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02 迷宮探索 1

短編で投稿した「始まりの森 モエナの災難」の続編になります


https://ncode.syosetu.com/n4919ie/

3ヶ月前ナナシは、3つ星ハンター【サンタマリア】のマリアと別れルーン総本山から東へ東へと移動していた


目指すはターネシア大陸最大の迷宮【迷いの森】


そこは旧魔王軍の本拠地魔王城があった場所


魔王の死後迷宮化が始まり、今でも徐々に階層が増えている未攻略の迷宮になっていた


途中立ち寄った町で、偽名で新たにハンター登録をして持っていた魔石を換金し、神官服をハンター風の服装に着替え【迷いの森】を目指す、1つ星ハンター ナル(名有る)である


黒龍剣は布でしっかりと巻いて、一見ただの剣にしか見えない


もちろんナナシは星を増やすつもりはない、星が増えるとどうしてもルーンと関わってしまうから


『黒騎士の我がままなど聞く必要はないと思ったが迷宮となれば話が違う。黒龍剣のよい修行場よ』


黒龍王も途中の町で前魔王の墓が迷宮になっていると聞き、黒騎士の墓参りに同意する。できるだけ大きな街や街道を避けながらナナシは迷宮の町アンラクにたどり着く


「ちょっと待ってください。神龍様

迷宮って食い物、手に入らないですよね」


『そんなものは要らん

小僧は、腹はすいても飢え死になどしない

【神龍の加護】があるからな』


「要ります。絶対要りますよ。神龍様」


アンラクの町はダンジョンがあるから存在する町である


ダンジョンから出る貴重な魔石や宝箱を求めて多くのハンターが集まる


その利権を求めてハンター組合が、商人ギルドが集まり、武器屋・防具屋・魔法具屋・・が集まる


人口三千人程の町の実に半数がハンターである



町を出て50メトルも行けば【迷いの森】への入り口がある


入口にはハンター組合の受付があり、数件の屋台や商店が店を構えている


ナナシは町のハンター組合に行く前に迷宮入口に来ていた


時刻は夕刻


次々とハンターたちが迷宮から出てくる


ナナシが見る所、みんな一つ星か二つ星


たぶんそんな深い階層には潜らず低層を日帰りしているのだろう


そのまま屋台でビッルを一気飲みしているハンター達


1アワーほど迷宮から出てくるハンターを観察してナナシはアンラクの安宿へ移動する



その夜、眠りについたナナシは黒騎士と向き合う


「黒騎士さん

魔王さんのお墓はありそうですか」


「判らん何も感じん

100年前とはずいぶん様相が変わってしまっている

魔王城に近づけば、隠し通路や秘密の抜け穴が使えるかもしれん

それが使えれば魔王様の所にたどり着けると思う」


黒騎士は以前魔王城があった所に近づくと日に日に元気を失っていった


「元気を出してください

黒騎士さん

もしかしたら親友のゴルタンさんにも会えるかもしれませんよ」


「だから元気が出ないのだ

どんな顔して奴に会える」


「いやいや貴方ドクロでしょ」と夢の中で突っ込むナナシ


明日ハンター組合で情報を集めて、取り敢えずダンジョンに入ってみよう



「えー

迷宮内に屋台村があるのですか」


翌日朝一でハンター組合に出向いたナナシはハンター組合の初級者向けレクチャーを他の新人達と一緒に組合の食堂で受けていた


「ありますよ

10階層の階層主(かいそうあるじ)部屋の入り口

セーフティゾーンに

ただし価格は地上の100倍です

貴方達がそこで買い物したら大赤字になりますよ

10階層までは1つ星の貴方達で片道1日半の工程です

4日分の食料を持って迷宮にトライして3日で帰還する

これが標準的な一つ星ハンターです」


「その更に奥へは」


「あなた達の星では進めません。階層主部屋の入り口で止められます

最低でも単独で2つ星になるか2つ星とパーティを組んでください」


「深階層は何階層ですか」


「未確認です

最高到達階層は31階層です

それ以下には誰も潜っていません」



『手詰まりじゃのう

あまり黒龍剣を他人に見られるのは良くはない

あの小娘二人(サンタマリア)程度の実力者がいれば墓参りは問題ないか

しかし黒龍剣を使わねば修行にはならん』


「ともかく迷宮に潜ってみましょう。竜神様

現場に行けばいいアイデアがでるかもしれません」


ナナシは町の屋台で食料を3日分買い


昨日来た迷宮入口に移動する


入口は迷宮への入場者で大渋滞していた


その周りで屋台の売り子が大声で串焼きや乾パンを売る


ハンター証を門番に預けて迷宮に入る


ハンターが迷宮で死ぬと迷宮に吸収される。不思議なことにハンターの荷物も一緒に吸収されて何も残らない為に、迷宮に入るハンターは入口でハンター証を渡し、出る時返却してもらう


返却されないハンター証はそのまま遺品となる


迷宮の中も外と同様大混雑していたが、ハンター達はそれぞれ思い思いの方向へ走り出す


迷宮の前は開けた草原で、その先は見渡す限り森になっている


深い森の真ん中に放り出されたような気分になる


10階層までは、みんなこんな感じの階層が続くそうだ


次の階層への出入口を探す必要はない、迷宮入口から一定距離離れれば次の階層への出入口が現れる


そして下へ行けば行くほど、出入り口の現れる距離は長くなり魔物は強くなっていく


更に迷いの森の迷宮は一方通行ではなく、途中で引っ返して1階層へ昇ることもできる、その為に森の中で方角を失えば、次の出入口は現れず自分が何階層にいるかも判らず死ぬまで森をさ迷うことになる。それを防ぐ為に、10階層まではそれぞれの迷宮出入口には目標となる階層番号が書かれた高い旗が立ててある


『つまらん

小僧のように空を駆け抜ければ問題なく攻略できる』


「それを目撃されたら、凄い騒ぎになりますよ

ともかく森の魔物をみてみましょう」


ナナシがしばらく森の中をまっすぐ歩くと次の階層への出入口が現れる


何だか調子抜けしてしまう


その間魔物は一匹も現れず


ナナシは二階層に降りていく


結局ナナシは5階層を超え、7階層を超え、1日で10階層に到達する


その間全く魔物は現れない


『これは誘い込まれているな』


「そうですね

招待されているとしたら、いったい誰が誰を招待しているのでしょうか」

定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてもらえると嬉しいです

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