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08 迷宮探索 5

短編で投稿した「始まりの森 モエナの災難」の続編になります


https://ncode.syosetu.com/n4919ie/

ゴットン達は1アワーも進まない内に【魔物暴走】を発見する


森と森との狭間にすごい数の魔物がひしめいている


それは30階層のエリアボス大鬼王(オーガキング)大鬼(オーガ)の軍勢300匹


オーク1000匹よりも数は少ないが、はるかに強く強靭である


案外近くでとんでもないことが起こっていたことになる


「【ダンデライオン】はどこにいる

奴ら戦闘しているようには見えないぞ」


「はっきりとは判らないが左の丘の当り」


「俺とアンジェで、右側で騒ぎを起こす

アラタとルックで【ダンデライオン】を救出離脱しろ」


「戦力を分散するのですか。ゴットン」


「奴らを壊滅するつもりはない。俺達も騒ぎをおこしたらすぐに逃げ出す」


「ならば尚更、私が魔法で援護したほうが良いのではありませんか」


「どこにいるか判らない【ダンデライオン】を見つけるのは、ルックお前の役目だ」



大鬼王(オーガキング)の座る岩場から右手で爆発が起こる


彼は今、20階層を自由に移動しているが基本考え方は階層主(かいそうあるじ)である


獲物が現れるのをただただ待ち、現れた敵を全力で倒す


そこには戦略や戦術は存在しない


全戦力を一転集中する


何故ならエリア戦において複数の敵は存在しない、複数人の敵が狭いエリアに存在するだけなのである


ゴットンとアンジェが爆裂玉を投げながら森の中に逃げ込む、すべての大鬼(オーガ)が彼らを追い、後ろから大鬼王(オーガキング)がゆっくり後に続く



遠くで爆発音がする


ナナシは考える


もしここで20階層の階層主部屋に単独で戦いを挑み、21階層へ降りたら


今ここに現れている【魔物暴走】は収まるのだろうか


そんな不確かな賭けはできない


となると黒騎士として【サンシャイン】のメンバーを救援するしかない


『良いではないか【魔物暴走】

剣の修行として願ってもない実戦だ

その魔女、案外良い奴かもしれんな』


「前向きですね。神龍様」


『神威以外は使い放題で戦えるのは、ここまで来た甲斐があったというものよ

黒騎士も喜んでいるのではないか』


ここでみんなと別れると決めたナナシは二人に振り替えると、二人が【転移魔法陣】の傍に倒れている


呆気にとられるナナシ


周囲を警戒しながら慎重に二人に近づき、脈を診る


気絶しているだけだ


誰がいったい彼らを気絶させたか


ここはセーフティエリア、魔物は絶対入って来られない


魔物なら気絶などさせないで殺している


彼らをこのまま置いてゴットン達の所へ行くべきか


詮索は【魔物暴走】を片付けてからだ


ナナシは荷物から五日分の食料を小分けし階層主部屋のドアの傍に隠す


鎧を装着すると、いつも抜身の剣を右手に持っていないといけなくなる


これは戦闘時以外とても不便だし、移動の制約にもなる


そこで考えたのが鞘の代わりに背中に担ぐ事


荷持ち運びと同じ発想である


剣を背中に回すと、鎧の背中の部分が糸状に解れ剣を落ちないように背中に固定する


これで両腕を自由に使える


二人に荷物の中から気付け薬を取り出し嗅がせたら、急いでセーフティエリアを飛び出すナナシ


やはり【空歩】も両腕が使えた方が安定して空中を翔ける事ができる


爆発音の聞こえた方向へひた走ると程無くして【サンシャイン】と大鬼(オーガ)との戦場が見えてくる


その時、上空から人の大きさ程の岩石が次々に地上に降り注ぐ


大鬼の群れが岩石に吹き飛ばされる


それを合図のようにアンジェリーナとアラタが大鬼王(オーガキング)に向かって前後から切り込んでいく


やはり三つ星ハンター【サンシャイン】の実力は本物だった


強力な体躯と素早さを持つ大鬼(オーガ)でさえアンジェリーナの剣技とアラタのスピードには着いていけず徐々に押され始める


