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隣町

「「酷いです!」」

 

 少し先を行っていたら、マシロとレイアが批難してきた。


「いや、二人とも楽しそうに話をしていたから邪魔しないほうが良いかなって」

「別に楽しくはありませんでしたよ!」

「そうです! メイゲルさん酷いです!」

「んなこと言われてもなぁ」


 マシロの相手をするのは面倒なのだ。


「別に、すぐに追いつけるだろ?」

「そ、それはそうかもしれませんけど……」

「レイアちゃんと違ってマシロは乙女ですし、盾もあって重いんですよ! レディーファーストです! 女の子を大切にしてください!」

「そ、それはずるいと思うよマシロちゃん! べ、別に女の子じゃなくたって、大切にしてもらっても……」

「いやいや、何言ってるんだよ」


 二人のやり取りを見ながら、俺は頓珍漢なことを言う二人に否定を割り込む。


「レイアも女の子だろ?」

「……」

「……」

「ん?」


 二人とも黙り込んで、どうしたんだろうか。


「マ、マシロちゃんどうしよう……っ! メイゲルさんまだ僕のことを女の子だと思ってるんだけど!」

「いや、あれは違いますよ。理解はしていても納得は出来なくて、理性のどこかがレイアちゃんを女の子だって思い込もうとしてるんです」

「えぇ……」


 二人が何やらひそひそと話していたので、俺は再び置いて行くことにした。


「「酷――(以下略


「と、そろそろ見えて来たな」

「あれですか? 結構大きいんですね?」

「あの、私と先輩と話すときのレイアちゃん語尾が同じなのでどうにかして差別化しませんか? 例えばレイアちゃん、語尾にござるを付けてください」

「ご、ござる? よく分からないけどやめておくね……」


 後ろの方でよく分からないことを言いだした二人を放っておいて、俺はミーアトリアに問いかける。


「どうだ、疲れてないか?」

「これくらいでしたら問題はありません。そうは言っても依頼は定期的に熟していますしね」


 すまし顔で、両手をスカートの上で合わせて背筋を正す。そんな姿勢を常に保ちながら俺の隣を歩いて来たミーアトリアは呼吸一つ乱さずに言ってのける。


 ミーアトリア。俺の従者にして、パーティーメンバーであるところの彼女だが、戦闘経験豊富、鍛冶スキルも潤沢ではあるのだが実のところ十三歳のまだまだ若い少女だ。


「疲れたら言えよ」

「承知しました。……と、あちらに町民がいらっしゃるようですよ。お話を伺いますか?」

「ああ、そうだな。おい二人とも、変な事言い合ってないで行くぞ」

「「あ、はい!」」


 タイミングも反応もぴったりだった。なるほど確かに、差別化は必要かもしれないな。いや、よく分からないが。


「もし、そこの小父様」

「む? どうかしたかい、お嬢さん」

「この街で、ゴブリンが出たと聞きました。心当たりはおありでしょうか」

「おお、冒険者の方々か。若いのにすごいねぇ。話なら、町長さんから聞けると思うよ。案内してあげるから、付いておいで」

「ありがとうございます」


 町民のおじさんに深々とお辞儀したミーアトリアは、続いてこちらを振り返る。


「コミュ障の対人最弱様方、行きますよ」

「うるせえ、別にあれくらいの質問は出来るぞ」

「マ、マシロだって、出来……ます」

「うぅ、知らない人怖い……」


 言葉尻の小さくなるマシロと、頭を抱えて縮こまったレイア。

 なるほど、確かにこいつらは対人最弱かもしれない。

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