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朝食

「めいめい、いるカ? って、なんダ。またミーアを怒らせたノ?」

「ハ、ハトリール?」

「ハトちゃん! 私たちを助けてくださいっ!」


 扉を開いたのは、どこか気だるげな美少女だった。杖を持ち、動きずらそうな格好をしているのは宗教上の理由らしい。なんだそりゃ。 

 そうやって外界の光を遮るとハトリールの赤い目は一層輝く。そして厳かに口を開いた。


「ねえミーアお腹空いタ。何かご飯くれナイ?」

「では、マシロ様産ケチャップを使ったオムライスを作ってやりますね」

「ちょっと待ってください! 目玉焼きにかけるだけならともかくオムライスは量的に本当にやばいです!」

「目玉焼きにかけるくらいの量ならセーフなのかよ」


 色々と突っ込みどころを抱えた抗議ではあったが、ハトリールよくやった! 

 興が削がれたのか包丁を緩く握り直したミーアトリアは踵を返して肩越しに言った。


「では皆さま、首を長くして待っていやがってください。今朝食を作ってやりますので」


 ミーアトリアはキッチンへと向かった。


 古小屋と言っても隙間風が多少ある程度で雨は凌げるし多少の耐久性はある。細かいことを気にしない俺やミーアトリアであれば普通の家と遜色ない感覚で使用して行けるほどだ。

 そんな古小屋の一角に設置されたテーブルに添えられた椅子に各々腰を下ろして俺、マシロ、ハトリールはミーアトリアが朝食を作ってくれるのを待っていた。


「お待たせなんてしてないかと思いますが、オムライスでございます」

「ってミーアトリアちゃん、ケチャップあるんじゃないですか」

「はい、先程マシロ様から頂戴させていただいたではありませんか。一滴残らず」

「ひぃっ!? い、いつの間に!?」

「冗談だって気づけよ……」


 本気で驚いているのか? 流石に冗談だよな? もし本当に本気で驚いているのだとしたら相当などんくささだぞ……。


「そんなことは良いから食べようぜ、腹減った」

「それもそうですね、いただきます!」

「切り替え速いな、お前……」


 この柔軟な対応力も馬鹿だからこそってところか。

 

 しっかし……改めて見るとこの古小屋は結構埃だらけだな。


「せっかく集まったし、ここの掃除でもするか」

「お掃除? でございますか?」

「おう、ま、一先ず朝ご飯を食べ終わってからな」


 人数もあることだし、たまには掃除も悪くないよな。

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