横やりを狙う大鬼(オーガ)にはゴットンが盾激(ガードバッシュ)で吹き飛ばし、ルックが魔法で援護する


 「ギャギャオーーーー」


しびれを切らし苛立った大鬼王(オーガキング)が大きく唸りを上げ、前線へと押し出してきてアンジェリーナに迫る


すかさずゴットンが両者の間に入って大鬼王(オーガキング)の攻撃を大楯でしのぐ


「これは自分の出番はないか」とナナシが考え出した時、【サンシャイン】と大鬼の群れが激戦を繰り広げている奥の森が大きく揺れて木々が倒れていく


ナナシは素早く木々が倒れた方向へ移動する


そこには大鬼王(オーガキング)の呼び声に応えるかのように二匹の巨人鬼(ビックオーガ)が【サンシャイン】に向かっていた


背丈は15メトルを超え【破邪の大剣】を思わせるほどの長さの金棒を持っている


ナナシは迷いなく上空から巨人鬼(ビックオーガ)に攻撃を仕掛ける


振り下ろされる剣はダブルインパクト


巨人鬼は上空から急降下してくるナナシに直前で気付き金棒を振り上げる


振り下ろされる黒龍剣に遅れて剣の残像が巨人鬼の金棒に重なるように打ち合われた時、大きな衝撃波が巨人鬼を襲う


衝撃波は巨人鬼を難なく押しつぶし、爆音と共に森に巨大なクレーターを作り上げる


衝撃波は強風となってゴットンと大鬼王に吹き付ける


大鬼王が一瞬目をつむり1歩引いたのを見逃さず、ゴットンが大楯の後ろに装備していた(まさかり)で大鬼王の左足に切りつける


鉞は大鬼王の左足切断は出来ず、強靭な筋肉に阻まれ足に食い込んで止まるが、大鬼王は堪らず持っている剣を怒りのままに鉞に振り下ろす


すかさずアンジェリーナがゴットンを踏み台に飛び上がり大鬼王の首を切り落とし戦いに決着をつけた


ナナシは二匹目の巨人鬼を【龍王翼】で吹き飛ばし【龍王爪】で切り刻む


『威力は増しているが、剣業に比べて龍業はまだまだ発動に時間が掛かるな』


「そうですね神龍様

剣業はイメージし易いのですが、龍業は羽根や爪は僕にはないのでどうしても発動に一呼吸掛かってしまいます」


『そうなると真の【龍王撃】はなかなか放出(はなて)ないな』


【龍王撃】 龍族最大の攻撃手段ドラゴンブレスに相当する業


ナナシは【サンシャイン】のメンバーに見つからないように20階層のセーフティエリアに大急ぎで取って返す


彼らが戻ってくる前に単騎で階層主に挑む



森へ散り散りに逃げていく大鬼に警戒しながらゴットンとアンジェリーナがルック達と合流する


ルックによって保護された【ダンデライオン】のメンバーは大鬼に発見された時、素早く地中に穴を掘り隠れていた


それでも助かったのは二人のみ、後のメンバー四人は大鬼の犠牲となる


【サンシャイン】は救助した二人を連れてセーフティエリアへ急ぎ移動を開始する


「見たかアンジェ

空を飛んでいた鎧騎士」


「ええ見ました。ゴットン

ルーンから指名手配を受けている黒い鎧の魔物」


「あいつが今回の黒幕って可能性は」


アンジェリーナは首を振り

「判りません

でもルーン総本山でも勇者を追って【常闇の谷】に侵入したと聞いています」


【サンシャイン】が【ダンデライオン】の二人を伴ってセーフティエリアに帰還した時、そこにはロビンとハントンしかいなかった


二人の説明によればゴットン達が出て、なぜかすぐに意識を失った


気が付いた時にはナルはいなくなっていて、しばらくすると黒い鎧を着た騎士が飛び込んできて、そのまま階層主部屋へ入っていったと言う

読んでいただきありがとうございます

ブックマークと評価をしていただいた読者様ありがとうございました


【龍王爪】

斬撃系 【龍爪】の上位版 龍爪が1つの斬撃だったのに対して龍王爪は3つの斬撃が同時に放たれる

【龍王翼】

風系 【龍翼】の上位版 龍翼が突風をおこすのに対して龍王翼は竜巻(未完成)をおこす

【龍王尾】

龍の尾のような影が伸びて相手を薙ぎ払う 【龍尾】が地面平面でしか使用できなかったのに対して、龍王尾は空中でも立体的に攻撃できる

【龍王激】

龍族最大の攻撃手段ドラゴンブレス 【龍激】の上位版(未完成)

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