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23 幻影将軍ポゥと【皇帝】という名の魔道具 2

ダン・ガルーは幽霊船の甲板でワインを半分程飲みほしていた


大岩男(ビックロックマン)達が廃墟となったカラカラの地下から残されていた魔道具を掘り集め、ジャイアントの口の中へ放り込んでいる


太陽は中天を過ぎ、明日の朝には作業を終わらせる予定だが、魔王の椅子(ダーククリスタル)は未だに発見できていない


「ポゥの奴も戻ってこないな」


瓦礫と砂が盛り上がり、中から複数体の魔動兵が現れる


三メートルほどのダークブルーのクリスタルの結晶が魔動兵に守られるように引き上げられる。ゴーストが魔動兵に纏わり着くがクリスタルの傍に近づくと動きを止めて姿が消えていく


ダン・ガルーが幽霊船の甲板から飛び出して、中距離からチェーンフックを伸ばし魔動兵をダーククリスタルから引きはがす


魔動兵が出てきた穴から次々に無数の魔道具が飛び出してくる


火炎を纏った槍が多数ダン・ガルーに向かって飛ぶがシャドーマンが槍に絡みついて動きを封じてしまう


ダン・ガルーがチェーンフックで魔王の椅子(ダーククリスタル)を捕らえ、奪われまいとする三体の魔動兵ごとチェーンを引いて空中に投げ飛ばす


このまま魔動兵共々ジャイアントの口に放り込もうとするが、寸前で魔動兵にコースを変えられ魔王の椅子(ダーククリスタル)は砂の上に落ちる


魔道具【皇帝】が幾多の魔道具に守られながら地中から姿を現すと、全ての魔道具が動きを止める


【皇帝】が淡く七色に輝き


『ポゥだ、俺だ、ダン・ガルー、騒がせて・・・うまく魔道具を・・まだ・コントロールできない、まだ』



「するとお前(ポゥ)はこの魔道具と一体化したって訳か」


ダン・ガルーが虹色の球体に話しかける


『そうだ、今・私・・魔道具【皇・】の中に・る。これは素晴・・い魔道・だ。お前・見ただろう。全て・魔道具を触・ることなく自・に操る・・出来る』


ダン・ガルーは普段無口でクールなポゥが冗舌?に話すのが気にはなったが、魔王の椅子(ダーククリスタル)が魔動兵に担がれてジャイアントの口の中に収まるのを見て自分の口を閉じた


『しか・、急・・ばなら・い。ダン・・ル・急・でこ・を離れ・・』


自らの周囲を守るように魔道具を配置している事からダン・ガルーはポゥが何かを恐れ、追われている事は予想していた


ポゥが出て来た瓦礫の穴から一振りの抜身の短剣が飛び出してくる


それを待ち構えていたかのように氷杖から多数の凍結魔法が短剣に浴びせられるが、凍結魔法は短剣を凍らせることなく渦をなして一本の縄のようになり【氷の精霊】へと変化する


穴の周りに配置された魔道具が次々と【氷の精霊】によって氷漬けになっていく


それを見たダン・ガルーは自分が使った召喚魔法を【魔言】も使わず行使した短剣がただの魔道具ではないと確信する


ここはポゥの言う通り逃げの一手と決めたダン・ガルーは強引にジャイアントを短剣と幽霊船の間に押し入れて、【皇帝】(ポゥ)と共に幽霊船でカラカラから離脱する


「あの短剣は何だ。ポゥ」


『私に・良・判ら・・【皇帝】・命令に従・ぬ唯一・魔道具・・そ・・我を傷つ・・』


ダン・ガルーが魔道具【皇帝】の表面をよくよく見ればうっすらと一筋の切り傷が付いている


魔動兵が短剣の行く手を遮るが特殊金属(アダマンタイト)製の魔動兵を短剣は安々と貫いていく


「これは駄目だな」


ダン・ガルーが懐から薄茶色した球を取り出す


『ダン・ル・それ・【魔核・弾】・・か』


「あいつ(短剣)は聖属性なのだろ。あれを振り切るにはこれしかない」


ダン・ガルーが【魔核爆弾】を強く握りしめ爆弾に魔力を込めて、追ってくる短剣に向かって投げつける


ドドドドッカァーーーーーーン


凄まじい爆発と爆風で砂が舞い上がり、瘴気のきのこ雲が立ち上り十メートルほどのクレーターが出来上がる


幽霊船は短剣の追撃を振り払い西の砂漠に姿を消す


ジャイアントがカラカラの魔道具を全て飲み込んで幽霊船を追うように砂に潜っていく



カラカラ消滅から三日後、十基の浮遊塔がオアシスの町ウルウルの上空にたどり着く


都市の消滅という結果から見れば総勢千名にもなろうという多くのカラカラの市民達の脱出は大成果と言える


しかし浮遊塔から降りてくる人々には誰一人として安堵の笑顔はなかった


カラカラ脱出時に遭遇した皇龍王の凄まじい【龍威】は人々に拭い切れないほどの恐怖を植え付けていた。それはアルフォンスを失ったカラカラ評議会のゴルドバンを始めとする全てのメンバーにも言えた


誰一人としてカラカラへ取って返すと主張する者はいなかったのだ


ダーククリスタルを失った魔道都市再建には、これより十数年の時が必要となる


浮遊塔から降りて地面に座り込む一人の少年が彼の親方に話しかける


「親方、これから俺達どうすればいいのでしょうか」


見習いの少年に話し掛けられたドワーフの親方は周囲にいるドワーフ達にも聞こえるように大声で答える


「今夜も明日もうまい酒をたらふく飲むぞ。そして次の日からは鉱脈の流れをたどり良い素材、良い土地を探す。大地と炎火があれば我らドワーフは生きていける。すべての大地がドワーフの故郷だ」


皆さんつたない物語をいつも読んでくださりありがとうございます

2023年の投稿は今回で終了となります

また「カラカラ攻防戦」も一段落となりました

来年最初の投稿と記念すべき第100話は1月9日よりショートストーリーを何話か掲載した後に新章「ルーンの呪縛編」をスタートさせる予定です

では読者の皆様良いお年をお迎えください

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