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合流

「まったく、めいめいはすぐに無理をするんだかラ……ほら、もういいよヨ」


 握っていたハンカチは、いつの間にか手の中から消えていた。代わりと言っては可笑しいのかもしれないが、俺の肩口に出来た傷は塞がり、血が止まっていた。


 流石、ハトリールの治癒魔法は頼りになる。


「悪いなハト、何時も迷惑かける。ハンカチは弁償させてくれ」

「別にそれくらい気にしなくてもいいヨ、替えは幾らでもあるかラ……そんなことより、そっちのあなたはどちら様? そこで痙攣してるクソ野郎はお知り合いカナ?」

「は……っ!? ああその、私はこの街のギフト保持犯罪者取り締まり局の局員でアイナ・ニコルスです! そこで倒れているのは強盗犯で、現行犯で逮捕しようとしたところ逃げ出し、それで、その……」


 アイナと名乗った女騎士は気まずげに俯いた。どうやら先程俺が怪我をしたことに相当罪悪感を抱いているらしい。


「……ま、あんまり気にしないことだな。幸い俺もこうして元気なわけだし。今は一先ずそいつを連れて行ってくれ」

「は、はい! お任せください! ……また今度、是非改めて謝罪と感謝を伝えさせてください。次にお会いできるのを楽しみにしてます。では、自分はこれで!」


 倒れた男の首筋に手刀を落とし、ピクリともしなくなった体を背負ったアイナは笑顔で手を振りながら去って行った。


 怯えていた割に結構タフなんだなぁ……。


「何だったんダ?」

「本人が言ってただろ、犯罪者だよ。俺たちは犯罪の騒動に巻き込まれたってわけだ……しかし厄介だなぁ」

「どうかしたノ? 別に厄介なことは無かったと思うけド」

「いや、ギフト保持犯罪者取り締まり局、まあギフト局ってよく呼ばれるけど、あそこの局員に目を付けられた。非常に厄介だ」

「ああ、うちはギフト持ちが多いかラ。パーティー四人の内三人って中々いないよネ」

「変な事に巻き込まれないといいけどな」

「だネ」


 ハトリールは他人事のように返事するが、当事者であることを自覚していないのだろうか。

 まあ、俺も言うほど心配してはいない。一先ずマシロたちを探さないとな。


「あ! 先輩! ハトちゃん! こっちですよ!」

「遅いご到着ですね、待ちくたびれましたよ主様」

「悪かった、ちょっと面倒事に巻き込まれてな」


 結局ミーアトリアたちを見つけたのは日が完全に沈んでからになってしまった。場所は街の公園。日中は周辺の子どもで賑わう場所だ。

 もう時間が遅いからか人はおらず、そこにいたのは二人だけだった。


「もう遅いし、小屋の修復もまだだよネ。皆家に泊まってってヨ、近いヨ?」

「良いんですか!? マシロ、極寒の暗闇で一晩を明かさなくていいんですね!?」

「大袈裟だな……でもいいのか? 俺たちまで世話になって」

「ありがたいお話ではありますが、正直言って現在金欠でお返しは難しいのですが」

「別にお返しなんて期待してないヨ。困っている仲間を助けるのに対価なんて必要ない、そうでショ?」


 ハトリールは小さく微笑みながらそう言ってきた。


「そうだな、まったくその通りだ」

「先輩、どこ見てるんですか? そっちは西なのでたぶん一昨日の方角ですよ。どれだけ経っても日は昇ってきませんよ? どれだけ都合が悪くても明後日の方向を見ましょうよ」

「うるさいマシロ、黙っててくれ」


 意味不明かつ余計なことを言ってくるマシロを黙らせてから、俺たちはハトリールの家にお世話になることになった。

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