕が全身から感じられた。

 やはり、今更ゴブリンに後れを取ることはないようだ。

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