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09 迷宮探索 6

短編で投稿した「始まりの森 モエナの災難」の続編になります


https://ncode.syosetu.com/n4919ie/


迷宮の魔物ならセーフティエリアには入れない


では迷宮外からやって来た魔族はどうか、過去の資料では入れるらしい


アンジェリーナの記憶によれば、魔族が迷宮深層の宝を持ち出したという記録がルーンには残っている


「どうします。ゴットン」

ルックが尋ねる


ゴットンはしばらく考えて

「【転移魔法陣】を使う。いろいろ疑問はあるが、今は帰還する事を優先させよう」


【ダンデライオン】の二人に最低限の治療を済ませ、八人が【転移魔法陣】の上にのぼる


救助された二人は立っているのもやっとという状態なので、二人を取り囲むように手を繋ぎ【転移魔法陣】を起動させる


八人が光に包まれて【転移魔法陣】の台座の上から消えていく


ナナシはみんなが無事に帰還できることを祈りながら30階層へと一直線に進む


やはり魔物は現れない


24階層の入り口から逆走してみる


そこには大鬼皇帝(オーガエンペラー)が大鬼王や巨人鬼を多数従えて陣を構えていた。見たこともない大型魔物までが多数いる


『ハハハハハ

これは面白い戦いができるぞ

【龍王尾】の使い勝手を確認しつつ、まずは地上で・・・』


「待って、待ってください。神龍様

なんで戦わなくちゃいけないのですか

あんなのに勝てる訳ないでしょ」


『これから深層階へ向かえば想像もつかん強敵が待っているかもしれん

今できる事はすべてやっておいた方がよい

【真実の大鏡】を素直に使わせてくれる相手ではあるまい』


ごくり、ナナシが唾を飲み込む



 ズドーーーン


巨人鬼の足がナナシを踏みつぶす。ナナシは地面に強く打ち付けられる


一緒に巻き込まれて多数の大鬼がペシャンコになる


ナナシは体中をきしませながら素早く立ち上り、巨人鬼の足の間を縫って大鬼王に挑む

大鬼王が矛を水平に薙ぎ払う


ナナシがさらに加速して矛の間合いに踏み込み、大鬼王の両腕を切り落とす


 ぐおおおおお


両腕を失った大鬼王が、ナナシに咬みつくが黒龍の鎧に傷一つ着けることはできない


その間に数十匹の大鬼がナナシに飛び掛かる


【龍王尾】が渦を巻くように伸びて大鬼を吹き飛ばす


大鬼王がナナシに肉薄し、回し蹴りを放つ


黒龍剣が大鬼王を両断する


『黒龍剣と【龍王尾】がある限り接近戦は問題なく戦えるな

後は遠距離と中距離攻撃だが』


「問題ありありですよ。神龍様

今、僕踏みつぶされましたよ」


巨人鬼や大狼、サイクロプスが後方に下がる


大鬼騎士(オーガナイト)大鬼戦士(オーガソルジャー)が隊列を組む


大鬼将軍(オーガジェネラル)が大剣を天高く掲げ振り下ろすと、全軍がナナシへ向かって突貫してくる


ナナシも大鬼将軍に向かって大鬼達の中を駆け抜ける


後方に陣取る大鬼皇帝が右手に持つ【皇帝の王笏(おうしゃく)】をくるくると回す


皇帝の後方よりワイバーンに乗った大鬼戦士(オーガライダー)十数騎が、ナナシに向かって飛び立つ


はぁはぁはぁ


すべての大鬼の攻撃を退け、疲労困憊のナナシ


大鬼達は引くことを知らない。最後の一匹になってもナナシの命を刈り取りに挑んでくる


大鬼皇帝が座っていた切り株から立ち上がり、巨人鬼たちに前進を命じる


ナナシが【空歩】で空中に駆け上がる


『剣業で一気に片を付けるぞ』


死闘は終わりを告げた。終わってみればナナシの圧勝?だった


二連撃(ダブルインパクト)四連撃(フォースインパクト)まで打てるようになった


【龍王爪】は三つの大きな斬撃を一度に放てるようにまでなった


梟が使った【次元刀】は使えなかった。やはり空間を切るイメージが中々身には付かない


大鬼皇帝を倒した時、そこに宝箱が現れる


中身は【完全復活薬(オールリカバリー)

死亡を含む全ての状態異常完治

    身体欠損も回復できる


凄いお宝が手に入ったナナシ


これを売れば・・・・・船乗りにならなくても船が買えるかもしれない


夢が膨らむナナシであった


その後ナナシは30階層のセーフティエリアにたどり着く



【サンシャイン】の臨時パーティと【ダンデライオン】の二人が【転移魔法陣】から出てくる


周囲を警戒するメンバー達


そこは明らかに迷宮出口とは違う


ロビンとハントンがセーフティエリアと思われる場所をくまなく調べる


【ダンデライオン】の二人を【転移魔法陣】の傍に座らせ、ゴットンが階層主部屋の入り口を指さしながらルックに話しかける


「あの印は前回俺たちが付けた印だよな」


「ええ、そうですね

だとしたら、ここは30階層のセーフティエリアということになります」


「迷宮主は何が何でも俺たちを深階層へ招きたいらしいな」


一通りの安全を確認し、全メンバーで話し合いをする


「まず自己紹介からだ」

ゴットンが【サンシャイン】と臨時メンバーの二人を紹介する


「私は【ダンデライオン】の副リーダーをしているトーナ、中衛をしているわ

槍とショートソードを使う。もっとも今はソードだけしかない」


「俺はトーナの弟で剣士のトーカリ、普段はロングソードを使うが今はない」


「あなたたちが隠れていた穴は誰が掘ったのです」

ルックが明らかに魔法で造られた穴について尋ねる


「死んだ私たちの兄だ。パーティリーダーをしていた。魔法使いだ」


ゴットンが話を引き取る


「現状ここは30階層のセーフティエリアだ。つまり俺たちは20階層の【転移魔法陣】から10階層下へ来たって事だ。どんなトリックを使ったか説明できるものはいるか」


誰一人発言する者はいない。当然だ、誰もそんな馬鹿な話聞いたことがない


ここ【迷いの森】の【転移魔法陣】はすべて1階層出口への一方通行だ


自由に好きな階層へは転移されないし、できない

読んでいただきありがとうございます

ブックマークと評価をしていただいた読者様ありがとうございました

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